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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第五章 トリス王国建国記念日と新たな恋の始まり
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建国記念日と王太子妃の祝福

主人公目線にもどります

それは、いつものように家族揃っての晩餐から始まった。



「まもなく建国記念日だが、今年はどうしようか」



ここトリスでは、毎年建国記念日に、王族主催でお祭りを開催するのです。

街にも露店が出たり花火が上がったりするのですが、国民が何より楽しみにしているのが、メインイベント。

身分差のない料理大会であったり、国民一斉鬼ごっこだったり。


メインイベントは準備が大変なので、早めから企画し、準備に取り掛かる必要があります。



「そうねぇ。百人鍋は去年やってしまったし、今年はどうしましょうね。ジュリアちゃん、何かいい案はない?」



突然の無茶ぶりです。

私はデザートを食べる手を休めて、頭を悩ませました。



「宝探しゲームというのはどうでしょう。

王都の至る所にヒントとなるクイズが仕掛けてあって、それを解けたら次のヒントの場所がわかる。最終的に最後のクイズを一番早く解けた人が宝の在り処に辿り着ける、とか」


「ほぅ。面白そうだな」


「ジュリアちゃん、ナイスよ!」


「では、賞品を何にするかですね。あまり高価すぎても危険だし、その辺で簡単に手に入るものならやり甲斐がない」



ノア様の言葉に、またみんなして考え込みます。



「晩餐会に誘うというのは……」


「平民はマナーを学んでいませんから、恥をかかせてしまいます」


「お茶会も一緒よね」


「そうですね」


「母上と義姉上の刺繍を施したハンカチというのは?」



ティーダ様がおっしゃいますが……



「ご婦人方は喜ぶとしても、男性はどうでしょう」


「いや、いい考えだ。王族からの下賜となれば、それがハンカチであっても喜んでもらえるだろう」



ティーダ様に賛成したのは、ここまで賞品案を却下し続けてきたノア様。



「ならば、私とジュリアちゃんはハンカチに刺繍を刺しますから、クイズの内容は男性陣で考えてくださいね。

あまり教養が必要でなくともいい、雑学やなぞなぞにしてくださいな。楽しむのは主に平民なのですから」


「それもそうだな。よし、ノア任せた」


「はっ?父上、丸投げですか?」


「私はまだやらねばならぬ事が終わっていないのだ」



ああ、きっとラブレターですわね。



「ちなみに、今の進捗は?」


「まだ半分だ……」



そんな訳で、私と王妃様は刺繍を刺し、ノア様はクイズ作成に頭を悩ませ、どうやらマルコに助けを求めたようです。


……………………………………………………………………


そして今日はいよいよ建国記念日。

空は快晴、絶好のお祭り日和です。


初めに、拡声魔法を使って陛下が王都に集まった人々に挨拶をします。

続いて王妃様、その次がノア様と私です。


私、実はサプライズを用意しているのです。

ふふふ。


ノア様の挨拶の後、皆さんに挨拶をした私は、ティレーズに用意してもらった籠いっぱいの花びらに魔力を流し込みます。

いつも通り、蝶に姿を変えて花びらは飛んでいきます。


わあっ、と歓声が上がりますが、まだまだこれからです。



「国民の皆様にはいつも頑張って頂いていますので、私からも少しだけお手伝いを。

今飛び立った蝶は、王国全土に散り、止まった場所一帯の植物が元気になるよう、魔法をかけました。

微々たる力ですが、皆様のお役に立てれば幸いです」



王太子妃様ー!

王太子妃様万歳!

ありがとうございます!


そんな声が聞こえてきて、私もとても嬉しいです。

魔法の勉強を改めてした甲斐がありました。



「やれやれ。何を企んでいるのかと思えば、こんな事を考えていたのか」


「駄目でしたでしょうか……」


「いや?この歓声でわかるだろう?君は国民のために素晴らしいことをしたんだ」


「ノア様!」



嬉しくてノア様に飛びつくと、更に歓声があがりました。


そうでした。

ここ、人前でしたわね。



歓声が一通り収まったところで、また陛下が前へ出ます。



「ではこれより、今年のメインイベントを発表する」



陛下の口から、主だったルールや注意点、賞品の発表がされます。



「期限は夕刻まで。では、開始!」



陛下の言葉とともに、国民は一斉に走り出しました。

1つめのクイズだけは、開始前に陛下から発表されています。


一気に駆け出したと言うことは、みなさんもう答えがわかったのでしょうか。



「ノア様。問題が簡単すぎたのでは?」


「ふふっ。甘いな、ジュリア。最初は簡単な問題から、そこからどんどん難しくなっていくんだ。

最初の問題が簡単だから、皆も油断しているみたいだが、最終問題まで何人が辿り着けるかな?」



さすがノア様です。

緻密な計算のもとに作られているのですね。



それから私は、悪阻が少しひどくなり、ノア様とベッドルームで少し休むことになりました。



「今夜は他国の賓客を招いての記念パーティーがあるが、出られそうか?無理なら休んでいてもいいんだぞ?」


「大丈夫ですわ。座っているだけですし、気分が悪くなったら少し奥へ戻って休みますから」


「治癒魔法が使えればいいのにな」


「ノア様ったら。病気じゃないのですから、治癒魔法は効きませんわ」



国民の皆さんが宝探しゲームに夢中になっている間に、私はゆったりしたドレスに着替えます。

お腹もだいぶ目立ってきましたので、マリアンヌ様に教えていただいて、腹帯はしていますけど、コルセットで締め上げるわけにはいきませんので、妊婦用のドレスを着るのです。


あら?

少し外がザワザワして来ましたわね。


どうやら、最終問題に辿り着いた数名が戻ってきているようです。

最終問題の在り処はここ、王城の広場でしたので、ここまでは戻ってこれたのでしょう。


ですが、ノア様の言ったとおり、なかなか問題は解けない様子です。

窓から覗いた限りでは、戻ってきたのも数人。



くそっ、どうしても解けねぇ!

わからん、何なんだこの問題は!


そんな声も聞こえてきます。



ふふふ。

皆様に楽しんでもらえているようで何よりですわ。


私は、パーティーで粗相のないように再確認のため、トリスと他国の貴族年鑑を読み始めました。

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