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原石の軌跡――新しき力と古の知恵  作者: 永火
第3章 魔法大戦
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先に生きていた人

魔物の出現頻度が、目に見えて増えている。

それに比例して、魔法少女のパトロールも増えた。


最初に魔法少女と戦ってから、そんなに時間が空いていないのにもう、5回ほど戦闘になった。

負ける心配はない。けれども、殺さないように気を付けて戦う方が、神経をすり減らす。


「なんで、目的は同じ方向に向いているのに、争うのでしょうね。

詩織先輩。」


目の前に対峙するのは澄玲先輩。こちら側へ送り出してくれた人であり、

分かれてしまった道の先に居る人。


澄玲先輩の象徴の様な剣をこちらに向け答える。


「上層部が危険と判断したからね。テロリストだってさ、

魔法使いさんが、皆を守っていたって進言したところで聞いてもくれないし。」


何時もの、のんびりした口調ではなく、少しキリっとした口調になっている。

戦いたくない、という空気は確かにある。

それでも、先輩は命令に背かない。


「一応、聞いて置きますけど、見逃してくれません?

先輩相手に手加減は出来なそうです。」


「へぇ、手加減しなきゃいけないような強さを手に入れたんだ。」

先輩の目が、すっと細くなりこちらを見据える。

言葉を間違えたかもしれない。先輩は、負けず嫌いって話を聞いたことを思い出す。


剣に紫電が走る。

それに合わせ先輩の身体へ、魔力が滲むようにあふれ出す。


「私に、勝てたら逃がしてあげる。私が勝ったら魔法使いの情報を教えてね。」

その言葉に合わせ、突風の様に先輩がこちらへ突っ込んでくる。


障壁は間に合わない。横へと飛ぶ。


剣が首の横を掠める。


躊躇がない。

避けなければ、首が飛ぶ。

それを、小手調べとして放ってくる。


攻撃術式を即座に展開、数は十。

ただまっすぐ放つだけ、その中の数発は回避を塞ぐために、わざと逸らす。


当然の様に、魔法が切り捨てられる。

ただの剣――そこに込められた魔力だけで、魔法そのものが否定される。


地表を滑るように後退し、攻撃術式を順次放つ。

そうだ。先輩は近づき、斬り抜いてくる。

使い古された戦法、それゆえに強い。


厄介なことに、先輩はまだ本気を出していない。

本気なら、紫電を身に纏い、直角に折れる変態軌道で切りかかってくる。

全盛期の先輩なら、それくらい平然とやれた。

今は――もう、全盛期ではない。

……はずだ。


「やっぱり強いですね、先輩。まるで当たりません。

ちょっとは手加減してくれても、いいと思うんですけど。」


「そう?詩織には、まだ余裕があるように見えるけど。

私は、もう全盛期より、魔力が衰えてる。全力で回せば……それでも5分が限界だよ。

――でも、それだけあれば十分!」


澄玲先輩の全身へ、紫電が纏わりつく。

刹那の時、眼前へ剣が迫りくる。


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