表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
歌うように。
224/369

224話

 唐突に携帯から声が聞こえたエデンは、左右非対称に顔筋が強張る。


《なんだこれ? 繋がってる? で、なんであんたが謝るんだ?》


 呼び出され。そして謝罪を受ける。一体なにが起きている? まぁ、大体はこいつが原因なんだろうけど。


 こいつことフォーヴが自己紹介を仲介する。今後なかったかもしれない出会い。せっかくだし。


《こっちはエデン。それで向こうはブランシュ。お互いに覚えておいて損はないだろう。私が保証する》


 損があっても知らないけれども。そこはキミ達次第。


 怯えながらもブランシュは、なにをどう説明したらいいのかわからない。


「その……間接的には私が原因で……」


 と伝えるので精一杯。なんでこんなことになっているのだろう?


 なぜか電話の向こうの人物が萎縮してしまっているが、状況からエデンは大体のことを把握。これが初めてではない。


《全く話が見えてこないが、こいつのせいだろ。あんたをダシにして、チェロを弾く口実を作っただけだ。結局はこいつに利用されてるんだよ、あんたも。俺も》


 一応、肩を持つ。共通の敵はいる。


 きっと優しい……のだろうと、本質に至るブランシュ。


「そう……なんでしょうか。では……なぜ来てくださったんですか? いきなりでしたし、その……」


《あ? なんでそんなこと教えなきゃいけないんだ?》


 言ってからエデンは「やばっ」と発言の強さに舌を出した。明らかに弱気な相手には少々キツかったかもしれない。が、数秒無言を貫いてしまったことで、謝るタイミングを逃す。


 その不器用さにフォーヴは微笑ましさすら湧き上がる。


《相変わらず言葉選びが下手だね。彼はね、エデンは私のことが好きなのさ》


「え!?」


 思っても観なかった展開。どう反応すればいいのか。固まるブランシュ。


《言ってねーよ。あんたも騙されんな。こいつを踏み台にして上にいく。そのために利用してるだけだ、勘違いすんな》


 冷静にエデンは否定。しかし、呼ばれる度に応じていては、そう勘違いしてくるヤツもいるのか、と自戒した。気をつけよう。


 だが、それこそがフォーヴの狙い。欲しい発言はもらえた。


《ね? 自分のためだろ? 結局人間なんてこんなもんさ。ニコルは不純物なく利用しているね。それを本心で嫌に思ったことはあるかい? トルコのことわざにもある。『友人はあなたのために忠告するのではなく、自分の利益のためにする』とね》


 そういった意味では、今回の相談は彼女にしてみても、同じ結果だっただろう。幾分かは大雑把に。


 嫌に思ったこと。なんだかんだとブランシュからすれば、グイグイと引っ張っていってくれる存在。


「そう、言われてみれば……」


 と、流されかけたが、ある。歌わせようとしたり。洗濯物を全くやらなかったり。お菓子がなくなっていたり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ