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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第2部 ノエル編 第二章 悪役令嬢回避と天使の恋
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大人たちのお茶会

ジュリア視点です

ノエルを見送って、私はお義母様のお部屋へ向かいました。

途中、マリアンヌ様と行き合ったので、一緒に行くことに。

行き先は一緒ですからね。


お義母様の部屋へ通されると、お義父様は気を遣って席を外してくださいました。

聞かれたら困る話をするので、お義父様の気遣いはとてもありがたいです。



「いらっしゃい。ジュリアちゃん、マリアンヌちゃん」


「こんばんは、リリー様」



マリアンヌ様が綺麗に一礼します。



「それで、今夜の議題なのですけれどね」


「アルフォンスの、婚約の話ですわよね」


「アルフォンス様の婚約?」



マリアンヌ様が首を傾げます。

私とお義母様は、騎士になるはずのバース様がノエルに恋をしたこと、失恋したばかりのクロエちゃんと、アルが婚約したいと言い出したことを説明しました。

クロエちゃんも満更でもないことも。



「バース様ルートはノーマルエンド、次はアルフォンス様ルートに入った、ということでしょうか」


「おそらくそうでしょうね。アルは一歩も引く気がないみたいですし、アルの優しさに絆されたクロエちゃんも、婚約については、とりあえず仮、ということで納得してくれていますわ。

バース様の時は相手の気持ちを読み違えた私の失敗でしたけれど、今回はアルの気持ちがはっきりしていますし、問題ないでしょう」


「でも、アルフォンス様ルートでも、ノエル様は悪役令嬢の立ち位置なのですよね?」


「クロエちゃんとノエルは、幼い頃から何度も会わせていたこともあって、今では親友ですから、邪魔にはならないと思いますけれど……」


「正式な婚約はいつにするつもりなの?」


「2ヶ月後のアルの誕生日パーティーですわ。

でもその前に、パーティーを開いて、私とノア様の時のようにプロポーズをさせようかと思っていますの」



私の言葉に、お義母様はクスクスと笑いました。

マリアンヌ様は苦笑しています。



「確かに、本人の口から言わせなければね。

パーティーはいつを予定しているの?」


「クロエちゃんのドレスを作る時間も必要なので、1ヶ月後にしようかと」



私が言うと、マリアンヌ様は少し考え込みました。



「私たち、第3部についてはどんな内容なのか知りませんけれど、乙女ゲーの定番と言えば、パーティーで悪役令嬢がヒロインのドレスにワインやシャンパンをかけるというものがありますわよね」


「まさか、わざとかけることはないと思いますが………」


「ノエルちゃん、おっちょこちょいですからねぇ」



お義母様が困った顔をします。

そうなのです。

我が家の天使、ノエルはおっちょこちょいさんなので、わざとじゃなくてもワインなどをクロエちゃんにかけてしまうことはあり得ます。



「クロエ嬢はそれくらいで泣いたり怒ったりする事はないでしょうけど、周囲の視線がありますからね」


「とりあえず、ノエルにはヒールの低い靴を履かせて、念の為に、クロエちゃんの着替えを用意しておきましょう」


「もしかしたら、それがきっかけで親密度がアップする可能性もありますわね」


私はお義母様の言葉に首を傾げます。



「濡れたドレスのクロエ嬢を、アルフォンスがお姫様だっこで運べば……」


「それですわ!」



クロエちゃんも、ノエルがわざとワインをかけたとは思わないでしょうし、アルフォンスがお姫様だっこで運べば、周囲も二人の仲の良さを知ることになりますし、濡れたドレスを笑う方なんていないでしょう。



「ところで、クロエ嬢のダンスのレベルは?」


「ほとんどパーティーに出ていないので、おそらくあまりお上手ではないかと」


「なら、レッスンが必要ね。これから毎日、学園の帰りに王城へ呼んで、ダンスのレッスンをしましょう。講師にはどなたにお願いしましょうか」


「私が王太子妃教育を受けた時の先生なら、教え方も丁寧でお優しいので、適任ではないでしょうか」


「それなら一刻も早くお願いしなくてはね。

あの方はダンスの先生として、結構人気のある方ですから」



そうだったのですか。

もしかしたら、私の王太子妃教育の時は、結構ハードなスケジュールを組む予定だったのかもしれませんわね。

1日で終わったので、ご迷惑はおかけしませんでしたけど。



「ジュリアちゃん、これを紙鷹で」



いつの間に書いたのか、お義母様がダンスの先生への依頼状をしたためていました。

私がそれを紙鷹で飛ばします。

小鳥さんは、きっと明日の朝には先生の元へ辿り着いているでしょう。


「それにしても、ノエルがワガママに育たなくて良かったですわね」


「そこは、念入りに育てましたから」


「グッジョブだわ。ジュリアちゃん」


「アルフォンス様と少しでも親しくなるように、お菓子作りの頻度も上げましょう」


こうして、私たち第一部世代の会議は進められていったのです。



「クロエ嬢、アルフォンス様と結ばれるといいですわね。私もう、ヒロインが殺人鬼になるパターンはお腹いっぱいですわ」



確かに、リリアン×イザーク、メリッサ×リリアナと、二度もヒロインに命を狙われましたからね。


クロエちゃんが暴走しなければ、きっと大丈夫でしょう。


パーティーでは充分に注意しなければなりませんわね。


私はノエルもアルフォンスもクロエちゃんも幸せになってほしいのです。

それこそが本当のハッピーエンドだと思うので。



セブプリ第3部をノエルとクロエちゃんが終わらせてくれることも、心のどこかで期待しています。


ゲーム自体は楽しいですが、身の回りの子たちが失恋したりするのは、見ていて辛いですし、リリアンの時のようにバッドエンドで気が触れたり、命を落とすことは、望んでいません。


どうか、無事にこの世界の第3部が終わりますように………



翌朝、どうやらお義母様はダンスの先生に登城するようにお願いしていたようで、久しぶりに先生にお会い致しました。



「今回はノエル様のご友人の方のダンスのレッスンと伺いましたが」


「ええ。アルフォンスの婚約者候補の令嬢ですの。レッスン代は私どもがお支払いいたしますわ」


「かしこまりました。それで、いつからを予定されていますか?」


「出来るだけ早く。1ヶ月後のパーティーに間にあわせたいのです。先生のご予定は?」



先生は手帳を出してパラパラと捲りました。



「午前中と15時まではそれぞれ学園入学前の伯爵家の令嬢とご子息に教えておりますので、それ以降ならいつでも」


「それでしたら、是非明日の16時からお願いできますでしょうか。生徒の令嬢も昼間までは学園がありますので、放課後まっすぐ登城してもらい、先生に教えていただくということでいかがでしょうか。ご無理を申し上げているのは重々承知しておりますが」


「構いませんよ。でもできれば、学園がお休みの日は時間まで王妃様から教えて頂いたほうが助かります。

王妃様は基礎がしっかり出来ておられるので」


「わかりましたわ。基礎は大切ですものね。私か、お義母様が教えるように致しますわ」


「では、明日からお願いいたします」


「こちらこそお願い致しますわ」



ダンスの先生とも話がまとまりましたので、念話プレートで、明日からダンス用の靴を持って放課後に登城するように、クロエちゃんに伝えました。


クロエちゃんは戸惑っていたようですが、うまく踊れないとパーティーで恥をかくのはクロエちゃんです。

ここは、頑張ってもらわないと。


ダンスのレッスンは週に5回にして、残り2日のうち1日はお菓子作りに来てもらうことにしました。


それなりにハードスケジュールですが、きっとアルは大喜びでしょうね。


このまま、二人の親密度がどんどん上がることを期待しましょう。





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