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Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
消えるように。
314/369

314話

 その事実。知りたくなかったかもしれない。ニコルは人間味を感じるとともに若干の悪感情。いい曲作ってんだろうに。


「結構ヤなやつかもね、ショパンってさ。てかさ、そっちの学校はいいの? 出席とか」


 なぜ今、ここにいるか、ということ。以前から日帰りで隣国に弾丸ツアーを敢行する性質は教えられていたが、連絡を受けたのは昨日。特に休暇期間でもないのに。


 そしてなぜ昨日か。それはフォーヴが「あ、パリに行こう」と昨日思いついたから。


「まぁね。私の芸術科は出席率よりもテストが優先だから。問題ない」


 ベルギーでは学期は三つに分かれており、今は九月から始まる一学期の終わり。今日も授業はあるが、ちゃんと欠席の連絡はしたし問題ない。テストさえ受ければ。


「いいねぇ、ベルギーは。大学入学も簡単なんでしょ?」


 正式な学園の生徒でもないニコルではあるが、頭を悩ませるのが、フランス特有の『哲学』という分野。卒業資格でもあるバカロレア取得のためには避けては通れない。四時間かけて、出されたテーマで自身の思考を説明する。まだ先の話だが、できる気がしない。


 卒業さえできればどこの大学にでも入ることができる、というのは変わらないが、フォーヴのベルギーはそれと比べればかなり易しい部類に入る。


「そうだね。中等教育を卒業すれば卒業資格がもらえて、医大だけはさらに試験があるけれども、目指さないなら簡単なものだ」


 今のところ目指すつもりがないので気楽に。チェロさえ弾ければ。自分というものが表現できれば。なんでもいい。


 楽しそうな人生だこと。フットワークの軽さ含め、ニコルには羨ましくさえ思える。


「にしても超特急を使えば、一時間ちょっとしかブリュッセルからパリまでかからないとは。私も行こうかな」


 もちろんショコラの食べ歩き旅行。案内してもらう約束はしているものの、中々行けていない。そろそろノエルも近いし行きたいところ。


 鉄道以外にもバスや飛行機という選択肢があるが、値段と時間のバランスがいいのが超特急タリス。早めに予約すればさらに値引きに。

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