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異世界マゼマゼ奮闘記  作者: ぷい16
第三章 4人、日本とインジスカン王国を行き来する
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夏休み… のはずが、

もっうすぅぐ(もうすぐ)なっつやっすみー(夏休み)



 日本の汲広(くみひろ)は浮かれていた。


 高校1年生の頃は、アントネラが日本へ来たり、サーメイヤ語教室などで休んでいる(ひま)()かったのである。


 高校2年生になって、進路のこともしっかりと考えなければならないのだが、長期の休みはやはり(うれ)しいのである。


 自宅の玄関の鍵を開けて、



「ただいまー」


「「「おかえりなさい」」」



 出迎えたのは、アントネラと、インジスカン王国の悠生(ゆうせい)とステファニアであった。


 何故インジスカン王国の悠生(ゆうせい)とステファニアがいるの?


 汲広(くみひろ)は嫌な予感がした。



「「「お話しはリビングでしましょうか」」」



 とりあえず、荷物を自室に置いて、リビングへ向かう汲広(くみひろ)


 リビングのテーブルにはコップが4人分と、麦茶の入った水差しが用意されていた。


 汲広(くみひろ)(のど)(かわ)いていたので、一杯の麦茶を飲んだ。



「話というのはだな」



 インジスカン王国のアカツキ伯爵がいきなり口火を切る、というかいきなり本題に入ろうとする。



「我々は日本語学校、英語学校で領地に行けないから、夏休みの間、領地の管理をお願いしたい」



 汲広(くみひろ)はあぁ、また夏休みが無くなるのかと愕然(がくぜん)とした。


 そして、汲広(くみひろ)は、



「アントネラも了承(りょうしょう)しているのか?」



 アントネラの方を見ると、コクリと(うなず)いた。汲広(くみひろ)は、



「いやだ!」



 駄々(だだ)をこねた。


 逃げられないと分かっていて。


 すると、インジスカン王国のアカツキ伯爵は、



「お前(たち)しか手空(てす)きの者も、適任者という点でも任せられる人間が()ないのは分かっているだろう?」


「分かってるよぉ。ただ、1年のときも休みが無くて、一回反発してみたかっただけだよ。受けるよ。もぅ」



 汲広(くみひろ)嫌々(いやいや)了承するのであった。



 インジスカン王国のアカツキ伯爵とステファニアは、その足で、アカツキ伯爵領の領主邸に出向き、代官のミラト・バハーミッツと会った。



「私とステファニアは分身の術が使えてな、

 もうすぐもう一人の私とステファニア、

 私がクミヒロ・オカツカ、ステファニアがアントネラ・オカツカを名乗っているのだが、

 2人がこの領地を視察するのに置いていくから世話してやってくれ」



 ミラトはちょっと考えて、



「分身の術とは初耳ですな。もしや魔法ですか?」


「まぁ、魔法の一種だ。ただ、魔力をほとんど使わないのが利点だ」


「で、すぐにはこちらにいらっしゃらないのですか?」


「あぁ。元々、日本の方で学生をしておってな。

 もうすぐ長期の休みがあるのでその間、こちらの管理をするのだ。

 あいつの記憶も私の中にあるし、私の記憶もあいつの記憶の中にある。

 予習を(おこた)らなければそうそう失敗はない」


「はぁ。そういうことでしたら、伯爵夫妻としてお相手(いた)しますが…」


「そこで、あいつも考えてくるかもしれんが、

 何も考えなしでこちらに来る恐れがある(ゆえ)

 視察のプランを一応考えていてもらいたい」


「承知致しました。しかし、分身の術ですか。私も使ってみたいものです」


生憎(あいにく)と、何故(なぜ)覚えたのかは私にもステファニアにも分からんのだ。

 教えたくても言葉にできないのだ。許せ」


「そうですか。それは残念です。それでは、こちらもプランを考えておきます」


「よろしく頼む。私も、次の授業の準備がある(ゆえ)すぐに戻らねばならぬ。

 頼み事ばかりで()まぬな」


「いえいえ。それも私めの仕事に御座います。それでは行ってらっしゃいませ」


「行ってくる」



 そうして、インジスカン王国のアカツキ伯爵夫妻は、王都へ戻ったのであった。



     *



 汲広(くみひろ)は四苦八苦していた。


 汲広(くみひろ)にもインジスカン王国のアカツキ伯爵の記憶はある。


 そして、インジスカン王国のアカツキ伯爵にも汲広(くみひろ)の記憶はある。


 しかし、それぞれの生活がある。


 互いの記憶は気に()めておく程度にとどめ、メインにはやはり自分の記憶を置いているのである。


 そこで、いきなり汲広(くみひろ)が、インジスカン王国のアカツキ伯爵の役をしろというのである。


 色々と手探りで、汲広(くみひろ)はインジスカン王国のアカツキ伯爵の記憶をたどるのである。



「あいつ、随分(ずいぶん)とややこしいことを平然とやれるようになってるんだな」



 汲広(くみひろ)はステファニアの部屋に行った。



汲広(くみひろ)だ。()るか?」


「はぁい。開いてますよ」



 汲広(くみひろ)はアントネラの部屋に入って、



「インジスカン王国のアカツキ伯爵の記憶をたどっていたんだが、

 アイツ、随分(ずいぶん)とややこしいことを平然とやれるようになってるんだな」


「あっちのステファニアも似たようなものです。私にも荷が重いです」



 日本の二人は二人して泣き言を言っていた。



「でも、約束したんだし、やれることはやろうか」


「そうですね。それしかないですね」



 前途多難な日本の岡塚夫妻であった。

お読み下さりありがとうございます。


地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。

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