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第十三章


ムーナ星人の秘密兵器MEとは、一体何か?


それは、ムーナ星人のとある科学者(マッドサイエティスト)が開発した。諸刃の剣となる兵器である。


本来ならば、ムーナ星人の科学技術をもってしても発明できないはずの力を、一人の科学者が自らの才能と極秘裏の違法研究によって、生み出してしまったという、曰く付きの兵器。それがMEだった。


まだ全てを解明できたわけではない。理解の足らない部分があることは確かではある。けれども、大まかな能力は判明していた。


MEの持つ力は「相手にある一つの存在を消す代わりに、自分側にある一つの存在を消す」という、対価を伴うものだ。


ただし、「存在を消す」が「この世からいなくなる」という意味ではない。

存在が消えるのは、あくまで対象物の思考の中だけであり、完全に消えるわけではない。


正しく言うとすれば、「存在を認識できなくなる」といった方が良いだろう。


そして、天の川銀河周辺の銀河に、大きな影響力を与えるムーナ星が捧げた存在は、「天の川銀河」という場所の()()である。


天の川銀河という場所は消えない。だが、その存在自体は、宇宙人である周囲の星人たちからは、観測不可能のものになる。


つまり、今後ムーナ星人は、「天の川銀河」という場所があることを忘却し、その周辺銀河も、影響を受け、「天の河銀河」という銀河あること自体を()()()()()()()()


そして、この攻撃により、地球人が忘却し、失くしてしまうもの…それは、()()だった。


魔法という力が無くなれば、それまでの地球史から魔法の存在は架空のものとなるように、記憶が操作され、魔法と共にあった歴史は消え去る。


よって、MEを使った攻撃により、地球人が住む太陽系を含んだ「天の川銀河」全体は、魔法という存在がないものとなり、ムーナ星人から「天の川銀河」という存在はなかったものとなるため、この宇宙戦争自体も、丸ごと消滅することになるのだ。


かくして、両陣営ともに戦争の記憶は、塵一つ残さず消え去った。


2023年12月10日のことだった。


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