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あおいと俺  作者: FATMAN・BAGGIO
4/22

【海底帝国裁判2】


【ロベルト】

「意義あり」


閉廷しようとした時、その声が響く。


その声に驚き、エリザベータが声の主の方を振り返る。


【エリザベータ】

「お父様?」


声の主、帝国の王。


ロベルト・アネーリオに発言権が移されていく


【裁判長】

「ロベルト・アネーリオ陛下」


【ロベルト】

「わしの娘が殺されるのを黙って見ていろというのか?裁判長?」


【裁判長】

「残念ですが、姫様のご意向ですので」


【ロベルト】

「貴様も愚かだな、エリザベータ、何故その男が恋しい?他にもいい男などこの海にたくさんいるではないか?」


【エリザベータ】

「あの人は、やさしい目をしていました」


【ロベルト】

「エリザベータ、だから貴様は愚かだと言うのだ、人間に何人の人魚が殺されたのか忘れたのか?」


【エリザベータ】

「……それは……」


下唇をかみながらエリザベータがうつむく。


そしてエリザベータは思い出していた。


かつ人間に恋した人魚が陸に出て行き。


一人を除いてはみんな死んでしまったこと。


人魚が捕らえられて殺されたことや、逆に人魚が人を殺した歴史。


簡単には修復できない溝が人魚と人の間にあるということを。


【ロベルト】

「……特例767条の申請をします」


ロベルトがそう告げた時、法廷内がざわめく。


そして裁判長がゆっくりとロベルトをなだめ始める。


【裁判長】

「お言葉ですが、ロベルト王、あなたは自分が何を言っているのかお分かりですか?」


そういわれてロベルトは目を伏せながら、悔しそうに


【ロベルト】

「それは当然、娘が海の底に沈められるか、泡となるか、その差しかないことも、よく分かっている」


とぎれとぎれ言葉を続ける。


そう話しながら時折小刻みに肩を震わせている。


【裁判長】

「あの特例はここ数百年、リスクがあるとして禁じられています、それに、執行するには王の承認がなければ……」


裁判長をさえぎるようにロベルトは割ってはいる。


【ロベルト】

「現時刻を持って承認する、ワシは、娘がみすみす死ぬのを見ておれんのだ、ワガママだとは分かっている、エリザベータ、お前にはチャンスをやる、これでよかろう」


そういい残すと、ロベルトは退席。


エリザベータの両脇を抱えるように、兵士が囲む。


【裁判長】

「……以上、ロベルト王の承認により、特例767条を執行する、エリザベータ姫は48時間以内にこの国を追放されます、そして、陸上での生活に移行させていただきます」


声を震わせながら、裁判長が判決文を読み上げる。


【エリザベータ】

「あたしは一体どうなって?、裁判長?何のことか私には分かりません」


何が起こるのかわからず、戸惑っているエリザベータ。


しかし、この内容は王族と司法機関の人間しか知りえない内容。


その守秘性を守るために


【裁判長】

「以上をもって閉廷とする」


裁判長はすぐにこの法廷を閉廷させる。


エリザベータは手錠をかけられ、法廷からとある所に連れて行かれる。


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