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あおいと俺  作者: FATMAN・BAGGIO
12/22

【海底帝の魔女3】


【テレーザ】

「この第767条には一つだけ選択権が含まれています。」


紅茶を一口すすったあと、テレーザの口からそう語れる。


【エリザベータ】

「その、選択権とはいったいなんです?」


疑問をぶつけるエリザベータ。


その疑問に対して、ゆっくりとテレーザは答えていく


【テレーザ】

「それは、人となって一週間相手に手を尽くしてアプローチするか、それとも人間にならずにこの場で、今すぐ消えてしまうかの二つです」


【エリザベータ】

「それを選ぶのは私次第と言うことですね、そんなの決まっています、当然人間になって、あの人に想いを伝えます、それが叶わぬ恋だったとしても、想いを伝えることに意味がある、わたしはそう思います。」


エリザベータは毅然とした態度でそう言い切る。


しかしその言葉を聞きながら、テレーザはさらに注意を続けていく。


【テレーザ】

「それはそうですね、気持ちはよく分かりますが、お考えになって決めてください、人間になることもできれば、今この場で死を選ぶことも可能です、どちらを選んだほうが確実に幸せだと言うことは無いと思います、ですから、もう少しお考えになってからご決断されても良いかと思います」


【エリザベータ】

「わたしは人間になります、そしてあの人と恋をしたい、そうすれば死なずにすむし、うまくいけばあのひとと結ばれることだって……どちらかを選ぶかなんて決まりきったことだと思います、何もしないでこの場できえてしまうだなんて、嫌です」


【テレーザ】

「確かにここの部分だけ聞けば、人間になる方が希望に溢れてるようにも見えます、しかし姫様、人間になるにあたって、不自由になってしまう部分もありますし、恋愛を成就させるにはかなり難しい条件となります」


【エリザベータ】

「難しい条件?」


【テレーザ】

「はい、かなり難しい条件が課せられます、それに立ち向かう勇気が無いのなら、この場で死を選ばれたほうが幸せかもしれません、その詳細については、説明いたします」


【エリザベータ】

「お願いするわ」


【テレーザ】

「エリザベータ姫、その前にお聞きしたいことがあります、よろしいですか?」


【エリザベータ】

「ええ、かまわないわ」


【テレーザ】

「姫様がどうして人間になりたいのか?自分はそれは知りたいんです」


【エリザベータ】

「わたしが……人間になりたい理由……」


【テレーザ】

「話しにくければ話さなくてもいいんですけど」


【エリザベータ】

「いえ、話すわ、そういえばわたしが何故あの人に恋をしたのか、誰も聞かなかったものね、いいわ、お話しましょう」


【テレーザ】

「いいんですか?」


【エリザベータ】

「でも話す前に、貴方に逆にたずねたいの、貴方がその話を知りたいと思ったのは、魔女としての務めから?それとも、ほかの何かの理由があったのかしら?」


【テレーザ】

「できれば魔女の務めだと言いたいのですが、実は違ったりします」


【エリザベータ】

「それはよかった、何故あなたが知りたいのか、どんな理由か知りたいわ」


【テレーザ】

「恥ずかしながら、それは単純に女としての興味と言いますか、もしそんなにも深い愛情が芽生えるほどの恋ならば、できるかぎりのことをしたいなと思っただけでして」


【エリザベータ】

「それならなおさら話しやすいわね、それじゃあ、お話ししましょう、あの人とはじめてであった日のことを、そして、何でわたしが恋に落ちて行ったのかも」


【テレーザ】

「はい、お聞きしたいです」


【エリザベータ】

「そうね、あの人と初めてあったのはもうだいぶ前の夏の日、帝国からはかなり離れたとても陸に近い海でのことだった」

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