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Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
消えるように。
348/369

348話

 しかし、ブリジットやフォーヴは納得していたが、ニコルはそうもいかない。


「なんでリンゴなの? ショパンてリンゴが好きだった?」


 ちなみに自分は好き。パイとかジュースとか。そのままも。


 そしてブランシュがこの果実とショパンに込めた想い。たぶん、誰もわからないだろうけども。でも、それでいい。


「それ以上にリンゴというのは、とても不思議な果実なんです。リンゴというと、なにか思い浮かべるものはありませんか?」


 あるっちゃある。食べる、以外でニコルの頭に浮かぶもの。少しオカルトというか神話的な。


「んー、アダムとイヴがなんか食べちゃダメなのに食べちゃった、とか」


「というのが有名な話ですが、実はその禁断の果実、リンゴであったという確証はないんです。アプリコットやイチジクであった、などとも言われています」


 一回のラリーで欲しい回答が返ってきたブランシュは、内心驚く。でもそれがバレたらまた文句を言われるので黙っておく。


 そんなことは露知らず、素直に気になったニコル。え、でも色んなとこでリンゴが禁忌っぽい役割を担っている。


「マジ? なんでリンゴになっちゃったわけ?」


 隠された真実。いや、たぶんネットでも調べれば出てくるんだろうけど。調べようとも思っていなかったので、非常に気になる。


 うーん、と若干言いづらそうな口調のブランシュは、色々本などを読んだ結果を告げる。


「それに関しては明確な答えがないのですが、ニュートンの万有引力の発見や、ミルトンの『失楽園』、童話などで多く使用されることもあり、人々の中で『リンゴとは特別な果実なのではないか』という考えが広まった、という説もあったりなかったり」


「どっちなのよ」


「私も専門家じゃないんですからわかりませんよ。赤くて丸い姿が食欲をそそるとか、地球の形に似てるとか、それこそ色々ありすぎて。中世の画家が創世記を描く時には、みんなリンゴで描いてたらしいですが。ヨーロッパではリンゴはメジャーですし」

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