通信について
永遠も一久も帰り、やることといったらもう、書類仕事しかなくなった日本組の汲広とアントネラ。
やるべき書類仕事は午前中に済ませた二人。汲広はアントネラに声をかけた。
「こっちではもうやることもないし、王都に居る二人の記憶を思い出して情報整理しないか?」
「そうですね。王国組の二人がちゃんと情報整理できているか謎ですし」
そして、汲広の部屋で、二人は目を閉じて、王国組の記憶を思い出すのであった。
「アカツキ伯爵は相変わらず先生の仕事で多忙だな」
「あちらのアントネラも日本語学校の運営で走り回っているみたいですよ」
「こりゃぁ、こっちに来る時間も無いわけだ」
そして、しばらく黙って、
「一度こっちに来てるのか」
「その様ですね」
「あちゃー。王様に怒られてるよ」
「次はパソコン教室ですか…」
そしてまた黙る。
「え、パソコン、82台?それを家の家庭用回線で賄うって!?」
「これじゃぁ、回線パンクしちゃいます」
冷や汗をかく二人。
「しかし、プレゼンテーションは面白そうだな」
「成功すると良いんですけど…」
整理し終わって考える二人。すると汲広は、
「インターネット回線、業務用引くか」
「そうしないとまずそうですものね」
「あと、会社に掛け合って、携帯基地局立ててもらうか」
「スマホが使えると便利ですものね」
「一応、網弾野さん辺りに相談するか」
「そうですね」
「あ、ジョージ国王にも話しを通さないといけないかな?」
「段々と話しがややこしくなりますね」
「まずはインターネット回線からだな。スマホは後回しだ」
「そうですね」
そんな、会話をする日本組の汲広とアントネラであった。
風呂と食事を済ませる日本組の汲広とアントネラ。時刻は10時くらい。汲広はアントネラに、
「ちょっと網弾野さんと電話してくる」
「分かりました」
掃き出し窓の魔法で自宅に帰る二郎。電話して、通信に関する概要を伝え、一度会いたいと言われたので会う約束を取り付けた。数日後、日本組の汲広とアントネラは、日本のある役所で、
「岡塚夫妻、ご無沙汰です。お待ちしてました」
網弾野さんとの久しぶりの対面である。
「まだ、インジスカン王国側との相談もまだな状態なのですが」
と、前置きしておいて、インターネット回線の話しやら、スマートフォンの回線の話しをする汲広。すると、網弾野は、
「日本側にもうまみのある話しのようですね。業務用のインターネット回線の方はお二人の自宅に引けば良いんですよね。そちらは、持って帰っての相談になるところなのですが、国の負担で出来ないかどうか検討してみることにしましょう」
インターネット回線の方は、話が早そうで、うまくいきそうだ。
「スマートフォンの基地局に関しては、やはり、こちらも持ち帰ってのこちらの処理もそうなのですが、会社との交渉もあります。ちょっとお時間をいただきます」
やはり、スマートフォンの方は話しが遅そうだ。
ひとしきり話しをし終えた3人。別れ際に、網弾野から、
「前向きに検討させていただきます」
と、返事をもらえた。
インターネット回線の方は、後日、話しがサクサク進み、自宅の小さな空き部屋に業務用のインターネット回線が引かれた。しかも費用は通信費も含めて、全て国費で落ちるそうな。
問題はスマートフォンの回線の方である。
携帯電話会社との折衝中で、まだ、できるとも、できないとも言えないそうだ。
まぁ、インターネット回線の方は、業務用の方が引けたので、インジスカン王国が夜中の頃に、使われていないのを見計らって順次ケーブルを差し替えていく。
元は自分と言うことなのだろうか、アカツキ伯爵が設置した掃き出し窓の魔法も日本組の汲広の方で操作できた。
翌朝、何も相談なしではマズイだろうと、汲広は、アカツキ伯爵に念話を通した。
(アカツキ伯爵、今大丈夫ですか?)
(問題ない。要件は何だ?)
(インターネット回線、業務用に交換しておきました)
(それは助かる)
(それと、インジスカン王国でスマートフォンが使えるかどうか、政府も挟んで交渉中です。インジスカン王国側との交渉も必要でしょうが、動きがありましたらまたお知らせします)
(スマートフォンが使えれば楽だな。うむ、交渉は継続してくれ)
念話を終え、新たな朝を迎える汲広であった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。





