平和協定ブーム
インジスカン王国とウーバルー帝国の終戦は、瞬く間に周辺各国へも情報が拡散された。
そこで、終戦のときに用いられた、日本語教室で、悠生が行った授業をメモに取ったもの、後の世に言う”アカツキ ・ペーパー”の内容が知りたいと、元、日本語教室生に周辺各国から内容を知らせよという注文が殺到したのであった。
それを手にし、読んだ周辺各国首脳陣も感銘を受け、戦争をしない国を目指そうと各国同士、平和協定の打診合戦が起こったのである。
ところで、話はあの、貴族用の会議室に戻る。
「ユウセイ・フォン・アカツキ男爵、貴公に伯爵の位を授ける。ユウセイ・フォン・アカツキ伯爵と名乗るが良い」
「はっ!ありがたき幸せ」
「…とは言うものの、何故いきなり昇進したのか分からぬであろう」
「はい。正直に言いますと…」
「貴公は日本語教室で平和について熱く語ってあろう?それが今回の終戦に大いに役立ってな」
「はぁ」
「おまけに、終戦のお陰で、周辺各国まで、どうも戦争をしない国作りの気運が高まってな」
「はぁ」
「そこで、周辺各国の意識改革、平和をもたらした貴公の功に報いようというのと、」
「はい」
「いずれ、周辺各国の意識改革に功績を残した貴公に何の褒美も無ければ私が周辺各国に顔が立たなくなるから先手を打ったのだよ」
「はい」
「まぁ、そういう訳だから、貴公の功績に間違い無い。遠慮無く受けよ」
「はい。拝命致します」
*
「ただいま」
「お帰りなさい。悠生。それで、会議はどうだった?」
悠生はステファニアに思いもよらず、伯爵に昇進したことを伝えると、
「それでは大祝いしなくちゃね♪」
ステファニアはメイドに指示を出した。次の日の夕食は、悠生の昇進祝いとして豪華な食事となった。
*
平和協定の方は、双方から打診があったため、各国平和協定締結のため、おおわらわであった。
インジスカン王国や、ウーバルー帝国も例外でなく、貴族は領地管理期間中の者までかり出されて各国に話し合いのため、出向いて行った。
そんな中、ウーバルー帝国の終戦協定で結ばれた内容にある、地球とインジスカン王国の周辺各国との良好な関係を促進という課題を成すため、インジスカン王国国王、ジョージ・フォン・インジスカンは、次のような施策を考えていた。
1.日本語学校を、自国民だけでなく、他国の生徒も受け入れる。
2.要請があれば、他国民を、掃き出し窓の魔法で地球に連れて行くことを許す。
というものであった。
ジョージは、手の空いた貴族を皆集めて、上記のような内容で良いかと問うたが、反対意見も出ず、さらに、
3.インジスカン王国の国民で、日本語学校を卒業し、日本語を教える能力を持つ者は、他国で日本語教室や、日本語学校を設立することを促進する。
という案が出された。ここで、悠生がびっくり発言、
「私が言うのも何ですが、日本語は、地球ではマイナーな言語でして、日本との交流を考えれば確かに有効なのですが、英語という言葉を推進された方が他の国との交流が進むかと…」
「何故それを先に言わん!」
悠生は国王に怒られてしまった。そこで、また話し合いが行われ、結局は次のように決まった。
1.日本語学校を、自国民だけでなく、他国の生徒も受け入れる。
2.将来、地球の他の言葉の教室や学校を設立したときは、日本語学校同様、他国の生徒も受け入れる。
3.要請があれば、他国民を、掃き出し窓の魔法で地球に連れて行くことを許す。
4.インジスカン王国は、地球の様々な言語を学ぶことを促進する。
5.インジスカン王国の国民で、地球の言葉を教える能力を持つ者は、他国でその言葉の教室や学校を設立することを促進する。
という内容に落ち着いた。この施策は、”地球の言語を広めるための施策”と呼ばれた。
*
日本語教室の元生徒に、中級貴族の3女であったナターシャ・フォン・クラベリンスキーという人物がいた。
その人物は、日本とインジスカン王国の間に国交が成立するやいなや、実家の援助の元、日本語を学びに単身日本へ渡った。
しかし、日本へ渡ってすぐに、日本語が地球ではマイナーな言葉だと知り、学ぶ言語を英語に変更し、現在日常会話には不自由しない程、英語が堪能になった。
あとは独学でも英語のスキルアップが望める。それから家族から、”地球の言語を広めるための施策”の話を聞きつけるのであった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。





