214/369
214話
ドイツ歌曲においてもし、ひとりだけ天才を選べ、とされたらおそらくシューベルトを挙げる人物は多いだろう。三一年という短すぎる人生において『美しき水車小屋の娘』や『糸を紡ぐグレートヒェン』など、代表するような歌曲集をいくつも残し、かの有名な『魔王』を齢一八の時に生み出した、まごうことなき天才。
彼が芸術性をさらに高め、確固たる地位に押し上げた。死後少し経ってから、ここでシューマンはクララと結婚することになる。元々はピアニスト志望だったこともあり、シューベルトの頃よりもピアノに対する比重は重くなってくる。




