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メジェ子とアヌビスさん

アヌビスが散らかした石版のクズを片付けていたせいか、食堂のテーブルはランチを楽しむ生徒たちでいっぱいになっていた。


「うわ、どうするアヌビス。席あいてないぞ」


「ん? 空いてなければ空ければよかろう」


当然のように無機質な目をこちらに向けて言い放つ西方もといアヌビス。

すうっと息を吸い込むと、大声で叫んだ。


「メジェ子! メジェ子はおらぬか!」


あまりにも大きなハスキーボイスのため、食堂内が一瞬静まり返る。


すると、どこからともなく、一人の女生徒が俺たちの前に現れた。


「お呼びですか~? アヌビス先輩♪」


「だ、誰だよこの変な女は!」


「変なとは失礼な。こんなにもかわいらしい顔をしている女生徒になんてことをいうのだ貴様は」


「い、いやっ……かわいらしい顔って、そもそも顔見えないんだけど」


そう、現れた女生徒、アヌビスがメジェ子と呼んだ人物は、フリルが付いたチェック柄の女子生徒用のスカートから、きれいでスラっとした白い脚が伸び、ふくよかな胸元がいっそう女性らしさを際立させていて……ここまではおそらく美人なのだが、肝心の顔がわからない。


「なんで頭から紙袋被ってんだよ!」


そう、なぜか頭から紙袋をすっぽりと被っており、目の部分だけが乱雑に切り抜かれている。そこから覗かせる大きな目、長い睫毛なんかから察するにやはり相当かわいい子なんだろうが、あまりにもインパクトの強すぎる風貌に、俺の思考は完全に停止していた。



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