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あおいと俺  作者: FATMAN・BAGGIO
16/22

【エリザベータの決断】

【テレーザ】

「まず、一番説明しなければいけないこと、それは、この魔法をかけられた者は声を失うと言うこと、それと、人間として過ごすことができるのは1週間だけと言うことです」


【エリザベータ】

「そんな……それじゃあどうやって私の気持ちを伝えたら……声が無いと言うことは、話すことすらできない」


【テレーザ】

「だからこそ、成功率の低い魔法として禁じられているのです、今ならまだ辞めることもできます、この場で死にゆくことも可能です」


【エリザベータ】

「辞めることなんてできません、これほどまで愛した人は今までいない、その人に一瞬でも会えるのなら諦めることなんて愚かです」


【テレーザ】

「確かにあれほどの強い気持ちを聞いてしまうと、わたしも止めることができません、今までこの魔法にかかって陸の人間と結婚しているのは一人だけです、ですが、できれば姫様が苦しむ姿は見たくないと言うのが本音です」


【エリザベータ】

「それでも、わたしは命に代えてでも、あの人に会いたい、そして、好きだといって、気持ちをぶつけてから死にたい」


【テレーザ】

「気持ちは痛いくらいよく分かります、でも、そんなやり方では、はっきり言って成功はしません、冷静になってください」


【エリザベータ】

「でも、成功した者もいるのでしょう?」


【テレーザ】

「確かに、でもそれは一人だけ、しかもかなり昔の話です」


【エリザベータ】

「昔であっても、今であっても、人を想う気持ちに何のかわりがあるのでしょうか?わたしはあの人と、恵ともう一度出会えるのだったら何があってもかまわない、話せなくたって、なんだって、彼にもう一度会えるならそれで満足です」


【テレーザ】

「落ち着いてください姫様、一回きりの快楽のためにこの魔法を使いたくはありません」


【エリザベータ】

「使いたくない?ではあたしがどういう態度を取れば使ってくれるの?」


【テレーザ】

「そういう問題ではありません、この魔法の成功条件というのは非常に難しい、だからこそ冷静であって欲しいんです」


【エリザベータ】

「難しい?いったいどういうことなの?」


【テレーザ】

「この魔法は人間になって声を失い、そして陸の人間として一生話せないだけの魔法ではありません、うまくやれば、その意中の人と話して過ごすこともできれば、人間として年を重ね、その愛する人ともに年をとって生きながらえることもできる、そういう魔法なんです」


【エリザベータ】

「さっきと言ってることが違うじゃない、わたしは一週間しか生きられないんじゃないの?」


【テレーザ】

「それはあくまで、姫様の想いが相手に通じなかったときの話、もしも想いが通じて恋人となったときは、声も元に戻ります、そして人魚だった時の寿命から考えても、陸の人間として50年は生きていけます、それにその意中の人の記憶からも消えなくてすむ」


【エリザベータ】

「聞かせてもらえないでしょうか?その成功する条件とやらを」


【テレーザ】

「分かりました……成功する条件……それはたった一つ……」


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