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原石の軌跡――新しき力と古の知恵  作者: 永火
第3章 魔法大戦
39/45

強さ

「それは……出来ません。魔災庁は、あれでも市民を魔物から守るために存在しています。

私怨で壊すわけには、これだけは譲れません。」


『そうかい。まぁ、向こうはこちらを滅ぼそうと動くだろうよ。

魔災庁の上層部からしたら、魔法使いは目の上のたん瘤だからねぇ。』


『近いうちに、大規模な掃討作戦が行われるそうだ。銀等級から上の魔法少女は、

ほとんど出てくるはずだ。白金まで出てくるってんだから笑えるな。』


幻理さんと時雨さんが、楽しそうに話す。まるで次の日の天気でも話すように。


「白金……そんなに人数は居ないはず……確か……」


『5人。白金等級の現存数だよ。魔法少女の中じゃ今はこれが最高戦力だろう?

まぁ、さすがに全員を当てることは出来ないみたいだけどねぇ。』


「なんでそんなに落ち着いているんですか……白金等級なんて、災害級の魔物を、

しかも複数。それを単独で討伐するような――アニメの魔法少女みたいな存在なんですよ!」


通話越しに向こうが静かになる。


『詩織、その程度なら俺も凝子も、幻理も出来るし、お前も出来る。』


『面白いねぇ。あぁ――面白い。詩織はまだ、自分を無力だと思っているのかい?

詩織、お前はすでに魔法少女の等級なら、神銀等級を持っていても許される強さだよ。』


神銀……私が?まだ、防御も攻撃もどれをとっても中途半端なのに?


『訳が分からないって顔、しているだろうねぇ。この答えは単純だよ。

今の魔法少女は、どこまで行っても”魔法”へは至れないのさ。未だ模倣品を弄るだけの未熟者さね。』


『詩織は、俺の固有魔法を模倣したんだろう?それが読み通りの効果が出せたかは知らんが。

固有魔法を正しく運用した。これは魔法使いだ。』


まだ一度も模倣したことも、使ったことも言っていないのに何で知っているんだろうか。


「なんで、固有魔法を模倣したって……言い切れるんですか?」


『なんでって――”それ”は”俺”だ。なら、俺以外が”俺”を使ったのも分かるだろうよ』


小さくため息が聞こえる。


『そこまで理解できる奴は、時雨、あんた位だよ。ふつうは気にも留めないさ。

――いや、うちのバカ弟子も気が付きそうだね。』


『どちらにせよ、魔災庁はこちらと事を構える気があるってことだ。

そのうち宣戦布告でもされるだろうさ――いや討伐宣言かな?』


『あとは……陰陽寮の連中がどう出るか……』


陰陽寮?昔の陰陽師が所属していた組織だったかな?


「陰陽寮って今もあるんですか?」


『ある……というより名を変え、姿を変えて続いているんだけどね。

ほとんどはただの占い師だけど、魔法使いじゃない魔力持ちが所属しているんだよ。』


少し考えるような沈黙が流れる。


『強くはない。ただ、あそこは式神をうまく使う。索敵に陣地構成、人払いに結界など

多種多様に使っている。』

幻理さんの少し、面倒くさそうな声が通話越しに聞こえた。


陰陽寮

古来より固有魔法を持たない魔力持ちが、所属している機関。

名を、姿を変え現代まで脈々と受け継いできた技術が、今もそこに在る。

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