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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第五章 トリス王国建国記念日と新たな恋の始まり
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建国記念パーティー

宝探しゲームは、結局、町医者をされている方が優勝しました。

私と王妃様の刺繍が入ったハンカチは「家宝にする」そうです。


その他にも、上位5名にはサプライズで私手作りのお菓子を差し上げました。



「食べるのがもったいないので家宝にします」



いえ、カビが生えますからね?

食べてください。



日が暮れてからは、いよいよ建国記念パーティーです。


ヒールの高い靴は履けませんので、いつも以上にノア様との身長差を感じます。



「ジュリア。決して無理はしないこと。

気分が悪くなったら、すぐに奥で休むこと」



ノア様が念を押します。

これを言われるのは今日だけでもう5度目です。

心配はありがたいのですが、少ししつこいです。



王族入場のファンファーレと共に、陛下と王妃様、その後にノア様と私、ティーダ様と続いて入場します。


陛下の挨拶が済むと、順番に来賓の方々が挨拶に訪れます。

メインはやはり私のことが多く、妊娠についてはもちろんの事、天使の加護についても話が及びます。

あまりにも皆さん同じことを聞いてきますので、最後はテンプレートを読み上げてるだけみたいになってしまいました。


次に挨拶に来られた方をみて、私は目を丸くしました。



「ミモザ国王陛下、それにナード殿下。ご無沙汰しておりますわ」


「今日はバロン殿下はご一緒ではないのですか」



ノア様の質問に、陛下が答えます。



「ご無沙汰しております。その節は大変ご迷惑をおかけ致しました。

本日はバロンにどうしても外せない用事がありましたので、ナードを伴って参りました」


「そうでしたか。今回の滞在はゆっくりされるのでしょう?」


「はい。3日程滞在する予定です」



ナード様は、前に比べて少し精悍な顔つきになりしたわね。

何かあったのでしょうか。

それに、リリアン様のその後も気になります。

でも、この場で聞くようなことではないので、その話題には触れません。

あくまでも、今は。


お陰様で悪阻の症状が出ることも無く、私とノア様はダンスをすることにしました。



「お腹が出ているから、踊りにくいですわね」


「大丈夫。ちゃんと私がリードするよ」



ノア様素敵すぎます。

いつもに比べて見上げるような格好になってしまいますが、私を見下ろすノア様から、色気がダダ漏れてます。



「そんな風に見つめないで。今すぐキスしたくなってしまう」



ノア様こそ、その色気大放出やめてください。

鼻血が出ます。

きっと、出血多量で死にます。


ダンスを終えると流石に少し疲れが出てしまい、私は陛下や王妃様に無礼を侘びて、自室で休むことにしました。


トントン、とドアがノックされたので、ノア様かと思い返事をすると、なんと王妃様がいらっしゃいました。



「私はちょっとジュリアちゃんに話があるの。

すぐに済むし、無理もさせないから、あなた達は外で待っていなさい」



王妃様に言われて、王妃様付きの侍女とティレーズが部屋の外へ出ます。



「ねぇねぇ。ヒロインのリリアン様はどうなさっているのかしら。今日も来られなかったでしょう?まあ、どの面下げて来るんだって話ですけど」


「……ミモザ王家にがっつり囲まれてる筈ですから、花嫁教育をしているのではないかと思うのですが……どなたに嫁ぐんでしょうね」


王家に取り込むと言う意味では、おそらく非嫡出子のイザーク様は除外されるでしょう。

リリアン様の実力や評価を考えると、王太子であるバロン様というのも考えにくいです。



「お義母様、明日マリアンヌ様もお呼びして、お茶会を致しましょう。

そして、そこにナード様もご招待いたしませんか?」


「あら!いい考えね。では、明日の3時のティータイムにご招待しましょう。

マリアンヌちゃんとナード殿下には私から伝えておきますわ」



王妃様は満足された様子で、ニコニコと部屋を出ていきました。


明日のお茶会、楽しみですわね。



王妃様と入れ違いに、ノア様がいらっしゃいます。



「何も食べていないだろう?コック長のエリクがジュリア用に料理を作ってくれたから、少しだけでも食べるといい」


「まぁ!ありがとうございます。後でエリクにもお礼をしないといけませんわね。

早速頂きますわ。一人で食べられますし、ティレーズも控えてくれていますので、ノア様は会場に戻ってくださいな」


「しかし……」


「王太子がいつまでもパーティー会場を留守にするなど、外聞がよくありません。

私の為にも、戻ってくださいませ」



いつまでも居座ろうとするノア様にしっかり釘を差す。



「わかった。何かあったらすぐに呼んでくれ」



ノア様はティレーズに声をかけると、またパーティー会場へ戻られました。



「珍しいですわね。奥様がノア様を遠ざけるなんて」



そうなんです。

本当はそばにいて欲しかったのですが、今夜のパーティーは規模も大きく、各国からの国王と王妃や王太子、主要貴族も招かれています。


妊娠中の妻に王太子がつきっきりで、外交も行わない、というわけにはいかないのです。

下手をしたら、他国に「次期国王はこんなものか」と舐められてしまいます。

それだけは、阻止しなければ。


そんなことを掻い摘んで説明すると、何故かティレーズがハンカチを目元に当てた。



「あの変わり者の奥様が………ご立派になられて」



ティレーズ、失礼ですよ?

私はエリクお手製の食事を終えて、ふぅ、と息をつきました。



「少し横になるわ。パーティーが終わる頃に起こして頂戴。

お客様のお見送りだけはしたいから」


「かしこまりました」



ベッドに横になるとほぼ同時に、私は眠りに落ちました。

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