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異世界マゼマゼ奮闘記  作者: ぷい16
第四章 世界の工場
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西洋医師、魔道を求める

 とある日、アカツキ領の方のアントネラは、ガブリエル・グロス伯爵領に居を持つ、トイネル・ファンガスという人物に会いに来た。


 この人物、魔道の大家であり、魔力制御量に関しては、今代、右に出る者は居ないとされている魔道の大物である。


 彼の屋敷に行き、応接間で待たされることしばし、



「お初にお目にかかります、アカツキ伯爵夫人、私がトイネル・ファンガスです」


「会えてうれしいわ。アカツキ伯爵が妻のステファニアです。今日は、あなたの魔力制御の秘術を盗みに来ました」


「おぉ、それは怖い怖い。しかし、私も長年の努力で獲得したもの。おいそれと真似(まね)できるものではありませんよ」



 それから、たわいもない魔術談義に花を咲かせ、アントネラが、



「あなたの全力の魔力制御を見たいわ」


「分かりました。プレッシャーで気分を悪くされませぬように」



 と、言うと、濃密な魔力を体にほとばしらせ始めた。


 アントネラはその圧倒的なプレッシャーに耐え、彼の頭に手をかざす。


 アントネラの手は淡く光り始めたかと思うと、その光も消え、もう、無理をしても仕方がないと、ソファーに倒れ込むのであった。



「まぁ、こんなものです。お加減、大丈夫ですか?」



 アントネラは少し休憩した後、こう言った。



「では、私の魔力制御をお見せしますわ」


「見せて(いただ)きましょう」



 アントネラは彼の3分の1の魔力を流し、一瞬(いっしゅん)であるが、彼に迫る魔力をほとばしらせた。



「これは驚いた。一瞬ではありますが、私と同程度の魔力制御ができるとは…」


「それもこれも、貴方(あなた)のお(かげ)ですわ」


「いやはや盗むなんて土台無理だと思っていましたが、本当に私の技を盗むとは、ははははは」



 そうしてまた、少しだけ魔術談義をした後、彼と別れ、帰路につくのであった。


 ちなみに、この技、他の3人とも共有したのは言うまでもない。



     *



 所変わってアカツキ領のアカツキ伯爵邸、彼は密かにこの前の火力発電所の事故のときに会った西洋医、名を、多々身(たたみ)省語(しょうご)というが、彼の人となりを調べていた。


 とある予感がしていたので。インジスカン王国での評判に、日本での評判を。



 数日後、汲広(くみひろ)が書類仕事をしていると、(あん)(じょう)省語(しょうご)がやって来た。


 汲広(くみひろ)は彼を応接間へ通すように指示し、書類仕事に一区切り付けると、彼の待つ応接間へと向かうのであった。



「魔術医学を教えて下さい」



 彼の願いはそれであった。


 汲広(くみひろ)は彼の人となりを調べ上げた。



「その前に、少し話をしましょう」



 汲広(くみひろ)省語(しょうご)は、たわいもな医療に関する話をしながら、汲広(くみひろ)は彼の人となりを密かに探っていた。


 そして結論が出た。



「分かりました。魔術医療に関する事柄を、貴方(あなた)に授けましょう」


「ありがとうございます」



 そう言って汲広(くみひろ)省語(しょうご)の頭に手をかざし、汲広(くみひろ)が知りうるありとあらゆる治癒魔法についての事柄(ことがら)を、省語(しょうご)の脳に送り込んだ。



「おぉ、知識が流れ込んでくるぅ~」



 省語(しょうご)は叫んだ。



「こ、これが魔術医学!素晴(すば)らしい!」


「今、あなたの脳に、直接私が知り()る魔術医療に関する事柄を送りました。しかし、まだ不十分。実地を踏まないと。貴方の医院とハーパヤの治療院を掃き出し窓の能力で(つな)げます。私から言っておきますので治療院の先生に教わって、実務をこなして下さい。実務をこなすことによって、あなたは本当に魔術医療を(おさ)めることができるでしょう。私もたまに顔を出すようにしますよ」


「あぁ、なんとお礼を言ってよいやら」


「貴方に教えることで、多くの人が助かる。()が領地のためですよ」


「ありがとうございます」



 そして、次の日、省語(しょうご)の医院とハーパヤの治療院を掃き出し窓の能力で(つな)がり、省語(しょうご)が手空きになると、治療院へ渡り、魔術医療の研修を受けるようになるのである。


 省語(しょうご)は日本の医師。


 医師免許をちゃんと持っている。


 医師になるためには医学博士にならなければならないが、博士号を取ると、自分の署名で、学会で論文が書けるのである。


 彼は真面目(まじめ)であった。


 彼は実地を踏み、一人前の治癒術士になると、それを論文にしたためて各学会へと提出したり、それに目を付けた出版社から本を出すのだが、その行動で治癒術士が脚光(きゃっこう)()び、治癒術が日本で認知され、1つの医療の形となり1分野築くのであるが、それはまた別の話。


 機会(きかい)があれば語ろう。



 それから汲広(くみひろ)は治療院へ行き、省語(しょうご)のことを頼むのであった。


 アカツキ領の発展のために。

お読み下さりありがとうございます。


地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。

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