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Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
消えるように。
305/369

305話

「なんでも雑食に。これ、楽しむための知恵」


 そこにマノンが割り込んだ。自分はまだなにも演奏していないが、リーダーを気取りたい。


 雑食。それに今の弾き方。体の使い方。ペダル。そこにブランシュは引っ掛かりを覚える。


「クラシックもやっていらしたのですか? それとも最初からジャズを?」


 いや、ジャズの弾き方はよくわからないが、どうもクラシックの香りがする。特にペダル。ジャズは音を『切る』。ゆえにあまり使わないと聞いたことがあるが、今の演奏ではしっかりと使いこなしていた印象。


 ふぅ、と速まった鼓動を制しつつ、クロティルドは体を向ける。


「入りはクラシックだね。というか、ジャズピアニストはだいたいがクラシック出身だ。クラシックの技術はジャズでも応用が効くし、むしろ必須と言っているトッププロもいるね。私はあの、解釈だなんだと、細かく考えるのが苦手で。こっちの水が合っていた」


 結局は鍵盤を押す、という行為自体は変わらない。だがもちろん、すぐに転向できるものでもなかった。


 クラシックは技術、ジャズは理論。そんなことを言うジャズピアニストもいる。すでに理論は楽譜に記されている。だからクラシックは弾ける。ジャズは? となると、ショパンやモーツァルトら作曲家がやってくれていたことを、演奏する側が理解していないと弾けない。


 もちろん、だからジャズのほうが上、というわけではない。どちらも音楽、向かう先が違うだけ。同じ球技だからと、サッカーとバスケのトッププレーヤーを連れてきて「どっちが最強?」と聞くに近い。それぞれの良さがある。


 ジャズを習うのであれば、ジャズにしっかりと傾倒した講師に習うべきである点はここにある。逆も然り。両方でひとりの人間が頂点に立つ、ということはおそらくだがない。

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