移住希望者、来る
アカツキ伯爵は、掃き出し窓の魔法を使って、まずは、日本語学校のパソコンをインターネットに繋いだ。
そして、教職員のものも含めて、セキュリティソフトのアップデートや、OSのアップデートをする。
(しかし、要所にルーターを噛ましておいて正解だったな。インターネットに繋ぐなんて考えていなかったからなぁ)
これだけの規模なので、家庭用のインターネット接続機器ではIPアドレスの割り振りなど、補助を入れてやる機器がないと必ず不具合が出る。
それを、ルーターがいくらかカバーしてくれる。
しかし、日本の汲広の家には速い光ファイバーを入れているとはいえ家庭用。
授業で一斉にインターネットに接続すると、やはり混み合って遅くなるだろうことは容易に想像できる。
(よし、次は英語学校だ)
同じように、英語学校へ行き、インターネットに繋ぎ、セキュリティソフトのアップデートや、OSのアップデートをする。
日本語学校へ行き、アップデートの終わった機器から順々に設定、言語の選択でサーメイヤ語、入力言語の選択で、日本語、英語、サーメイヤ語を切り替えながら使えるように設定する。
(おぉ、さすが、サーメイヤ語でも問題なく動作するではないか)
サーメイヤ語仕様のパソコン、訳が間に合わず、所々英語が混じるがあまり問題は無いだろう。
細かな所までサーメイヤ語で操作でき、日本の汲広の苦労が窺える。
この辺り、汲広かアントネラしか、指示を出せる人間が居ないのだから。
そうこうしているうちに、2校のパソコン、全ての設定とアップデートが終了した。
次はカンデラ家に残したパソコンと、自宅のパソコンだ。
そちらは長い間インターネットに接続していないから時間がかかるだろう。
今日、更新すると設定しておいて、明日、アップデートが終わっていたら良いだろう。
こちらのアップデートはゆっくりとすることにした。
*
所変わって、アカツキ領の汲広、インジスカン王国での牧場経営希望者を迎えに行って帰って来たところだ。
「改めて、初めまして。ここの領主代理の岡塚汲広だ。宜しく頼む」
「妻のステファニアです。宜しく」
「初めまして。こちらで酪農牧場の経営を希望しています五右武路永遠と申します。宜しくお願いします」
永遠は背が高く、体格のゴツい青年である。顔はまぁまぁ良い。
うまくすれば、モテそうだ。汲広は、永遠を使用人たちにも紹介した。
「時差があるとは聞いていましたが、昼夜、逆転しているんですね」
「そうだな。あまり疲れていないかも知れないが、時差ボケ解消に、休むといい」
「徹夜で来たので、多分、寝られると思います」
汲広は、永遠は行動力がある青年だなぁと思った。
次の日、汲広はサーメイヤ語の簡単な資料を作り、ステファニアと永遠に渡した。
「動物探しも重要だが、こっちの言葉が使えないと探しようもないだろう。少しステファニアとサーメイヤ語について勉強してもらいたい。ステファニア、いいか?」
「はい。今日は勉強に付き合います」
「それでは、僕は書類仕事をいくらか片付けてからそっちに付き合うからそれまで勉強していてくれ」
「「はい」」
そして、汲広はミラトと共に、書類仕事を、永遠はステファニアの指導でサーメイヤ語を勉強するのであった。
書類仕事は午前中で目処が立ったので、汲広も永遠の指導の手伝いをした。
次の日は、永遠はアカツキ領の周りの動物を見ることにした。
汲広も通訳として同伴する。
まずは、家畜といえば、労働力として飼われてているヘートルという動物がまず浮かんだので、まずはヘートルを見せに行った。
「この動物も、飼う候補に入れますが、肉付きは良いのですが、どうも乳を取るのには向いていそうにありません」
次に、食肉店に行った。
偶然にも、まだ、血抜きしか行われていない動物たちが結構いた。
「領主様達、運が良いですね。今日はこの辺りの動物が結構揃ってますよ」
永遠は動物を見て回った。
「この、ブーキルという動物、牛に似ていて乳も良く出そうです。この動物で試そうと思います」
最初から1種類の動物に絞るのは、ある意味、博打的ではないかと思う汲広であったが、本人がいいならそれでもいいだろう。
汲広はスマホで動物を撮り始めた。
比較対象となる物と一緒に。明日はもう一人、日本から来るのだから。
「もうすぐ日が暮れそうだ。家に帰って続きはまた明日にしよう」
「そうですね。帰りましょう」
そうして、領主邸へ帰る汲広と永遠であった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。





