第七章
少し前の出来事である。
別銀河にあるムーナ星人たちの政界中心部、議会では、隠せないほどの動揺が広がっていた。
地球に派遣した軍の多くが、壊滅したと報告されていたからだ。
「一体、どういうことだ!?」
「奴らは、我らでは観測できない科学技術を有していたのか?」
「奴らはマホウなる技術をもっていると報告があるが……」
「そのマホウとやらは何なのだ!?」
「分かりません。もはや、報告を待つしかないないかと……」
「そんな悠長なことを言っている場合か!? これは、我らのプライドと力に関わるのだぞ!」
ともかく、このように大混乱が場を占めていた。
議会は早急に新たなる艦隊を数万機以上送り付け、最悪の場合、星を破壊する爆弾の使用を認めるという許可も出していた。
議会は星の民たちに「事態は思うように展開している」と虚偽の情報を流し、今度こそ朗報が来ることを望んでいた。そう楽観視していた。
だが、彼らには魔法をすべて解読する術も、地球人たちが星を守る力を持っていることも、何も知らないままだった。
十数日後、彼らのもとに届いた報告書と録音された現地からの声は、あまりにも悲惨なものだった。
全艦隊に甚大な被害。
艦隊及び隊員の7割以上が消失。
魔法の驚くべき脅威度。
星すら守れる力。
惨めに破滅する宇宙船。
そして、最後の記録として残された、隊員達の呪詛、悲鳴、自暴、悶え…
死の末路しか待っていない船内で、阿鼻叫喚の地獄絵図が鮮明な形で映し出されていた。
それは文字通り、言葉を失うほどの衝撃だった。
まだ、瞬時に命を失ったもの達が、どれほどマシであっただろう。そう感じずにはいられないほどの絶望が、全てその記録には詰まっていた。
自分たちは、とんでもないミスをしてしまったのではないか。
そう思う者も、少なくはなかった。
このわずか数年後、ムーナ星人は過去最悪の時代を迎えることとなる。




