アカツキ邸の使用人募集
(ハロー、スキカさん)
(そんな軽く呼ばれても、何であるかな?)
汲広はスキカに念話を送った。網弾野から話を聞いた汲広は、早めにに人員を確保しないといけないと感じたからだ。
(掃き出し窓の魔法を長時間使える人員を確保しないといけなくなりまして)
(それは、ミーティングに参加しても良い人間で、ということかな?)
汲広にはミーティングに参加しても良いかという判断基準は持てなかった。何しろあのミーティングが何の目的で開かれているか知らなかったからだ。
(あぁ、この質問は酷だったか。何しろ我が目的を教えていなかったのだからな)
スキカは考えているようであったがやがて、
(あい分かった。掃き出し窓の魔法だな。こちらで用立てておくから心配せぬように)
(それは助かります)
(いや、ちゃんと話していない私の失策か…)
第三目線のナレーターは思った。
これはちゃんと設定を決めていない作者の失策である、と。
…まぁ、何はともあれ、掃き出し窓の魔法の技能者は集まるだろう。今度はアカツキ伯爵に仕える人材の方を考えなければならないだろう。
募集はしていることだし、そろそろ面接しようと思う汲広であった。
「おっちゃん、もうこれで今日は終わり?」
「ああ、あんちゃん、今日はこれで荷は終わりだ」
「じゃぁ、これ終わったら用事があるんで抜けさせてもらっていい?」
「ああ。予定が変わったらスマホに掛けるわ」
第1採掘場にいる汲広は鉄骨を運ぶ超大型トラックを見守りながら、現場監督とそう話した。
汲広はこれから面接である。
面接に参加するのは汲広、ステファニア、アカツキ家の執事長、ユートピー、セバスチャンである。
会場はアカツキ領にある方のアカツキ邸。
王都、ハーパヤ、日本から募集者を一堂に集め、面接は滞りなく進行し、半分ほどが採用となった。
今回は応募者が多かったのであるが、これからのことも考え、これでも多くを採用したのである。
汲広が知らないところで、この様子をじっと見ている者があった。スキカである。
(ふむふむ、このペアと、このペア。汲広の目もしっかりしてきたのぅ)
スキカにもお眼鏡にかなう人材が居たようである。
汲広が眠ってから2時間くらい経ったであろうか。
若緑色を基調とした壁、焦げ茶色の床し、枯れ色の天井、そして、テーブルと椅子とティーセット。
あの、ミーティングルームである。
しかし、椅子が7客ある。今回はスキカ、汲広、ステファニアと横並びになっている。
「スキカさん、いつもと座り位置が違うのですが?」
「あぁ、新たに来客を招くのでな」
すると、スキカは手を上げ、
「来たれ、若人よ!」
そう叫ぶと、向かい側に4人、人影が現われた。
顔を確認すると、4人共が、今日、面接で採用した人物であった。
「汲広やステファニアの目が良くなってきているので探す手間が省けたわ」
そう言うと、まずは自己紹介と、スキカから名乗りを上げた。
「我はスキカ。何でもできるので、神を名乗っておる。ただし、お主等の神とは似ても似つかわしくないそうだがな」
「私は岡塚汲広、アカツキ伯爵家の当主代理だ」
「私はアントネラ。汲広の妻です」
「私は佐藤頓馬。アカツキ家の使用人に応募中の無職です」
「私は佐藤沙華。頓馬の妻で、同じくアカツキ家の使用人に応募中の無職です」
「私はトムソン・パトルス。アカツキ家の使用人に応募中の無職です」
「私はジェシカ・パトルス。トムソンの妻で、アカツキ家の使用人に応募中の無職です」
皆、”アカツキ家の使用人に応募中の無職です”と返事をした。すると、汲広は、
「いやいやいや、皆、採用決まってるから」
「「「「えっ!」」」」
4人は初めは驚いたが、やがてハグし合い、喜んでいた。
「それでは新参者の4名、これから能力を授けるので受け取って欲しい」
そう言うと、スキカは一人ずつ、頭に手をかざした。
かざした手からは光が放たれ、それが、4度、行われた。
「君等には開けっぱなしにできる掃き出し窓の魔法、土のう袋の魔法と念話の能力を授けた。それらは魔力を消費せずに使える。使い方は汲広やステファニアに聞けば良かろう。本日は顔合わせと能力を授けるために呼んだ。こちらの用は済んだ。また会おう」
すると、6人はまた、夢の中へ意識を吸い込まれるのであった。
そして、数日後、採用になった使用人を呼び、皆が集まったところで自己紹介と、これから住む部屋の割り振りが行われた。
一通り段取りが終わった時点で汲広は、
「佐藤頓馬、佐藤沙華、トムソン・パトルスとジェシカ・パトルスは夕方、話があるので執務室に来るように」
初日早々使用人を呼び出すのであった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。





