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Duty college  作者: スケトウダラの子
第1章 イレギュラーな人生
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第1話

高校三年になった俺。相も変わらず普通に暮らすだけだ。しいて普通と違うところを上げるとするなら帰宅部ってとこかな。なんて言ってみたりして。


部活をやっている連中からすれば帰宅部はあこがれなのかもしれんが、帰宅部も帰宅部なりの辛さってものはある。「時間が余る」まあ、なんて贅沢な悩み何でしょうかね。言ってる自分でもそう思う。だが、勉強に時間を割くか?いや、ない。じゃあゲームか?それはコンプした。てなことで、ぼーっとしてることが多いわけであって、青春に汗を流す友は輝いて見えるってもんよ。まあ、なろうとはおもわんが。


今日は週に一度の8時限。集中力なんざ弁当を食ったときにはもうなかった。授業の始めと終わりにチャイムのひとつでもあればメリハリがつくのかもしれんが、いかんせんうちの学校は一時限目の始めしかならないもので。まあ、あってもなくても大差ないだろうが。


8時限目が終わり、いざ帰ろうってところに担任がやってきた。俺は呼び止められる覚えはないといって帰ろうとしたが、校長の呼び出しとかなんだかで、帰らせてくれる気はさらさらないらしい。教室を出る際に、中に残っていた男子に茶化された。全くもって、俺が何をしたっていうんだか。課題のレポートも期限までには出しているというのに。確かに、一年の数学のテストで19点を取ったことはあるが、今では各教科平均70点は取っているし、問題は無い…よな?


担任が装飾のついた扉をノックすると、奥から声が聞こえた。担任は一言じゃあ。と残して去って行った。結局俺は何の用件でよばれたんだ。目の前の扉を開け、軽い挨拶を済ませ、中へと入った。


「ご苦労だね。最近、勉学に励んでいるかね。」


窓から入る沈みかけの夕日により、目の前のスタンドライト《禿げ頭》に淡い光がともった。咳払いとともに顔に広げた手だけでは、にやけた顔を隠すには至らなかった。校長は笑顔を絶やさなかったが、内心は容易に察することができた。


「君に渡さねばならない封書が届いていてね。」


そういって手渡された茶封筒には、赤い大きな印鑑で、「機密事項」と押されていた。


「なぜこんなものが私に届くのでしょうか。差出人が誰なのかご存じないですか。」


「私が知っているのはその封書が国の機関から届いたものだということだ。」


不思議に思い、その場で開封しようとしたところ、ものすごい剣幕で「自宅で開けるように。」と注意された。部屋を出るときにも念を押されたが、下校中に中を見てみることにした。今朝雨が降っていたせいで、今日の登下校が徒歩になったついでだ。俺しか見ないわけで、問題ないだろうし。


厳重に口を閉じられた封書を、半ば強引にあけ、中に入っているものをみた。そこには、たった一枚の紙とUSBメモリしか入っていなかった。その紙には、長ったらしい英字と数字の羅列が描かれていた。ざっと、5×20で100文字。なんだこれは。


家に帰って、自分のノートPCにメモリを差し、開いてみた。メモリにはpassが設定されていた。嫌な予感ってものは当たるらしい。Passの入力だけでどっと疲れた。


開かれたファイルを見たところ、メモ帳のファイル一つだけのようだ。それを開いてみてみると、こんな文面が広がっていた。


◆◆◆


降り積もる雪が解け始めた今日このごろ。いかがお過ごしでしょうか。

さて、唐突ではありますが、本題に移らさせていただきます。あなたは今年の春。4/1から行われる遊戯大学入学試験に参加すること。このとき、いくつかテストを行ってもらいます。その結果によっては、あなたは遊戯大学進学の義務の対象外とさせていただきますので、ご了承ください。


入学テストは4/1、後述する場所でおこないます。時間は15:00~昼食をとる時間は儲けませんので、あらかじめ済ませておくことをお勧めします。


◆◆◆


遊戯大学?俺がえらばれた?国に?いや、まさか。この平凡な俺が?ありえない。

首を振り、もう一度PCに目を向けたときには画面は真っ黒に染まっていた。電源ボタンに手を伸ばした時、真っ黒の画面に二つの紫色をした目が見開き、画面に文字が映し出された。

「東北地方△△県××市○○山のふもと□□道路のバス停から出る12:00発のバスに乗れ。乗り遅れたら豚小屋行だからね。」


そして、そのままフリーズして、数秒後に強制シャットダウンした。俺のPCが再起動した時には、PC内のデータは修理時に入れた初期プログラム以外残っていなかった、USBメモリーも完全に基盤が焦げていて、読み取るどころかUSBとしての機能も失われていた。


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