インジスカン王国への工場進出会議
「インジスカン王国という国は、かなり物価が安いそうですな」
「物価が安いということは、労働者に払う賃金が安く済みますな」
「問題は、行き来ですな」
ここは携帯会社、cacicomoの会議室の一室。
そこに、AJUSO、AJCRSと、その関連会社が一堂に会している。
かつて、謎と神秘の国と言われたインジスカン王国。
手つかずの土地に溢れ、労働力も余り気味、そして、物価が安いため、労働賃金を安く抑えられる。
「そこは、岡塚夫妻に丸投げしましょう」
汲広は油田発掘の要件で走り回っているが、アントネラは割と時間に余裕があるのであった。
とは言っても、牧場を開こうとしている綿抜一久と五右武路永遠の世話がある。
ミラトに全部任せられるとはいっても書類仕事もある。あくまでも汲広と比べてである。
「とは言っても、インフラが脆弱すぎませんか」
「インフラごと立ち上げなければこんな美味しい土地にありつけないと思うのだが?」
「まぁ、それはそうですね」
水道、ガス、電気。全て整っているような国では、これだけ労働賃金を安く抑えられる国は、まず無いのである。cacicomoの会長は、
「我々は、インジスカン王国に工場を構える。これは会長としての決定事項だ。君達には抜け駆けと言われないために集まってもらっているに過ぎない。君等はイヤならこのプロジェクトに参加は強要しない。さぁ、どうするね?」
そう言われたAJUSOとAJCRSの会長は、
「我々もここに工場を作る。反対は認めない」
「我々も作るぞ!」
「決まりだな」
こうして、cacicomo、AJUSO、AJCRSが中心として、インジスカン王国に工業団地を、インフラから作ることに決定した。
このことは、株主総会にかけられ、3社共にすんなりと可決された。
そしてすぐさま仲介役として目星を立てていた官僚の網弾野柊二に伝えられた。
網弾野はすぐさま汲広に電話した。
「岡塚さん、大変ですよ!携帯大手3社が合同で、インジスカン王国にインフラごと工業団地を建てると言い出しましたよ!」
「網弾野さん、落ち着いて下さい。どうしてそう言う話になったんですか?」
網弾野が言うには、あちこちで携帯電話のアンテナを建てた作業員の評判、治安が良くて、土地が有り余っていて、労働賃金が安い。インフラが無いのは日本の会社が用立てしても、数年後には黒字化できる見通しが立っていること。
あと、インジスカン王国が物価が上がっても、ニーヘロイ星には他にも山ほど国があり、足がかりにするにはまずはインジスカン王国だろ!ということで工業団地を建設することになったのだとか。
「物資の輸送とかはどうするんですか?物を作るには輸入と輸出、両方要りますよね?」
「そこは岡塚夫妻に丸投げすれば何とかなると考えているみたいですね」
「そんな無茶苦茶な!」
岡塚夫妻とて、かなり忙しいのである。
「まぁ、輸送手段のツテくらいはありますけど、最終手段だと思っていたものをこんな早々に出さなければいけないとは…」
「ツテがあるのですね!あるのですね!それなら助かります!」
「ちょっと、網弾野さん、落ち着いて!」
「割と落ち着いてますよ。通信関連に強い議員さんにせっつかれている割にはね」
「網弾野さんも余裕が無いんですね」
「端から見れば、確かに、余裕が無いでしょうね」
汲広は割と落ち着いていたが、網弾野にとって、議員からせっつかれている状況というのはかなり追い込まれるらしい。
「まずはインジスカン王国側に了解を取らないと。インジスカン王国側には現時点で何一つ話していないでしょ?」
「そうなんですよ」
「もう、網弾野さん、泣かないで下さいよ!そんなに急ぐ要件なのですか?」
「急ぎはしませんが、話が進まないとまた左遷させられちゃいます!」
衝撃の事実!
汲広の相手をさせられるということは、左遷らしい。
汲広は聞かなかったことにして、網弾野を落ち着かせることにした。
「網弾野さん、分かりましたから。インジスカン王国側には私から言っておきますから落ち着いて下さいよ」
「お願いしますよ!私にも妻と子供が居るんですよ!」
網弾野を落ち着かせてインジスカン王国側との交渉役を引き受け、予定地候補があるなら地図を送ってもらうように伝えて汲広は電話を切った。
「さて、アカツキ伯爵に伝えるか」
(アカツキ伯爵、今、大丈夫ですか?)
(大丈夫だ)
汲広は念話でアカツキ伯爵に事情を説明すると、
「分かった。国王には私から説明する。受ければインジスカン王国側に日本円が大量に入ってくる。なに、無下にはさせんさ」
確かに、成功すれば、インジスカン王国はインフラと日本円が入ってくる。出来れば成功させたい汲広であった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。





