甘すぎる新婚生活
主人公目線に戻ります。
1週間の特別な新婚生活が始まりました。
ノア様の「お仕置き」は甘く、私は翌朝までみっちり愛されてしまいました。
最後は気絶した気が致します。
「ジュリア」
甘い声で目が覚めると、外はすっかり明るくなっていました。
慌てて時計を見るとすでにお昼を回っています。
道理でお腹が空いているわけですわ。
「食堂にランチが用意されたらしいよ。行くかい?」
「はい。お腹ペコペコです」
そう言って立ち上がろうとしたのですが……
カクンッ
膝が笑って立てません。
それもこれも、ノア様が無茶をさせるから……
「おっと。危ないな、私が抱いていこう」
ここではよほどのことがない限り、使用人に会わないようになっていますので、夜着のまま、ノア様に抱かれて食堂に向かいます。
ストンと椅子に座らされて……と思いきや、私は今何故か、ノア様の膝の上に座らされています。
「あの……ノア様?」
「ん?」
何事もないような顔で、ノア様は小さくちぎったパンを私の口元に持ってきます。
思わず口を開けてパンをモグモグと咀嚼していましたが、そうではありません。
「私、自分で食べられますわ」
「いいから」
何が「いいから」なのか、一口大に切った肉を今度は口元に持ってきます。
それもパクンと口に入れて……
はっ!
私、ノア様に流されています。
「うん。この肉は美味いな」
ご自分でも食べながら、ノア様はとても満足そうです。
「昨日の夜から何も食べていないから、腹が減っているだろう?」
「それは、確かに」
「私が食べさせてやるから、大人しくここにいなさい」
どうやら、私が座って自分で食べると言う選択肢はないようです。
次々に口に運ばれるお料理を美味しく頂きながら、私は諦めることにしました。
「ランチの後は、温泉にでも行くか?」
「温泉?温泉なんてありますの?」
「ああ。ここは天然の温泉がある。美肌に効果があると母上が言っていたな」
美肌に効果!
それは女子として欠かせませんわ。
モグモグと咀嚼しながら温泉に思いを馳せます。
「ジュリア。私の分のデザートも食べるかい?」
「よろしいのですか?」
「ああ。私はジュリアの作った菓子以外には興味がないからな」
ぽぽっと頬が熱くなります。
確かに、ノア様は私が作ったお菓子は美味しそうに食べてくださいますが、それ以外でお菓子を食べている姿はあまりお見かけしませんね。
今日のデザートは桃のコンフィです。
さっぱりしていて美味しいのに。
ノア様の分も食べながら、私はふと思い立って、ノア様からフォークを奪い取ると、一口ノア様の口元に持っていきました。
ふにゃり、と頬を緩ませて、ノア様が口に入れます。
「美味しいものは、二人で分け合いたいですわ」
「そうだな。ジュリアの言う通りだ」
「美味しいですわね」
「ああ。ジュリアの手から食べると余計にうまいな」
どうしましょう。
コンフィよりもノア様の方が甘いです。
ストッパー役の人がいない分、ノア様甘さ全開です。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま。さあ、風呂へ行ってみるか」
ノア様が私を抱いたまま立ち上がります。
「え?あの、一緒に、ですか?」
まさか、前世のように男湯と女湯で別れているとも思えません。
「当たり前だろう?夫婦なんだから」
「はっ、恥ずかしいです!」
「昨夜はもっと恥ずかしいことをしたのに?」
「うう………でも、明るいですし」
「気にするな。行くぞ」
どうも、夫婦になってからノア様が大胆になった気がするのですが……私の気のせいでしょうか。
温泉はにごり湯でした。
ラッキーです。
お湯がお肌に吸い付くようで、とても気持ちいいです。
美肌になりますように、と念じながらお肌を撫でます。
「気に入ってくれたみたいだね、ジュリア」
「はい!とても気持ちいいですわ」
ルンルンでいると、スッと背中を指で撫でられました。
「ひゃうっ」
「確かに、スベスベだな」
ノア様はエッチです。
確信しました。
お湯から上がってベッドルームに入ると、知らない間にベッドメイキングがされていました。
もちろん使用人さんが、私たちのいない間にやってくれているのですが、まるで夜中に働く小人さんのように気配を感じさせません。
「夕食まではまだ時間もあるし、すこしのんびりしようか」
二人でベッドに寝転がります。
「その……」
不意に、ノア様が言いにくそうに切り出しました。
何でしょう。
私何かしてしまったのでしょうか。
「昨夜の私は……ぎこちなくなかったか?」
何かと思えば昨夜の秘め事についてでした。
「それは……私も初めてですから分かりませんわ」
「ああ、そうか。そうだよな。一応一通りの勉強はしてきたのだが」
えっ。
そんな閨事の勉強なんてなさっていたのですね。
本を読んだりしたのでしょうか。
それとも、経験者から話を聞いたり?
まさか経験者から手解きを受けたわけではないと思いますが。
「この歳でうまくリードしてやれないなんて恥ずかしいし、ジュリアにも可哀想だからな」
初めてってことを気になさっていたんですね。
でも、良かったですとも言えませんし……
「その……ちゃんとリードしていただけましたわ」
「そうか。なら良かった」
ノア様は私の腰に手を回すと、グイッと私の身体を引き寄せました。
「それなら、夜までまたしばらく楽しもうか」
「え」
何度でもいいます。
ノア様はエッチです。




