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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第七章 国王の椅子と新たな命
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甘々な休暇

主人公目線に戻ります

どうしましょう。


離宮についてからずっと、移動の時にはノア様の抱っこで運ばれています。


使用人は最低人数。

出来るだけ接触も控えるという、新婚旅行の時と同じ状態ですから、使用人の方に見られているなんてことは、ないと思うのですが……たぶん。


ノア様にベッタリ甘やかされましたが、1日目の夕食時には自分で座って食べることができました。

ノア様は不満そうでしたが、あんな恥ずかしいこと、そうそう受け入れられるものじゃありません。


夕食後に、中庭に誘われて、私はゆったり庭木を見ていましたのに、ノア様はどうやらマスカレードの夜を思い出してしまった様子です。


まだ外は明るいから、とお断りしましたのに、ノア様は聞き入れてくださらず、植木の中に押し倒されてしまいました。

ドレスも着たまま、なんて初めてで、なんとなくイケナイコトをしている気分になってしまいます。


使用人の方にマフィンを作ってメッセージカードと共に置いておくと、ノア様にまたお姫様抱っこでベッドルームに運ばれました。



「の、ノア様!せめてシャワーだけでも……!」


「なんで?ジュリアはどこもきれいだから、必要ないよ」



そんなはずありません。

それに、着いてからと夕食後、散々ノア様の好きにされてしまったのです。

汗もかいているはずですし、女性としてはこのまま抱かれるのは、やはり抵抗があります。



「お願いですから……」


「仕方ないな」



ノア様はまた私をお姫様抱っこして、バスルームへ向かいました。

ドレスを脱ごうとして、隣にいるノア様に視線を向けます。



「あの、ノア様?」


「ん?なあに?ジュリア」


「その、ノア様がいらっしゃったら、ドレスが脱げません」


「そんなことないだろう?私も脱ぐからほら、早く」



サクサクと服を脱ぎ始めたノア様をみて悟りました。


ああ、一緒に入るのですね……



「ん。ジュリアの身体は本当にキレイだな」



言いながら、ノア様に身体を隅々まで洗われます。

これ、すごく恥ずかしいです。

それに、ノア様の触れ方が、なんというか……



「どうしたの?ジュリア。赤い顔して」


「それはっ、ノア様が……」


「私がどうかしたかい?」



ノア様は意地悪です。

分かっていて、私に言わせようとしてるに違いありません。



「さ、ジュリアの身体もキレイに洗ったし、行こうか」



ノア様に適当な感じに身体を拭かれて、ベッドへ直行です。



「今夜も可愛い声をたくさん聞かせてね」



ノア様に耳元で囁かれて、長い夜は始まったのです………



翌朝。

体が重くて動けません。


ノア様はそんな私を見て満足そうに何度もキスを落として、ガウンを羽織るとドアのところまで行きました。

ドアの下にメッセージカードが挟まれるようになっているのです。



「ジュリア、これを見てご覧?」



ノア様にメッセージカードを目の前に持ってきてもらうと、私はそれを読みました。


そこには、朝食の準備ができていることと、昨夜のマフィンはみんなでおいしく食されたことが書いてありました。



『お気遣い頂いて、本当にありがとうございました』



こうして、顔は合わせなくても使用人の方とコミュニケーションを取れることは、とても嬉しいです。

何しろ、前世が庶民なので、貴族として育てられてきてはいますが、やっぱりどこかでフレンドリーに接したいという気持ちがあるのです。



「私のジュリアは人気者だね」


「そんなことありませんわ。みなさんが良くしてくださるからです」



そう答えたとき、窓にコツンと何かが当たる音がしました。

見てみると、紙鷹が窓の外にいます。



「なんでしょう。急ぎの用件でしょうか」


「せっかく休暇が始まったばかりなのに、帰ってこいとかそんな内容じゃないといいけど」



ノア様は紙鷹を中に入れて手に取ると、ちょっと目を瞠りました。



「どうなさいました?」


「いや。マルコからの手紙だ」


「マルコから?」



マルコも今、ティレーズと新婚旅行を楽しんでいるはずですが。



「なんでも、仕事をしていないと落ち着かないから、1週間の休暇を5日に切り上げたいらしい」



働き者の二人らしい考え方ですわね。



「本当は、喧嘩をしているのかもしれないよ?」


「マルコとティレーズが?」



気の強い二人ですから、無いとは言い切れませんが……

ですが、新婚旅行中にそんなことはないでしょう。たぶん……



「どうする?」


「とりあえず、マルコとティレーズだけは5日で切り上げても良いとお返事されたらいかがでしょうか」


「そうだね。私たちは1週間、目一杯楽しみたいからね」



ノア様は机に座ってサラサラと返事を書くと、紙鷹で飛ばしました。



「そう言えばジュリア。最近では詠唱なしで紙鷹を使えるようになったと母上から聞いたけど」


「ええ。無詠唱で小鳥の姿になりますわ」



小鳥の姿は、便箋の色に染まっていて、ピンクの便箋などを使うととても可愛い小鳥が出来上がるのです。


あまりにも可愛くて、大した急用でもないのに実家やマリアンヌ様、マキナ様やイザベル様などに送っていたら、気がつけば上達して無詠唱で発動できるようになっていました。



「ジュリアは、いつも私の予想の上を行くね。

この調子だと、次の子供を授かった時にまた天使の加護を得られそうな気がするよ」



だめです、ノア様!

それはフラグです!


焦る私に気が付かず、ノア様はまた私を抱きしめました。



「用意をしてくれた使用人には申し訳ないけど、朝食はパスしよう」



ノア様の言葉は決定事項。

私はまた、朝からノア様に甘やかされたのでした。


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