貴族は工場を呼びたいらしい
インジスカン王国の、周辺国は、タンザトクス王国、サステイム王国、ムベーレン王国、シャザクト王国、タダンダニア共和国、サステイム王国、ハマススーン王国である。
この国の間で、以前、平和協定が結ばれた。
その他の国として、ボヘハヘーベン王国、マムスヌーン王国、マハトヌト王国、ハンテメグロ共和国等があるが、この大陸は広い。
他にも沢山の国がある。
その中の国である、シャザクト王国から、領地の方の汲広に使者がやって来た。
何でも、工場団地を誘致したいのだという。
「そのような話しは、国内の他の貴族からも出ていますが、相手方の意向と言いますか、需要がなければ話にならないわけです。で、仮に、需要があっても国外のことは王都の少なくとも貴族を通してもらわないと私単独では何も決められませんよ」
「許可証なら… あったあった。これここに…」
その出された許可証は、明らかに偽造されたものだった。
「こんなものを出されても… いもしない貴族の名前が混ざってるし、存在する貴族にしても、筆跡が違う。こんなものを出されたら私はあなたを捕らえないといけません。見なかったことにしますから、お引き取りを」
「ちっ、見破りやがったか」
「見破るも何も、ウソが見え見えですよ」
あんな大っぴらにウソを吐かれると、シャザクト王国の使者というのも怪しくなってくる。
そんな彼を追い出し、汲広は悩む。
「実際、他の貴族からは工場を誘致したいという申し出はいっぱい来ているんだよな~」
汲広はちょっと悩んで、後で電話をかけることにした。
「トゥルルルルルル、トゥルルルルル、はい、網弾野です」
「網弾野さんですか?私、岡塚汲広です」
官僚の網弾野に電話をしたのだ。
網弾野に、工場団地を誘致したい貴族がいっぱいいることを伝えると、
「あぁ、こちらでも、携帯会社の収益の向上を見た他の企業体が、インジスカン王国に工場進出したいと、水面下で動いているらしいです。まだ表だってどうこうするつもりはないみたいですがね」
「こちらでも誘致したいという希望を出していれば、そのうち動き出すんじゃないですか?」
「まぁ、そちらから誘致の希望があるというのは広めておきますよ」
「ありがとうございます。宜しくお願いします」
と言って、電話を切った。果たして、誘致に反応してくれる企業は現われてくれるのか、現われてくれるとして、こちらはどう対処したらよいのかと。
*
次の日、汲広は治療院に顔を出した。
西洋医、多々身省語にたまに顔を出すと言っておいたからだ。
「おぉ、領主様、元気にしてたか?」
「あぁ、ゴードンさん、おはよう。省語さんの様子はどんなものですか?」
ここの治癒魔法師、名をゴードン・ラリーと言うが、彼が応える。
「あぁ、あの外国の医者ねぇ。めきめきとあり得ねぇくらい実力を上げて、もう少しで1人前になっちまうんじゃないか?」
あの省語という医者、なかなかの逸材であったようだ。
「そういやぁ、将来魔法医術について本を出すとか何とか言ってたぜ」
本を出すのか。なかなかに面白いことを考える。
「そういやぁ、見ないけど」
「あぁ、あいつなら今は自分とこの医院に戻ってるぜ」
「あぁ、そうなんだ。じゃぁ、そっちに行ってみるか」
と、汲広は掃き出し窓の能力で省語の医院である多々身医院へ向かった。
「おぉ、これは暁伯爵、いらっしゃいませ」
「多々身さん、元気にしていましたか?」
汲広と省語はとりとめのない話を始めた。すると、汲広は、
「何でも、将来魔法医術について本を出すとか?」
「あぁ、聞いちゃいましたか。本を出すための準備を始めています」
本を出すには、色々とデータを積み重ねなくてはならないらしい。そして、そのデータ集めを始めたらしい。
「まぁ、今の段階でも、医学誌に記事を書くくらいはできるんですけどね」
「魔法医術が広がったら、アプローチ方法が増える。いいことじゃないですか」
「まぁ、そうですね」
治療方法が増えるのは、良いことだろうと思う、汲広であった。
「ところで岡塚伯爵」
「何ですか?」
汲広はたたずまいを正した。
省語が真剣な顔をしたからだ。
「後輩をこちらに連れて来ようと思います。それで、彼にも魔術医療を授けてくれませんか?」
「まぁ、その人の人柄にもよりますが、その問題が晴れれば授けましょう」
汲広は条件付きで魔術医療を授けることを了承したのだった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。





