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異世界マゼマゼ奮闘記  作者: ぷい16
第四章 世界の工場
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魔法の神髄―初級編

 流通部門の人間全員に能力を授けてもらい、その日の終わりの会で能力の説明をする汲広(くみひろ)



「これを使うと、作業が楽になるのですか?」



 流通部門の佐藤(さとう)沙華(さやか)からそんな質問が飛んできた。すると汲広(くみひろ)は、



「作業は楽になるし、ミスも減るし、()れればちゃんと現場に行かなくても開けるようになるぞ」



 と、そんな返事をするのであった。



 汲広(くみひろ)が試した通り、準備期間に1週間程。中には10日かかる者もいたが。その間、詰め所にあてがっていたアカツキ邸の一室は人気が減り、ガランとしていた。


 まぁ、とりあえず、(みな)が能力を本稼働させてみると間違いが()くなった。すると、リリアーナ・ブレッドは、



「以前は頭にもやもやっとしたものがありましたが、今は、この名前はココと、はっきり意識できるので、作業がやりやすくなりました」



 (おおむ)ね、高評価を受けた。




 次の日の朝、6時には、パラパラと流通部門の人間が集まり始め、6時半には、朝の会。汲広(くみひろ)は、



「今日からはノーミスでいきましょう」


「「「「はい」」」」



 新しい朝が始まるのであった。



     *



 その日の作業が終わり、眠って2時間くらい経ったであろうか、また、スキカのミーティング空間に呼ばれた。


 誰が呼ばれたかを確認すると、スキカはもちろん()る。他には領地組の汲広(くみひろ)とアントネラだけであった。


 まずはスキカが飲み物に口を付けた。


 先にそうしておかないと、汲広(くみひろ)やアントネラが気を(つか)って、飲み物に手を付けないからだ。スキカが話し始める。



「これを教えるべきか、悩みに悩んだのだが、折角(せっかく)汲広(くみひろ)も色々と気が回るようになってきたし、その頑張(がんば)りに答えてやりたくなったのが本音か」



 汲広(くみひろ)とアントネラ、二人は生唾を飲んだ。



「困りごとがあると(われ)(たの)()んでくるのも気が引けるであろう。そんな君()に、初級編ではあるが、魔道の知識を(さず)けたいと思う」


「魔道の知識… ですか」



 すると、スキカは立ち上がり、汲広(くみひろ)に手をかざす。すると、スキカの手は淡く光を放ち、膨大(ぼうだい)な知識が脳になだれ込んでくる。


 やがて、光は収まり、次はアントネラの番になる。



「いわゆる神代魔法というものだ。今の世では、これを知る者は皆無(かいむ)である」



 スキカは続ける。



「この記憶は脳が(かい)ざんできないようにしている。間違った知識にならないようにするためにな。あと、初級編というだけあって、これだけでは不十分であろう。対処できなくなったら、また(われ)を呼ぶがいい」



 汲広(くみひろ)はその知識をざっとつまんで、スキカに問いかける。



「この知識を魔法学会に伝えれば、学会は知識改革で大変なことになるんじゃ?」


「まぁ、そうだろうね。こうすればこうなる。と、実用部分のみ、それも不完全な知識しか伝えられていない今の魔法学会には刺激(しげき)が強すぎるであろう。おまけに、伝えても、多分信用されない。君()はさっきまで、その学会風に言えば、魔法を(おさ)めている者のうちで平均のちょい下の方、最高権威と言われる学会に仮に物申したところで、素人の()れ言と、切り捨てられるのが道理だとは思わないかね?」



 確かに。サーメイヤ語を通訳する権威(けんい)とは言われている汲広(くみひろ)とアントネラではあったが、魔法学会には席はない。


 平均のちょい下の方。


 とても学会の人間に(えら)そうに講釈(こうしゃく)()れても変人と思われるばかりで相手にはされないだろう。


 スキカは続ける。



「まぁ、他人に教えることは否定しないのだけれどね。それより、君()の生活を充実させたり、困りごとの解決に使って欲しくて(われ)はこの能力を授けたのだよ。王都組の汲広(くみひろ)やアントネラには教えずにね」



 スキカは続ける。



「この知識があれば、新たな魔法や能力を創造(そうぞう)できる。それだけ強力な知識を(さず)けたつもりだ。魔法や能力を紐解(ひもと)く知識も含まれているので、今まで授けた能力で、まぁ、中級、高等に分類される部分をブラックボックス化すれば、応用して変化させることもできるであろう。君()活躍(かつやく)するのを我々は(みな)、楽しんでおったが、これからは、どんな魔法を創造するかという楽しみも増えたわい。期待を裏切らないように(はげ)めよ」


「「はい」」


「今後の君()の行い次第(しだい)ではあるが、中級、高等の知識を教えることもやぶさかではない。今は初級を処理するのでいっぱいいっぱいであろう。それは今後の楽しみとして、(われ)からは以上だ。質問は?」


「特にありません」


「そうか。眠りを邪魔(じゃま)して()まなかったな。ゆっくり休めよ」



 そして、また、(おだ)やかな眠りに吸い込まれる汲広(くみひろ)とアントネラであった。

お読み下さりありがとうございます。


地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。

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