表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
消えるように。
356/369

356話

 ……なら自分は? 自分は、なにが変わったのだろう。変わるのだろう。変えることは。必要なのだろうか。


「私がいるから大丈夫。座って聴いてるから、疲れたら呼んで」


 やっぱりカルメンは弾きたいという気持ちが強まってきた。なので隠さずアピール。ショパンもまぁまぁいける。ポロネーズとか。


 ふと、我に帰るヴィズ。不可解な思考をやめ、現実に戻る。


「……ストリートパフォーマンスの飛び入りじゃないんだから。それもやめておきなさい」


 まぁそれをブランシュはやる予定なわけだけど。本当に大丈夫だろうか。


 本当に。


 来るのだろうか。


 眉間に皺を寄せてカルメンは不機嫌。


「ケチ」


「でも、ありがとう。嬉しい」


 こんなに心強い仲間が自分にはいる。それだけでブリジットは安心して演奏に集中できる。視野が広くなる。音。香り。一段、深く感じ取れる。


 なんだか。自分の出番はなさそう。その落ち冷静さを見てイリナは理解した。いいこといいこと。


「ま、そういうことだから落ち着いてやれよ。なにかあっても誰かしら弾けるんだからさ」


 本当はブリジットとしても、みんなと一緒に演奏してみたいが、それは今回ではない。また次回に取っておく。


「イリナも。うん、大丈夫。『もっと緊張しろ、もっと緊張しろ』って祈ると、逆に落ち着くって教えてもらったから」


「なんじゃそら」


「あー、いいかも。私も試してみよう」


 呆れるイリナと興味津々なベル。


 ヴィズは教会内を再度確認。さすがにかなり席が埋まってきている。自分達の確保にそろそろ移らねば。


「それじゃ、楽しませてもらうわ。またあとで」


 終わったら。カフェかどこかで話すことは尽きないだろう、その時でいい。今日の感想とか。出来とか。コンヴァトがどうとか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ