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僕の名前は

 受け付けの女性が部屋を飛び出していって僕は考えこむ。

 いけないことをしたのかな。無知って怖いな。でも僕のせいじゃないし。この世界の常識を知らないから僕がやったことの大きさが判断できない。


 ドアがノックされて男が入ってきた。


 「先程の部下が失礼した。代わり私が対応しよう。ギルドマスターをやっているダニエル・カールトンという。君はここへくるのが初めてと聞いたが、どこかでハンターの経験があるのかな?」


 僕と戦利品とを交互に見ながら訊いてくる。


 「時間が惜しいので品物を見せてもらおう。」


 僕の返答を待たずにサッと椅子に座ると、先程の女性のように品定めを始める。


 「ふむ、確かに上級品だ。これらの品がいちどに持ち込まれることは稀なんだが、失礼だが、確認させてもらう。盗品ではないな。」


 ぎらついた目つきで睨みを効かせてくる。


 「も、もちろんです。僕が苦労して集めたものです。」


「これは、どこから?」


 僕は自分の知る限りの情報で説明した。


 「はぁ〜」


 と大きくため息をつき、


 「となると、やはりあの迷宮で間違いないのか。」


 頭をかいている。


 「今、我々は迷宮に起きていることを調べるため調査隊を編成しているところだ。実際何がなんだかわからず見切り発車でな?君があの迷宮に入ったのなら見てきたことを教えてほしい。」


 大事になっちゃったな。どうしよう。

 返答に窮していた。

 大人にここまで詰め寄られる経験は今までいちどもない。


 「すまんな。驚きのあまり、怖がらせてしまったようだ。君の名前を訊くのが遅れてしまったな。」


 「僕は※※※※※※※※です。」


 名前のところだけがノイズになった。

 マスターが首を傾げている。

 僕にも訳がわからない。

 何度名前を声にしてもノイズにしかならない。


 「私が聴き取れないだけなのかな?とても難しい名前のようだ。」


 マスターは気を使っていると思われる。


 「いえ。そんなはずは・・・」


 僕の名前は、指輪で翻訳されないならこの世界の言葉として認識されないのだろうか。ワケがわからない。



 「名前がわからないのでは、少々不便だな。」

 

 それから気まずい雰囲気になってしまって、迷宮の内部などを訊かれたことに答えるだけで息の詰まる思いだった。


主人公の名前は思い浮かばなかったのでこういう演出になりました。

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