序章 始メも何も
序章 始メも何も
俺の願いはただ1つ。
――ある程度いい思いをして天寿全うしてやる。
………誰だってそんな平凡な人生を描くだろう?
他人からすると俺の過去ってのは結構人離れした感じだ。
それでもそれが叶う可能性は俺にも十二分にあったわけだ。
アイツと出会うまでは――
ところで、
『この世界は神によって支配されてしまう』
――そう聞いて、一体何人が信じるんだ?
俺のような真人間が大半のこのご時勢。
新手の宗教勧誘か、中二病患者だと思われるに決まってる。
そもそも大半の若者ってのは信心深くない。
要するに人間の心の中でさえ神の存在ってのは相当危ういワケだ。
だからそんなもの、俺は信じない――
――今フラグが起ったんじゃないかって? ……起ててない起ててない。
なぜか突然不幸に見舞われたり、見舞われたりはしていない。
いいか、美少女は屋根の上からお尻でダイブしないし、その美少女が問題抱えてきたりもしない。……いや、美少女が屋根から尻ダイブしてきたら何か厄介ごとがあるに違いないのだが。
そんな面倒事はその美少女のおまけつきで金を払ってでも誰かに押し付けてやるよ……本当だぞ?
これ以上話しても平行線だな。
俺の生き様見せてやるよ。
見とけ。最後にビシッと決めてやるから――
――俺にラノベ的リア充=非日常は起きないッ………………よな?