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異世界マゼマゼ奮闘記  作者: ぷい16
第四章 世界の工場
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インジスカン王国の医師のレベル

 汲広(くみひろ)省語(しょうご)多田之助(ただのすけ)がケネヴァ・フォン・バーラルの治療を終えて戻って来たのは、アカツキ伯爵領の城下町、ハーパヤに唯一ある治療院。


 そこにはストレッチャーを準備していつお呼びがかかるか待ち構えていたこの治療院の医師、ゴードン・ラリーの姿があった。


 ちなみにストレッチャーというのは折りたためて自在車の付いた寝台。救急車でけが人、病人を寝かせたまま運ぶ、あれである。



「お姫様をこちらへ運ぶ準備は(ととの)い… ってあれ?全員戻って来たのですか?」


「あぁ。治療が終わったのでな」



 ゴードンはストレッチャーを仕舞(しま)い、姫様が治ったというのに浮かない顔をしている3人を、とりあえず、待合室の椅子(いす)に座らせ、テーブルを持って来てお茶を注ぎ、自分も椅子に座る。



「姫様は治ったのでしょ?何故(なぜ)そんな苦虫をかみつぶしたような顔を皆さんしているのですか?」


「いやなに、あまりにも治療が簡単だったのでな」



 汲広(くみひろ)の後に、省語(しょうご)が続ける。



「我々は、バーラル子爵が、色々な名医に()せて、それでも異常を発見できなかったので、大病を(わずら)っているものだと思って、場合によっては日本で手術をさせる心づもりであちらに行ったのだよ。そしたら我々の画像診断で原因がすぐに発見でき、短時間で処置ができ、経過は見ないといけないのだが、それでも姫様は今後快方(かいほう)に向かうだろうと確信を持っている」


「それは、つまり…」


「こちらの名医様は、たった1時間もかからずに治療できるものを、原因すらつかめず何の処置もできないことに我々(われわれ)3人は頭を抱えているのだよ」



 汲広(くみひろ)は、



「レベルが低い。低すぎる」



 と言い、4人に一時(いっとき)沈黙が走った。すると、汲広(くみひろ)は、



「私は、どうもこの国の医療レベルを知り、国民のために医者のレベルアップを(はか)らねばならぬようだ」



 再び4人は沈黙(ちんもく)(つつ)まれた。



     *



 領主邸に戻った汲広(くみひろ)は、代官のミラトに指示を出す。



「ミラト、国中の名医をリストアップし、どこへ行けば会えるか調べてくれ」


「いきなりどうしたのですか?アカツキ伯爵?」



 汲広(くみひろ)は今日の事をミラトに話して聞かせた。汲広(くみひろ)は、



「この国の医者のレベルを知りたい」



 そう、ミラトに言うのであった。



「あと、これは時間がかかってもいいのだが、医者という高い立場の待遇(たいぐう)(おぼ)れず、患者を救いたいと本気で思っている医者もリストアップして、治療院や自宅の住所を調べておいてくれ」


「と、言うと、教育されるのですか?」


「このままこの状態を見過(みす)ごせん。何らかの処置を(ほどこ)す」



 汲広(くみひろ)は、ミラトとの話を終えると、報告のため、念話を飛ばした。



(アカツキ伯爵、今いいですか?)


(大丈夫だ。よくやってくれた。バーラルのお姫様を無事、治療できたそうではないか)


(そのことについて、気づいたことでお話しがあります)



 汲広(くみひろ)は一度深呼吸をして、



(我々は3人でまず、診断をしました。全員一致で胃に大きめのポリープがあると3人とも同じ意見でした。その意見にたどり着くまで、10分程です)


(ふむ)


(そこで、こちらの西洋医で、魔術医療の心得もある多々身(たたみ)省語(しょうご)に処置を任せました。魔術医療を駆使(くし)してポリープを小さくして、豆粒くらいにしたところで切除しました。処置が終わったのが姫様の部屋に到着してから30分くらいです)


(ふむ)


(それから、3人で腹部をもう一度画像診断し、念のため、省語(しょうご)が体全体を画像診断で異常がないか調べました。姫様の部屋に入ってから1時間もかからずに全ての診断を終えました)


(…つまり、こちらでは名医と言われる者が、原因も分からず取る手段を持たなかった病気を、お前(たち)は1時間もかからずに完治させたということか)


(そのとおりです)


(ふむ。こちらの国の医者と、お前(たち)とでは、医療技術に大きな差があるということだな)


(そのとおりです)



 汲広(くみひろ)は、()き出した汗を(ぬぐ)い、一口茶を飲んだ後、深呼吸して、



(私は、この国の医療をレベルアップさせたいと思います)


(それはいいことだ。こちらも王に話しを通しておく)



     *



 インジスカン王国では早朝、日本では仕事が一段落(いちだんらく)し、仕事を終えようかというような時間帯である。


 汲広(くみひろ)は”トンデモな世界の第一人者”の人脈を生かし、医療ルポライターをしている記者に、日本で名医と言われている人物のリストアップと、どの病院に勤めているかを調べて欲しいと(たの)()むのであった。

お読み下さりありがとうございます。


地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。

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