病床に伏せるお姫様
場所は王都、シンダーグスのアカツキ伯爵邸。
授業の合間に執務をしていると、他の貴族からの面会依頼があった。
何でもすぐに会いたいそうだ。
「客間に通してお入れくれ。すぐに行く」
アカツキ伯爵は、執務を一旦切り上げると、客間へ向かった。
「いきなりの訪問をお受け頂きありがとうございます。コンスタンティネル・フォン・バーラル子爵でございます」
「ユウセイ・フォン・アカツキ伯爵です。今回はどういったご用件で?」
コンスタンティネル子爵のお姫様の話らしい。
やんちゃで目を離すと城下町へ遊びに行ってはイタズラしていた元気ハツラツなお嬢様が、半年前から腹部に異常を訴え始めて、すぐに医者に診せたそうだが、特に異常を感じなかったらしい。
しかし、お嬢様は徐々に食も細くなり衰え始め、今ではベッドからも出られない程の衰弱ぶりで、それまでに名高い医者にも診せたのだが、異常を発見できないため状況が改善せず、
「アカツキ伯爵は、配下に日本から呼び寄せた、こちらの医者とは違った医療をする医者を抱えているという話しを人づてに聞きまして、いても立ってもいられず、いきなり訪問した次第です」
「確かに、我が領地には、魔法に頼らない医療をする者を抱えています。お金に糸目を付けないのであれば、その医者に診せることもできますが、原因を発見し、治すなり、病状を改善したりは診せてみないと何とも言えませんが、それでもよければ紹介致しましょう」
「お金は何とかします。良くならなくても文句を申し上げません。是非ともご紹介お願いします」
「ちょっと遠方に連絡を入れるため黙ります。こちらから声をかけるまで静かにお待ちください」
(汲広、今、大丈夫か?)
(はい。大丈夫です)
(今、訪問者があって、汲広案件だと思った。詳細は表層の意識にあるので読み取って欲しい)
(今読み取ります… 分かりました。すぐに向かいます)
「今、領地のものと連絡が取れましたので、向こうも準備が整い次第、迎えが来ると思います。お話しして待ちましょうか」
話しをふったはいいものの、それからアカツキ伯爵は娘自慢を聞かされるのであった。
しばらくすると、汲広がやって来た。
「話しには聞いていましたが、アカツキ伯爵が二人!?」
いきなり驚かせてしまった。すると汲広は、
「驚かせてしまってすみません。アカツキ伯爵が二人だとややこしいので、私はクミヒロ・オカツカを名乗っています。で、そのお嬢さんのところに連れて行ってもらえませんか?」
汲広は、コンスタンティネル子爵の掃き出し窓の魔法で、シンダーグス内のコンスタンティネル邸に招かれた。
「今から遠方に出かけるので、お嬢さんの衣服を整えていただけますか?」
「はい」
すると、コンスタンティネル子爵は、メイドに衣服を整えるよう指示を出した。
「あと、お嬢さんは少しくらいなら歩けますか?」
「短い距離なら歩けます」
「分かりました。待っている間に衣服を整え終わったら、すくに医者に診てもらえるよう、今から迎えに行きたいのですが、よろしいですか?」
「分かりました。迎えに行ってください」
すると、汲広は、領地内の西洋医、である多々身省語と大倉多田之助を連れて来た。
「日本で医者をやっております多々身省語と申します。よろしくお願いします」
「同じく、日本で医者をやっております大倉多田之助と申します」
「ようこそおいで下さいましたコンスタンティネル・フォン・バーラル子爵です」
挨拶を済ませると、メイドが、
「お嬢様の衣服を整え終わりました」
「では、早速連れて行ってもらえますか?」
「はい。ご案内します」
コンスタンティネル子爵の案内で、お姫様の部屋に案内される3人。
「寝たままでのご挨拶で失礼致します。ケネヴァ・フォン・バーラルでございます」
挨拶もそこそこに、汲広、省語、多田之助は、ケネヴァの腹部を診断する。
「「「ポリープですね」」」
すると、ここで、一番医療に精通した省語は、
「日本では切除して取り出して良性か悪性か診断しますが、とりあえず、小さくして切除しちゃいましょうか」
「「そうですね」」
3人の意見が合ったところで省語は腹部で大きく育ったポリープを魔法で小さくしたあと、切除した。
すると、また汲広、省語、多田之助は、ケネヴァの腹部を診断する。
ついでに省語は、他に悪いところは無いか、全身くまなく診断をした。3人で相談して、代表して汲広が、
「コンスタンティネル子爵、悪いところを見つけて治療致しました。あとはよく食べてさせ、運動させて、健康な体にしていきましょう」
「もう終わったのですか?治ったのですか?」
「私共の見立てでは治りました。あとは、後日何度か様子を見にこちらにお伺いしたいのですかよろしいですか?」
「はい。是非とも」
こうして、汲広、省語、多田之助は領地へ帰るのであった。
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地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。





