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Duty college  作者: スケトウダラの子
第1章 イレギュラーな人生
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第5話

「どこに隠れてんのー?どうせ動いてないんでしょ?見つかんないわけだよね。ここともう一つ以外はすぐにいるかいないかわかる構造してるしね。もう一つもあきらめた方がいいよ。あいつに頼んどいたし。」


いるのを前提にしてか、話しかけてくるように大声で独り言を話し始めた。まあ、それが妥当だろう。いくらこの建物が広いとはいえ、20分近くも会わないのだとしたら、隠れていることを疑うのは普通だ。そして、もう一人の人も隠れているのだろう。ということは、さっそく全滅のピンチってことか。


仕方ない。一か八か。


俺は近くにあったりんを、鬼の居る方に高い放物線を描くようほうりなげた。


床との接触により鈍い音を発した鈴は、鬼の注意をひくには十分すぎたか。鬼がたじろいだ瞬間に物陰から飛び出し、鬼の懐に入り込む。鬼は予想だにしない攻撃で完全に不意を突かれたか、防げる様子ではない。


まずは。右肘を相手の胸部に入れる。肘をもろにくらった鬼は苦痛の声をあげてよろめき、一歩後ろに下がる。続けざまに右肘を伸ばし、拳で下を向いた顔をぶん殴る。背を相手に向けた立ち回りをしているせいで威力はないだろうが、ひるませるだけならこれで十分だ。あとは中腰になってこっちをにらんでくる鬼の顔に足の裏をかませば…終わりだ。


倒れたとき、階段の角に頭をぶつけたのか、起き上がらなくなった。このくらいでは死なないだろうし、変に生存確認をして捕まるのも厄介だ。両手両足を近くにあった布できつく縛り、先ほど俺が隠れていたところに投げ捨てておいた。


何とか賭けには勝ったらしい。鬼に触れても大丈夫なんて確証はなかったし、実際に倒せるとは思っていなかった。偶然の産物というのか、おいしい思いができたものだ。


残り時間は40分。ここまでの時間、部屋の入り口で見張っていたが、だれかが通るようすもなかった。再度時計を見たときに、数値が異なっていることに気が付いた。


鬼3 人1 your人 0:38:00 


鬼の数が…増えた、だと?どういうことだ。確か鬼は2人だったはず。じゃあ途中参加か?いや、そうか。半妖。半妖の役割か。半妖は最初、人としてこのゲームに参加していた。そして、残り50分~今までの間に鬼になった。時間制で役割が変わるのだろうか。

だとしたら公平に60分ずつなどで交代になるはず。そして、圧倒的に人が不利なこのゲームにおいて、終盤に鬼が有利になるよう設定が組み込まれているはずがない.

もしもそうなら、このゲームは人に勝ち目はないだろうしな。おそらく、何かしらの条件で意図的に鬼か人になることができる。とんでもないチート性能だな。半妖が一人しかいないのにも理由がつく。


なら人間の勝利条件は逃げ延びることか。もう一つの部屋である程度時間をつぶし、残りは走り回るのが得策か。


残り0:10:00。鬼2 人2


憶測は外れてはいないようだな。これで優劣は逆転している。鬼は実質一人。後は逃げ続けるだけだ。


注意深く歩き回って数分。


20メートル先。赤い制服の女と目があった。お互い歩みを止めた。しばしにらみ合った後、二人は口を開いた。


「よう。あんたの仲間の鬼さん。そこらへんでおねんねしてるぜ。これで半妖が変な気を起こさなきゃ2:1だな。」


「残念ね。もう1:1よ。半妖はもう檻の中。それに、もう一人の鬼はもう死んだわよ。生きられてもつまんないからね。」


「どういうことだ。確かに気絶はさせたが、死ぬまでじゃない。」


「だから、殺した。このゲームの勝利条件は相手よりも人数が多いこと。どうせここは現実じゃない。1:1なら、人の勝ち。あんたを捕まえたら私の勝ち。逃げられたら、あんたの勝ち。勝負しましょうよ。」


「鬼は最初からゲームの内容を知っていただろ。というか、あいつは紋章を知らなかった。ってことは誰でも知りえたけど知ろうとしなかったってことか?」


「いや、鬼だけ。あいつは聞いてなかったんでしょうね。誰もルールを知らないのにゲームはできない。だから鬼だけに教えられた。追われたら逃げる。それが人間。」


残り0:03:00


「じゃあ。やるか?」


「ええ。始めましょう。」


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