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Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
消えるように。
361/369

361話

 ……なんのこと? 全く身の覚えがないニコル。


「初めて……?」


 のことを思い出す。たしか出会ってから、そのまま寮に直行して。その間に話した、こと?




《いや。今日が初めて。名前も知らなかったし。ブランシュ……ファミリーネームは?》


 これじゃない。


《しかし、こんな簡単に入れるなんて、モンフェルナ学園もセキュリティ甘いんじゃないの?》


 ……? なんだろう、心に引っかかる。


「こうも思ったんじゃないですか? 『どうせ偽名だろう』って。私の名前さえ知らされていないというところで、あぁ、そういうことか、と理解しました」


 この時、自信が確信に変わった。もしかしたら、とブランシュが予想したことが当たっている。お互いになにもかも正解していたわけで。ただ、少しボタンのかけ違いのようなズレがあって。その結果、徐々に徐々にそのズレが大きくなった。


 頭を使うのは苦手なニコル。ショートしそう。


「だから、全然話が見えてこないって——」


「あの時、気づいたんですよ。『この人は私を見張るために私のところへ送り込まれた。でもあの人からほとんど教えられていないんだ』って」


 結局は自分も遊ばれているんだろうな、そんなところにブランシュは行き着いた。いや、一緒に遊ぼうと誘われていたのかも。いずれにせよ、きっと思いついた時には、モーツァルトの『魔笛』でも鑑賞していたのかも。ただの戯れ。


 その言葉。ニコルには引っかかるところがいくつもある。特に。


「……あの人……?」


 自分に、この子と接触するように言ってきた人物。今回のこと。計画している人物。それは、知る限りひとりしかいなくて。でもそれはありえなくて。なぜなら、この子の最初の反応や、憧れる姿。そういったものをこの二ヶ月間見てきたから。だから。ありえない……。

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