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異世界マゼマゼ奮闘記  作者: ぷい16
第四章 世界の工場
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進路面談

 スキカの苦言はギリギリのタイミングであった。


 もう少し、事を起こすのが遅れていたらアカツキ伯爵はいずれ倒れていたことだろう。


 スキカも天界で、一番の治癒師、ハペリンにアカツキ伯爵が倒れたら助けてやってくれと頼んでおいたのだが、どうやら杞憂(きゆう)に終わったようだ。



 第三者目線のナレーター:ぷい16よ、アカツキ伯爵を倒れさせて、読者にキツい訓示を()れる作戦はどうなったのですか?


 ぷい16:大事なことを伝えようとしてか、話しを面白くしようとして、自分でフラグを立てようとして、成り行きでフラグをへし折る。この物語では定番化している。気にするだけ無駄(むだ)さ。


 第三者目線のナレーター:計画なしの成り行き任せ。ぷい16の無計画さ加減にはついて行けないわ。早く次のオファーが来て、ここのナレーター降りられないかしら…。

 ぷい16:おいおいここで降りられたらこっちが困る!勘弁してくれ!



     *



 スキカの休み大作戦は王都側、領地側、双方の悠生(ゆうせい)やステファニア、汲広(くみひろ)やアントネラを取り巻く人間に(こう)(そう)していた。


 領地側は、シフトによって汲広(くみひろ)もアントネラもきっちり休みがもらえ、王都側の方も最初の頃は、完全オフの日でも指示を仰ぐ連絡が来たものの、時間が()つにつれて、それもなくなり、アカツキ伯爵もステファニアも完全オフの日を満喫することができた。


 とは言っても、双方の汲広(くみひろ)やアントネラも日頃よりたくさん寝ることに集中するだけであるのだが。



 そうして月日は流れ、牧場を経営することが目標の綿抜(わたぬき)一久(かずひさ)や、五右武路(ごえぶろ)永遠(とわ)は、家畜の繁殖(はんしょく)に成功しつつあった。


 一久(かずひさ)は、食肉を売りたいので、もっと繁殖(はんしょく)させて、数を増やすことに専念(せんねん)し、酪農を目指す永遠(とわ)は、わずかでも繁殖(はんしょく)に成功するということは、永遠(とわ)の飼っているブーキルが妊娠しているということ。


 それはすなわち乳を出せるということに他ならなかった。


 まだ売れるまで量が出る(わけ)ではないが、自分や一久(かずひさ)汲広(くみひろ)やアントネラが飲むくらいなら(まかな)える。そうして、永遠(とわ)は、試飲と称して毎日一久(かずひさ)やアカツキ伯爵邸にブーギル乳を振る舞うのが日課になっていた。



 そんなこんなで、アカツキ領の汲広(くみひろ)は高校を無事、進級し、高校4年生になっていた。


 普通、進路について、高校3年生になった時点で大まかに決めておかないといけないのだが、編入当初から、進路は家業をやるとか、サーメイヤ語の通訳になるとか、色々今後の展望を書いて送ってはいるのだが、学校側は、何故(なぜ)かそれで納得してくれない。


 それで話しは大きくなり、高校の教師から呼び出されることになった。



「お世話になっております。4年の岡塚(おかつか)汲広(くみひろ)です。こちらは父の修司しゅうじに母の朋子(ともこ)、妻のアントネラです。(よろ)しくお願いします」


「私は汲広(くみひろ)君の担任の藤原(ふじわら)敦子(のぶこ)です。こちらこそ宜しくお願いします。…って妻?」


「はい。特措法でちゃんと(せき)に入ったどこに出しても()ずかしくない妻です」


「特措法って…あなた、何をやったんですか?」



 汲広(くみひろ)は事のあらましを敦子(のぶこ)に伝えるのであった。



「…そうですか。では、汲広(くみひろ)君はすでに仕事をしていて、進路希望はその、今やっている仕事を述べたものだから、全く現実味が無い話しではないと…」


「そういうことです。実際、サーメイヤ語に関しても、政府の重要な会談で通訳もしたこともありますし、実際、その席にいたことを現すものもありますし」



 と言って、汲広(くみひろ)は、日本とインジスカン王国の国交樹立の際の新聞を取り出し、見出しの写真を先生に見てもらう。


 そこにはアントネラははっきり写っていて、切れていて、顔全部は写っていないものの、汲広(くみひろ)と分かるくらいには顔が収まっていた。敦子(のぶこ)は、



「この話題は新聞やニュースで知ってはいましたが、これ、汲広(くみひろ)君なのですか?」


「そうです。僕です。当時、他の人に任せられるほど、通訳がいませんでしたから。それと、こちらも」



 そう言うと、アントネラは、地球でのサーメイヤ語学会の会長を現す書状を見せるのであった。



「私、この国でのサーメイヤ語学での代表をしています。私から見ても汲広(くみひろ)は私並に通訳が堪能(たんのう)です。それに、インジスカン王国へ渡れば、貴族位、伯爵として扱われます。この片方だけでも食べていけるものが2つもある。それで納得していただけないでしょうか?」



 そう言われれば二の句を継げられない。敦子(のぶこ)は納得して、



「分かりました。汲広(くみひろ)君はもう仕事をしていて進路については盤石なもの。これで納得するしかないのですね」


「分かって(いただ)ければ助かります」



 そうして、汲広(くみひろ)たちは進路面談を終えるのであった。これで進路についてはとやかく言われることはないであろう。



「アントネラ、無理させたか?」


「何を!貴族出身の、それもあちこちの学校の代表をしている私がこれくらいで無理(むり)をしていると思われたら心外(しんがい)です!」


「そうだよな。アントネラは僕がいなくても交渉事くらいできるよな」


「そうです。だからあまり気に病まないで下さいまし」


「ああ、分かった」



 通常、汲広(くみひろ)とアントネラは一緒に休むことはない。それは、どちらかが代表をしないといけないからだ。


 そして、日本とインジスカン王国の時差を考えたらインジスカン王国側では今は夜中。


 汲広(くみひろ)もアントネラも少し仮眠を取ったら仕事だ。


 学校側の無理解で睡眠時間を削られて嫌な思いがした汲広(くみひろ)であった。

お読み下さりありがとうございます。


地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。

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