#7 ダンジョン解放
ダンジョン製作43日目
今日はついに2階層の追加を行う。
ダンジョンの拡張具合は10キューブ目に差し掛かったあたりだ。アントたちの数も順調に増え、ダンジョンの拡張ペースも早くなってきている。このままではそろそろ最下層まで達してしまうだろう。現在の残りDPは23000ポイントほどある。このあたりでダンジョンの領域を拡張しておくべきだ。
というわけで、2万ポイントを支払い2階層を追加する。2階層が作られるとともに、機能の追加を知らせるアナウンスが鳴り響く。
《2階層が追加されました》
《転送機能が解放されました》
《コアルームの拡張機能が解放されました》
2階層の追加に伴い、新しい機能が2つ解放されたようだ。
転送機能は文字通り、モンスターを別の階層に送ることができるようだ。また、転移陣を設置して階層間をつなぐことができるらしい。1階層と2階層はそのまま掘り進んでつなげてしまう予定なので、転移陣を設置する必要はないだろう。
そして、コアルームの拡張機能。DPを消費しコアルームの広さを変更したり、新しい部屋や設備を設置できるらしい。大小の部屋や、鍛冶場や農場などの設備がリストに並んでいる。
設置できる設備のリストを見ていくと、なんと温泉があるではないか。ダンジョンマスターになってから食事はもとより、風呂に入る必要もない体になっている。なので、風呂に入る必要はないのだが、なんだか無性に入りたい気分である。
記憶はないが、もしかしたら以前も風呂が好きだったのかもしれない。
ダンジョンの製作も順調に進んでいるし、少しくらいは息抜きをしてもいいのではないだろうか。そんなことを考えながら温泉を設置する。少し奮発して大きめのものにしてみた。ついでに小部屋も2つほど追加して、ベッドを小部屋に移動させておく。第2階層の追加と合わせてポイントが少なくなってしまった。まあダンジョンの製作は順調だし少しくらいなら問題はないだろう。
そんなことよりも風呂だ。久しぶりに風呂に入れると、ワクワクしながら温泉へと向かう。
脱衣所で服を脱ぎ、中へと入る。そこには石で囲まれた温泉があった。10人以上が入っても余裕があるサイズが1人で貸し切り状態だ。まあこのダンジョンには、風呂に入るようなのは1人しかいないのだが。
掛け湯をして風呂につかる。少し熱めのお湯だがそれがまたいい、溜まっていた疲れが取れていくようだ。やはり風呂を用意して正解だった。
じっくりとお湯に浸かってから温泉を出る。すっきりしたところで、ダンジョンの製作を再開する。ダンジョン製作も大詰めである、準備期間もあと少しだ。
◆
ダンジョン製作60日目
ついにダンジョンを作り始めて、60日目になった。とうとう準備期間の最終日である。ポイント獲得のために、2階層も限界まで領域を伸ばしてある。マザーアントたちは1階層から2階層に移しておいた。
さらに、1階層はキューブの数を増やして領域を広げておいた。いくつもの部屋が複雑につながりあい、迷路のような構造になっている。できればマザーアントやラーヴァアントのいる2階層までたどり着く前に侵入者を撃退したい。
2匹のマザーアントから生まれたラーヴァアントたちも順調に成長している。さらに、アントフライが増えたおかげで、進化済みのアントも順調に増えつつある。
ソルジャーアントは新たに2種類のアントへと進化した。
まず1種類目はキラーアント。体長は1mと少し小さいが、鋭い顎を持ち、音を立てずに素早く移動することができるようだ。たまにダンジョンの天井を高速で走っている。乱戦中の奇襲に役立ちそうで期待が持てる。
そしてもう1種類がコマンダーアント。体長は3m程と他のアントよりも大きい。そして何といっても、コマンダーの名の通り、他のアリを統率し、集団戦の指揮ができるようである。様々な特性を持つ複数のアントたちが、連携して襲ってくるのだ。うまく使いこなすことができれば、非常に厄介なのではないだろうか。キラーアントと合わせて、ダンジョンの防衛に役立ってくれるだろう。
しかし、残念ながらコマンダーアントに進化する確率は低いようだ。他のアントはそこそこ数がいるのだが、コマンダーアントはいまだに1匹しかいない。今後に期待である。
ワーカーアント数匹でダンジョンを掘っていた頃を思い出す。
早くも2ヶ月、最初の頃と比べるとダンジョンもだいぶ変わったものだ。ダンジョンの拡張に戦力の充実、できることはやった、あとはダンジョンの解放を待つだけである。
こうしてみると一番最初にDPが足りなかったのも嘘のようだ。
◆
《ダンジョンが解放されます。コアルームをダンジョンに接続してください》
ついにこの時がやってきた。コアルームはダンジョンの一番下、マザーアントたちの部屋の奥に設置する。
ダンジョンとコアルームが接続された。これで、ダンジョン側からコアルームに侵入できるようになる。
《ダンジョンが解放されました》
そして、ついにダンジョン解放のアナウンスが響く。ダンジョンの入り口が開き、外の世界とつながる。
さあ、ここからがダンジョンマスターとしての本番である。生き残れるように、油断せずにいこう。
ちょっと総戦力の計算だとかDPの計算が非常にややこしくなってきたので、申し訳ないのですが、ダンジョンステータスの表示はなしにします。
数日分だと何とかなるのですが、20日近く飛ぶと、毎日増え続けるアントたちにさらに進化まであるのでもう大変ですね…
さて、ようやくダンジョンが解放されました。この後はダンジョンに生息するアントたちの紹介をしたら、本編の再開です。
とりあえずサクサクっと進めて、主人公だけが一人寂しく独り言を言い続ける展開を何とかしなければ…