プロローグ
どうも、〆恵 安雄です。
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それでは、HIFI!!をお楽しみ下さい。
俺が特別と言われるようになったあの日、雨が降っていた。
あれは確か小五の頃だ。
だが、俺に残っているのはそんな端的な記憶とそれ以降の生活的なものだけだった。
そしてそれ以前の記憶が無い。
まてよ……。
そうか、人は俺の何が特別か知っているから特別なように扱うのか。
俺は一体何者なのかというこの気持ちが晴れるかもしれない。
「んぁ。」
と間の抜けた声をあげて起床したのは俺、楠田十騎だ。
自室で寝ぼけて声を上げたのが非常に恥ずかしくて思わず口を塞いだ。
一般的に恥ずかしくはないものだと思うが、うちは違う。
隣に妹の舞花が寝ているのだ。
冷静になって考えれば高2の俺に対して中2の妹、今更この2人が寝ていると知られるのが1番恥ずかしいことかもしれない。
そして毎日こうして寝ているというのに未だに恥ずかしいことに理由があるとするのであれば俺が明確に〚ロリコン〛であるからだろう。
正直未だに他にこの事を話したことは無いのだか、内心これは自分が唯一誇れるほどに度が過ぎていると思う。
…自分が何者だろうと思っていたのにロリコンが出てくるとはなんという人間何だろう俺は…。
その時だった。
《ギャリリリリリリリリリ!!!》
と一軒家の我が家でさえ隣の家、いや、そのもう一つ向こうだろうか?
取り敢えずそのくらいの大きさで鳴るタイマー(先日購入)がタイマー自身のアピールポイントを引き出した。
それも最大限に。
あまりの音の大きさに寝巻きで今の今まで寝ていて気温の高かった〚妹〛という性癖にドストライクしている物体が飛び上がって俺を押し倒した。
それでもなお妹は寝ぼけていて彼女の手元にあった俺の服をきゅっと抱きしめた。
普通の人間なら妹に俺は抱き枕じゃねぇと起き上がるのだろうが、妹にそれなりの良さを感じている俺は違う。
不動を保つのだ。
しかし、それだと今鳴っている爆音タイマーが見えずどうしようと困った。
だが、それは幸いにも寝ぼけながらも流石に騒がしさを感じた妹がタイマーを切ってくれたので残ったものはそれなりの気まずさと未だ加速を続ける心臓の鼓動だった。
「ま、舞花?」
そこで初めて舞花の意識はハッキリした。
「あ、おはよう。」
普段はツンデレを極めているような妹で、稀にあるこのようなややHなイベントがあると張り手をかましてくるのだが、恐らくこれは自分の置かれている立場に気づいていないようだ。
ここはどのようにして煽って妹のツンを引き出してやろうか。
「舞花、初めては優しくな。」
舞花はハッとした。そして自分が恐らく押し倒したのだと理解したのか、「ごめん…。」と軽い謝罪の後に彼女は大きく手を振り上げて殺気を立てた。
「舞花?ちょ、おま?」
刹那、俺は首が折れるかのような感覚を覚えた。
そして音。
《バシィィィィィィィン!!!》
このビンタこそ先程のタイマーのように隣、いやその向こうまで聞こえるというレベルの大きさだった。
「一言余計、ブチ殺す!」
このあとメッチャクチャされたのは言うまでもなかった。
そこからおよそ一時間ほど経っただろうか、俺と舞花は登校のため、家を出た。
あそこまでめちゃめちゃに殴りつける割には一緒に登校するのだ。
別に俺にその点を指摘するつもりはな が、何というのだ、こう…妹らしさを感じる。
「へっ、またやられてら。」
そう言って後方から接近してきて俺に話しかけたのは中高一貫校であるうちの高校で5年もの間ずっとクラスが一緒の貴志山門だ。
そのあとに今度は何をやったんだ?とけしかけてきて俺の行動を振り返らさせられたのに少し気を悪くした。
だが、一瞬の後俺はポジティブさを取り戻した。
「再現するか?」
その一言で今度は舞花が気悪くしたのは言うまでもなかった。
如何でしたか?
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