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犬への気持ち

作者: 泉桜

今回は話にまとまりがないかもしれなせんww




(時間が経てば経つほど苦しくなっていく



(考えれば考えるほど苦しくなっていく



(だけど、忘れるのはもっと苦しくなる



(忘れたくない…戻ってきてほしい…



(時間が戻ればいいのに



「…。」

 目が覚めるといつも目にする、いつもと同じ天井が目の前にあった。

 いつも通りに、支度をして学校に向かう。

 今日も、いつもみたいに楽しいことで笑って、嫌なことに怒って、いつもと変わらない生活がはじまるんだろうな。

 …そう、いつもみたいな。

「行ってきます。」

 玄関先でそう言って、母さんの言葉を背に学校へ向かう。

 学校までは徒歩15分。ぎりぎり自転車通学距離内に入らなかった私の家の場所からは学校まで歩いて行かないといけない。毎日すごく疲れてしまう。

「ほのか、おはよう。」

 家をでてしばらく経った頃、友達のかずみに会った。“ほのか”それが私の名前。学校までかずみと一緒に行くことになり、昨日のテレビの話とか、普通のたわいない話で盛り上がった。


 学校の1時限目は「道徳」。資料を机の上にだし、先生の長い話を聞いていた。

「“命”について考えたことはありますか?」

 先生がみんなに問いかけてくるが、朝1番で眠たいこともあり、答えるものはいない。

(命…。最近このテーマ多いな…。)

 今までの資料を読み返し、心の中で呟く。

(このテーマ。なにも今やらなくてもいいのにな。)

 もう、3ヶ月も前になる。飼ってた犬が亡くなったのは…。私より1年近く早く生まれ、最近までずっと一緒だった犬。歳ということ、病気だったということもあり、最期が近いのはわかってた。覚悟もしてた。でも、やっぱり我慢できなかったよ。ずっと、一緒がよかったのに…。

 3ヶ月前、犬小屋が空になってしまった。いつ頃からなのか忘れてしまったけど、病気で家の中の階段も上り下りできなくなって、抱えて外に連れて行って、散歩に行った。散歩と言っても、家の前を往復するだけしかできなくなっていた。トイレを済ませてすぐ家の中に帰る感じで、すぐ終わる散歩。飼い主としては、寒い中をずっと歩かなくて良いから楽だったかな。

 小屋の中でずっと寝ている犬を見て、心の中では覚悟を決めなきゃだめなのかなってずっと悩んでた。


 何かできないのかな、この子の好きなご飯やおやつも用意しないとな。そろそろお風呂に入れてあげなきゃ、すごく汚れてきたから。

 あれこれ考えて…結局なにもできなかった。

 犬の小屋は私の部屋の近くにある、今も片付けてないから現在形。でも、寂しいけどね。あの日、夜中、部屋からでていつもみたいに犬をみると、お腹を動かして息をしながら眠っていた。

(よく寝るなぁ。)

 不安はありながらも、用事を済ませて部屋に戻る。戻っても、寝ずにやりたいことをずっとしてたけど。

 しばらくして母さんの足音が聞こえてきた。寝室も私の部屋の近くにあるから、寝るのかなと思って気にしてなかったけど、母さんは私の部屋の前で止まって犬の名前を呼び始めた。何回か呼んだ後、寝室には行かずに、リビングに戻ったみたいだった。

 背中が凍るような嫌な予感がして、部屋を飛びだして犬小屋の中を見る。さっき見たときと変わらない姿で眠っていた。眠ってたんだよ…。

 夢かと思った。夢であって欲しかったけど。つねった頬は痛みを感じていた。

 違和感があって、ずっと犬を見ていたら気付いてしまった。確かにさっきと変わらず、同じ格好で丸まって、さっきと変わらずに寝ていた。でも、でも…お腹は動いてなかったんだ。

 急いでリビングに行くと母さんは単身赴任でこの家にいない父さんに電話してるときだった。電話が終わって母さんを見て「犬が…」と言うと、黙って頷く母さんの姿があった。涙が1筋流れ、拭う。

 母さんとしばらく話をした。

「寿命だね。」

 話が止まらないみたいに、話があとからあとから出てくるみたいに、まるで比例しているかのように、涙が止まることはなかった。

「私、何もできなかったよ。」

 もう、拭うこともやめて、そう言った。犬の好きな食パンも死ぬ前にあまりあげれなかった。おやつも用意できなかった。散歩だって…。

「そんなことはない。涙がでてくるぐらい、犬を愛していたんだから十分だよ。」

 話している間、泣かない母さんを不思議に思っていた。でも、泣けなかったんだとわかった。言葉を聞くのと同時に母さんをみると、すでに目には涙をたくさん溜めていた。

「あなたはよくやった。犬も感謝してるわ。ずっと泣いてたら、それこそダメじゃない。」

 動物がなくなったら早く忘れてあげるのが1番の供養になるらしい。私をこれ以上悲しい気持ちにさせないよう、母さんは涙を流さないようにしていたんだ。

 母さんの気持ちに少し救われたような、そんな気がして、落ちつくことができたから、もう何も考えないうちに寝ることにした。

 視界の隅がぼやける世界。『散歩に行こうか。』いつものように、犬を抱えて歩きだす。珍しいな、今日は母さんが起きてる。散歩に行くのは早朝5時で、まだ誰も起きていない時間。だから、そんなことを思いながら『散歩に行ってくるよ。』一言言って玄関をでる。あれ、みんないる。外にでると、まだ暗い空の下で父さんと弟がいた。挨拶をしようと思ったとき、抱いていた犬がいないのに気付いた。少し離れた場所に女の子と居るのが見えた。近づくとしばらく何も言わなかったが『いくね』女の子が言った。

 答えることはできなかった気がする。女の子と犬が少し浮くのが見えて“いかないでよ”そう言いたかったけど、声がだせなかった。出したくない気持ちもあったかもしれない。

 次の瞬間にはいつもの天井が見えていた。

「夢…。」

 1人で呟くけど、部屋を出たら、現実を感じてしまった。もう、いないんだ…。涙をこらえて、気持ちを落ち着かせる。もう…あえない…。


 私が飼ってた犬は、母さんが子供のころ飼ってた犬が産んだ子供だった。母さんの実家の畑に埋めたそうで、親と一緒のほうがいいだろうということで、同じ場所に埋めてあげた。

 見ないと後悔する。でも、見たくない。そんな気持ちが渦巻いていたけど…。しっかり見てしまった。埋まっていく。見たくない、でも…。ずっと思っていたけど、体が動かず、涙があふれるばかりだった。

 そのあとは、考えないようにしていた。


 そして、いつからか、3ヶ月経つくらいまで考えてなかったんだ。

 ふと、思い出した時も、“懐かしい”で終わらせていた。

 だけど、最近になって深く考えるようになってしまった。

「新しい犬、猫、飼うの?」

 この話題が嫌いだった。

 始めは、ただ、嫌なだけだった。どうせ散歩しないくせに。こんな親みたいなセリフが頭の中にあって、反対してたし、時間もあまり経ってないからダメとなっていた。

 でも、最近は違う。

“あの子はもういない”

 この言葉が頭に浮かぶ。犬でも、同じ犬種でも…あの子じゃない。ずっと、撫でてきたあの撫で心地いい頭じゃない。あのかわいらしい顔じゃない。性格も違う。

 そんなの嫌だ。

 なんで…。

 胸が苦しくなってしまうようになっていた。

 思いだしたらダメなのに。

 でも、忘れそうで怖いんだ。

 時間が戻れば…戻せればいいのに…。

 いつかの夢も頭に浮かぶ。あの後、家族に話したら

「アニメとかでよくある、犬があいさつしに来たんじゃない?」

「よく世話してたからね。」

 そう、言われた。

 考えてみたら、犬はメスだった。犬はしゃべれないけど、人間だったら言葉は通じる。

 私の考えすぎかもしれないけど、犬が最期の別れを言ってくれたのかもしれない。

 可愛いと思う犬や猫。触りたいと思うし、大好きだとも思う。だけど、飼いたいとは思わない。

 怖いんだよ。すごく、すごく。

 別の犬だから。そう考えると不安しかなくなるんだ。

 しばらく考えて、考えるのをやめる。いつもの繰り返し。いつの日かこの考えをやめなきゃいけないと思う。

 怖いけど、怖がってたらダメなんだ。苦しいけど、苦しんででも忘れないようにしておかないと。



いつか…



いつか…気持ちが落ち着くまで…

まだ、連載してる小説が終わってないのに短編を投稿しましたww

連載してるほうもお願いしますww

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― 新着の感想 ―
[良い点] 感情が動いた。 [気になる点] 前書きのとおりでした。 [一言] こういうのは何小説と言うんでしょう? 普段の自分の会話を想像して、帰結できないところが似ていると思った。同属嫌悪だろうか。…
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