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原石の軌跡――新しき力と古の知恵  作者: 永火
第1章 始まりの終わり
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交わる軌跡

人物名出すの難しくない・・・?

声が――聞こえた。


助けを求める、微かな声。

空気を震わせることなく、意識の奥底を揺らす響き。


理へと帰るはずだった魔力の声が、まだ世界に留まっている。

淡く虹色に揺らめき、視界の端で滲む。

まるで光そのものが迷っているかのようだ。


本来なら魔力は青に変じ、静かに還る。

だが、これは違う。

まだ、この世界を離れていない。


「……助けを、求めている」


胸の奥で何かが脈打つ。

助けなければならない――それが、魔法使いとしての信条。


目を閉じると、淡い虹の残光が方角を示す。

北東――陽光の下、かすかな魔力の筋が漂っている。

光に溶けそうで、それでも確かに存在する。


風が頬を撫で、土の匂いが混じる。

街を抜けるほどに、魔力の波が強くなっていく。

痛いほどの振動――まだ誰かが抗っている証だ。


焦げた風、崩れた建物の影、そして淡く瞬く虹の粒。


「帰るには、まだ早い」


口元で小さく詠唱する――略式、一語の呪文。


「翔――」


足元に淡い色の魔法陣がふわりと浮かぶ。

陽光に照らされて線が黄金色に輝き、微かな風の渦を巻き起こす。

陣の上に立てば、地面を踏まずとも体が軽く持ち上がる。

空気を蹴るごとに陣が微かに揺れ、推進力を与える。

砂塵が足元で舞い、虹色の残光が後方に流れる――まるで自分ごと世界を切り裂くかのように、前方へ滑り出した。


微かに黒煙が視界に入る。

まだ戦っている者の魔力が、わずかに揺らいで見える。


少しの安堵と焦燥感が胸を掠める。

我々が使う飛行魔法は遅い。

魔法少女たちが使うものよりも――速くはない。


ならば――と。


時流……Ⅱ!(クロノフレア ダブル)


体が加速する。

鼓動が早まる。間に合えばいい。

多少のリスクは、飲み込むしかない。


汎用攻撃術式を展開・待機させる。

今分かっているのは、強魔級がいることだけ。


油断はできない。

だが、それくらいなら、一人でも――勝てる。


視界に捉えた。

人型の強魔級と、少女が一人。


まだ戦ってはいるが、効果は薄い。

魔力も残り少なそうだ。

防御もまともにできていない。

こんな少女が、戦場にいる――。


少し手こずるかもしれない、と考える。


数拍の遅れと共に到着する。

すぐさま少女を守るように防御術式を展開。

待機させていた汎用攻撃術式を、瞬時に放つ。


数本の光の筋が、魔物に――中る(あたる)

効果あり、ただし決定打には至らない。

魔物が腕を振るい反撃する前に、矢継ぎ早に汎用攻撃術式を展開し、順次放つ。

防御術式が弾く衝撃と、魔物のうめき声が入り混じる。


「あなたは……」


振り返らず、状況を確認しながら答える。

「”守ってほしい”と託された。」

少しの間を置き、続ける。

「理の探究者だ」


魔物の周りの砂煙が晴れた直後

魔物が吶喊してくるが、防御術式に阻まれる。


しかし数度殴られたところからひび割れ嫌な音を上げる


「汎用攻撃術式――断ち切れ」

割れ侵入してきた魔物の腕を断ち切る。


魔力を体に這わせ身体強化を行使する。

「汎用攻撃術式――貫き通せ」

続けて術式を拳にのせ胴体、魔力の中心を貫く。


沈黙

魔物の魔力反応の消失

辺りに漂う淀んだ魔力も晴れ静寂が戻る。


「巡り巡りて、理へと帰らん」

小さく祈りを捧げる。


「俺は戻る、お前は早く帰って治療をしてもらえ」

そう言い残し飛行術式を手早く展開させる。


「あ、あの!……名前を教えてくれませんか……」


背後から声が聞こえる。


結城 時雨(ゆうき しぐれ)


それだけを言い残し、飛行術式の淡い残光を残し飛び去る。

微かに残る戦いの魔力が、一瞬町を漂い消えた。






時流クロノフレア

結城時雨が使う固有魔法。

時間の流れを一時的に操作し、身体能力を大幅に引き上げる。

強い負荷を伴うが、彼はそれを完全に制御している。


汎用魔法術式

魔法使いが日常的に使用する基礎魔法体系。

同名の「汎用術式」を使う魔法少女のものとは構造が異なり、

より論理的・理術的な側面を持つ。

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