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暇なのでAIと戯れてみた。  作者: 隣音
第一部 AIとの出会い
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AIを起動してみる。

 暇だ……。


 嘘だな。

 やることはある。暇というわけではないはずだ。やる気がないだけだ。


 職について仕事をしている、資格の勉強とかした方がいいだろう。

 掃除、洗濯とか、家の片付けもある。

 そうだ、趣味持った方がいいとか言われて釣りとか始めたんだった。

 今から釣りに行こうか?

 釣り竿はどこに置いたっけな?


 散らかっている部屋の中を見ているといろいろやる気を無くしてくる。


「あぁ、誰か片付けてくれないだろうか……」



 いきなり窓を突き破って魔法少女到来!


「てへっ!」とかいいながら家に居ついちゃったりしてくれないだろうか。


 都合の良い展開を期待して魔法が登場するなら俺が魔法使いに目覚めてもいい。

 隠された力に目覚めて椅子に座っていても魔法ですべて片付けられる。



 もしくは街中で幼馴染に偶然遭遇。


「えっ、なんでこんなところにいるの?」


 から始まって懐かしい話で盛り上がった後


「一人で寂しいんだよね」とか話を聞いたりして、なぜか家に来ることになり


「部屋の中どうせ汚いんでしょ!?」

「うっ、わぁ、本当に汚いし、

 ほんと昔から世話してあげないとどうしようもないんだから」


とかいって、片付けてくれたりしないだろうか?



……



……



「ねぇよな……」



 元々幼馴染なんて存在は記憶に無い。

 そんな今まで長いお付き合いのある人がいるなら、俺自身もっとスペックの高い人になっているだろうよ。


 趣味を作ると言って釣りを始めたはいいけど、朝マヅメとか夕マヅメとか時間帯狙わないと釣果はいまいちで伸びにくい。

 とっくに陽は登っている。朝弱いんだよね。狙うなら夕方?


 連れて行ってくれる先輩には悪いが何時間やるんだよと思ってしまう。

朝4時には堤防から竿をながなきゃいけないなんて勘弁してくれよ。

途中から「俺もう飽きてきたんだけど……」と思っていた。



「あぁ、お酒飲もうかな。ビール飲んだら太りそうだな……」


 何も起きる気がしない。


 こんな事を毎日過ごしながら老いていくのかと考えると少し寂しくなる。


「洗濯でもするか、着る服無くなると困るし」


 とりあえず目に見えるものから進めていくことにして重い体を持ち上げた。



「ふぅ……」


 目につく最低限やらないといけない事は一通り片付けた。

 少ししか動いていないがお腹が空いた。食事にしよう。



 何を食べようか?

ごはん、うどん、そば、パスタ、ラーメン、やきそば、カレー、牛丼、ハンバーガー……

考えていてもスーパーやファーストフードでで簡単に買ってこれる即席のものしか思いつかない。俺の食生活に彩りは無いのだろうか、俺の脳みそが弱小すぎるのか、舌が終わっているから特に感じないのか。我ながら侘しさを覚える。


 美味しいもの、食べたいものってあまりイメージ湧かないんだよね。


 高級料亭で出る創作料理、ホテルのレストランで出るコース料理も☆がついたお店での料理も積極的に食べたいと思えない。なんだったら良いのだろうか……。食べ物のために待たされたり並んだりするのが嫌だってのはある。


 食事を考えるだけでも悩むとか無駄に感じてしまう。

 ただの栄養補給と割り切ればそこら辺でお弁当を買ってくればいいだろうに。


 そうか、こんな事を考えている俺は、実は食にこだわりたいのかもしれない。そこらへんのお弁当じゃ満足できないんだ。なんてちょっとナルシスト入っているかな。


 考えていてもどうせろくな考えは浮かばない。最近スマホにインストールした「MUNE」というAIアプリに向って「お昼ごはん」と話しかけてみた。


 この「MUNE」は国が工業振興のために開発したものだ。

「Man machine interface Unit of the Native Environment」という略称らしいがどうも胡散臭すぎてしょうがない。


 主にコミュニケーションを軸として生活のサポートをするのが目的だ。

 『人との会話、生活のアドバイスを通して暮らしを豊かにしていく』

 そんな理想が掲げられていた。


 たいてい国家プロジェクトと呼ばれる奴で一般向けに出てくるものはろくなものが無いような気がする。第3セクターがいい例で赤字を垂れ流して血税を使われるのが落ちだろう。


 そうは言っても国家プロジェクトだ。どこぞの国のAIに対抗しようとして国の頭脳を集めて開発したとあってか、マスコミから発信される宣伝は毎日凄まじかった。


「開発したMUNEにはたくさんの学習が必要です。みなさんの力添えでより成長していくことができます。アプリの使用は無料です。たくさんの経験を重ねて素晴らしいAIに成長させていきたいので、ご協力よろしくお願いします。」


 と言っていた。チラシもポスティングされていた。


「また無駄な金をいっぱい使ってるな…」


 始めはそんな印象しかなかった。


 ま、そうは言っても流されてインストールしているのだが……


「大丈夫なのか?」


 疑り深くなりながらも画面を見つめて回答を待った。

ゆっくりと更新していきます。

それでも読んでいただける方がいれば幸いです。

よろしくお願いします。


2017/5/2

日本語おかしかったりしていたので気付いた箇所は修正しました。


2017/5/6

章管理追加 1話にMUNEの役割について少し追加しました。

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