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異世界マゼマゼ奮闘記  作者: ぷい16
第三章 4人、日本とインジスカン王国を行き来する
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領地行脚

 次の日から領地を巡る汲広くみひろとアントネラと執事とその他従者。


 代官のミラトはお留守番だ。いくら書類仕事が進んでいるからといって、即時決裁(けっさい)しないといけない案件があるからだ。


 執事はアントネラ付きの執事であるセバスチャン・ハーバーズである。こちらに来て、領地のことを詳しく学んだらしい。お、俺の仕事が… と汲広くみひろが言ったとか言わなかったとか。


 インジスカン王国のアカツキ伯爵は前に、麦畑を大幅てこ入れして、その年の麦は、例年にない大豊作だったらしいが、その他はあまり見ていない。


 その他の作物やら工芸品、生活雑貨などを見て回る予定だ。



 最初に着いたのはオバーヘ村だ。


 ここは果物が有名だ。村の中心部に人が住み、その周りが果樹園になっている。


 オクラみたいに筋状にへこんでいるのだが、長さ的にはトマトみたいなラクオーベという果物を食べた。甘酸っぱくて美味しい。でも、大きいタネを、一口ごとに吐き出さないといけないのが難点だ。


 次に食べたのは、ツナマアセという果物。


 柑橘類(かんきつるい)のようにデコボコとした見た目だが、皮が(いちご)のように薄く、皮ごと食べるそうな。


 一()みして、果汁、ジュワー。口の中が甘みでみたされ、歯触(はざわ)りも、シャクッ、シャクッとして、中々(なかなか)に美味しい。日本にはない食べ物だ。


 取れ高を聞いてみたところ、平年通りだという。


 果実の間引きもしているみたいで、果実の一つ一つにちゃんと栄養が集中しているみたいだ。


 出荷先を聞いてみると、アカツキ伯爵領のある、ハーパヤの街だとか、何といっても大きいのは、王都のシンダーグスが、出荷量ではダントツらしい。


 でも、どちらの果物も、他の領地からも入ってくるらしく、同じ量を()っても、値段が下がり傾向だそうな。


 それなら、日本で売ってみないか?と聞いてみたところ、売れる先があるなら売ってみたいという返事だった。


 汲広くみひろは、スキカから、トンデモな世界の第一人者という本人には不本意なキャラクター(プロパティー)を与えられているため、人脈が豊富だ。農水省の役人にも、果実の市場にも顔が利くから今度、納入できないか聞いてみるのもいいだろう。


 納入するからにはちゃんと検査をパスしなければ。


 しかし、どの村を見ても、人が住んでいる所は点々としていて、遊ばせている土地がいっぱいでもったいない。村人の一人に聞いてみる。



「肉は食べられるか」


「お祭りのような特別な日にしか食べられないです」


「もっと気軽に肉を食べたくはないか?」


「肉なんかは滅多に手に入らない。食べたくても食べられないじゃないですか」



 村人は言っても仕方ががないことなのにと、こちらが何を言いたいのか分からない様子(ようす)だ。



「それでは、家畜を飼えば?」


「家畜は労働力です。やはり食えません」


「いや、肉食用の家畜を飼うんだ」


「はぁ?」


「肉食用に育てて、時期が来れば(つぶ)して食うとか、市場で売るんだよ」


「そんなの聞いたことがありません」


「日本、というか、地球では普通だぞ?」



 これは、教育的指導が必要だ。この国には労働力としての家畜は()るが、肉食用の家畜は()ない。話だけでも()りまいておく必要がある。



「よし、次の村へ行こう!」



 何だか、この村では、特産品を食べただけで、何もしていない気がするが、とにかく次の村だ。


 馬車で移動して、カーヤネン村に着いた。ここは麦の生産で有名で、一度、ジロウ伯爵が、生産のてこ入れに来ている。



諸君(しょくん)、麦の育ち具合(ぐあい)はいかがかな?」


「あぁ、これは男爵、今のところ、順調に実っております」


「順調か。それは良かった。で、今は私は伯爵だ」


「おぉ、昇進おめでとう御座(ござ)います!」



 何やかんやで汲広くみひろの顔を覚えている村人もいるようである。ここでも、一つ、言ってみることにする。



諸君(しょくん)、肉を鱈腹(たらふく)食べたくはないかな?」


「食べたいです!でも、特別なことがないと食べられないんです!」


「それでは、農地の外の、遊ばせている土地に、肉食用の家畜を飼うことだな」


「肉食用の… 家畜… ですか?」



 まぁ、この国にはない取り組みだから、疑問符(ぎもんふ)が付くのは仕方がないな。


 そうして、行く先々で、”肉食用の家畜を育てよ”と触れ回る汲広くみひろであった。

お読み下さりありがとうございます。


地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。

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