表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

言わせてくれたって、いいじゃない

 ―――いくら「好き」だって言ったって、貴方は上手くはぐらかす。

 ねぇ。ホントは気付いてるんでしょ?


 早く、答えを聞かせてよ…―――






 休日で、学校は休み。此れといって予定も無く、相変らず、良哉よしやの家でくつろぐ一人の少女。家主やぬしの青年といえば、むかいに座る少女と挟んであるテーブルに参考書を開き、勉強をしていた。

「初めて見たぁ…良哉が、勉強してる処」

 黙々と勉強をしてる彼を見詰みつめながら少女―杏子ももこは、床に置かれた御菓子袋に手を突っ込み、手探りで目当めあての物が見付みつかると袋から手を出し、口に先程掴んだ御菓子をほうり込む。

「うーん…此れには、御茶が合うわねぇ」

生憎あいにく、ウチには御茶なんて高級品、ねぇーんだわ。ってか、ウチの御菓子を何、勝手に食べちゃってんのぉぉぉ!?」

 溜息をらし、涙目で杏子を睨み付ける良哉だったが、当の少女はというと全く悪気無さそうに、再び御菓子袋に手を突っ込み掴んだ御菓子を食べる。其の繰り返し。


「あのさぁ…、何で、毎日の様にうちに来るわけ?」


 唐突とうとつの良哉の問いに、杏子は飲み込もうとしていた御菓子を上手く飲み込めず器官に詰まらせ、せた。頭上から汚ぇなと言う男に「アンタのせいだ!」と出掛った言葉を呑み込み、暫く咳込み発作が治まるとキッと良哉を睨み付ける。

「……何?」

「べ…別にぃ」

「…で?」

「へ?」

「だから、何で…?」

 答えてくれるまで逃さないといった感じで良哉は杏子におおかぶさる様に腰を下ろした。背中に感じる良哉の体温に、ドキッドキッと心拍数が上がっていく。


「…っせ…、セクハラ!」

「ハァ?ガキの御前に誰がセクハラすんだよ?寝言は寝て言えっつーの」

「此処に居るわ。良哉っていう、ロリコンが」

「おいおい。俺を、勝手にロリコンに仕立て上げないでくれる?」

「だったら、サッサと私の上から退きなさいよ!」

「其れは無理」


 背後から抱締められた。御腹おなかに、良哉の腕が回される。杏子の心臓は早鐘の様に鳴り出した。耳元で、良哉の吐息といきが聞える。


「…何で?」

「あ?」

「何で…、こんな事するの?」


 声は震えていた。ちゃんと良哉には届いた、筈。問題は、何って答えが返ってくるかだ。

 例え、子供扱いしても、其の前に男女であるワケで。しかも、独身の男が少女といえど血の繋がらない女を抱締めるという行為は、少なからず意識してなきゃやらないわけで。

 期待しても好いんだよね?

 と、少なからず、杏子は良い答えがくると思っていた。期待とほんの少しの不安が入り混じった心境の中、良哉をジッと見詰る。


 良哉は一瞬、ほんの一瞬、顔をゆがめた。其れは苦しそうに。でも直ぐに何時いつもの大人の余裕といった憎たらしい笑みを浮べると、「そんなの決ってんじゃん」と前置きを置くと、答えた。



「俺達が、兄妹だからだ」


「……きょ…兄妹…?」

「あぁ…。そりゃあ、まぁ、スッゲー仲の好い、いや良過ぎるか?位の、兄妹、だから」



 うんうんと一人納得した感じで頷く良哉に、杏子の中で、何かが音を立てて崩れていった。

 兄妹?あー…兄妹か。兄妹、ねぇ…。


「じゃあ、私の、愛の言葉は?」

「はぁ?愛?あー…お前が何時も俺に言う『好き』、の事かぁ。……あれじゃね?御前はさ、身近に居る男が俺だから、勝手に恋だの愛だので勘違いしてんだよ」


 勘違い…?私が?


「御前もさ、ちゃんと周りを見なきゃ駄目だぜ?御前、もう中三だし、気になる男の一人や二人は居んだろ。お兄さんに教えなさい!恋の相談相手位には、なってやるからさ。な?」


 嗚呼あぁ……

 彼は―――――






 言わせてくれたって、いいじゃない


(何って、ズルい男なんだろうか…)

後書き

前に書いた、私だけを見てください・幼馴染の続編…みたいなもんです((いや!もう、続編で好いじゃん!!

読んでて泣きたくなる気持ちになる様に書いてます((おいおい


初出【2012年4月25日】一部削除

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ