第四章
レーザーの豪雨が降っていた。とある海沿いの町。そのすぐ横での出来事だ。
レーザーは無数の光の矢となり、漁船を、森を、山を破壊していく。
ところどころから白煙が上がり、激しい風が吹き荒れ、固い岩石や折れた木が飛び続けている。
それでも、森や建物に潜む人類にダメージは一切なかった。
「状況は?」
「未だにレーザー衰えず! ですが、すべて前盾魔法で防げています。人員の損傷はありません!」
「よし。ならば、こちらから仕掛けるぞ!」
森の中央で指揮を執る日本支部の隊長が、反撃の狼煙を挙げるべく、準備にとりかかる。
そして、
「……位置捕捉よし! 今だ、撃て!」
わずか数分後、全隊員に待ちに待った命令が下された。
それを合図に、各々の隊員たちが我先にと動き出す。
標的は、上空に浮かぶ数えきれないほどの宇宙船だ。
「雷光大魔法!」
次の瞬間、辺り一帯に轟くほどの雷鳴が響き、空に三本の大きな雷柱を出現させた。
あっという間に、上空にあったはずの宇宙船が、いくつか消えている。
「赤光線魔法!」
その瞬間、どこからともなく赤い無数の光線が現れ、ビーという音とともに、戦場に炸裂した。それは、数百の宇宙船を真っ二つにし、大気を、海を、まるで神話のワンシーンのように、一瞬で切り裂いた。
次々と、天空から爆音が多くの者の耳に降りてくる。
だが、攻撃は止まない。
「氷粒大魔法!」
「針落大魔法」
「闇楽魔法……」
弾丸形の氷の礫が、鋭く尖った針が、信じがたいほど膨大な数となり、空の彼方へと飛び立っていく。その勢いはミサイルを彷彿とさせるものだった。
また、サッカーボールくらいの体積を持った、黒い球体が突如として数万個生成され、目にも止まらぬ速さで標的に放たれていく。
夥しいほどの破裂音がどよめき、なおも絶えずに魔法が展開されていく。
それは、宇宙人による侵攻というよりは、人類による一方的な狩り、蹂躙と言っても差支えはなかった。
そのように、驚くほど簡単に墜ちていく数多の宇宙船を確認しながら、隊長は冷静に状況を把握していた。
「……連絡によると、全国の他チームも万事順調だそうですよ。隊長」
「そうか、ならいい。しかし、今回はどれくらい成果があるだろうな。前は、合計二万を超えたんだったか」
「ええ、宇宙人が地球に襲来して早数カ月。今じゃ防衛という名の、小遣い稼ぎですもんねぇ。なんだか不思議なものです」
隊長は若干苦笑を覚えながら、遠目カメラとレーダーを見つめていた。
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