第7話 機械仕掛けの街
今回は普段になく短くなってしまいましたが、読んでいただけたら幸いです。
「さてと、魔法の話は一旦終了!」
「えっ?なんで?」
「次の町は少し問題があるからよ。」
「どうゆうこと?」
すると、シルフィーは玉でスクリーンをだし、町の外観を映し出した。機械が目立つ。とにかく目立つ。
「なに?この明らかに機械ばかりの街は。」
「これが次の街、ハイ・ギアントよ。」
「まさに今のごじせいを表してるような街だね。」
「その通りと言ったところかしら。」
するとシルフィーはふぅっとため息を吐いた。
「なになに?!何でそんな憂欝そうな顔してるの?」
「ヘルゼー、一つ質問するけどここが2年前まで前の村みたいに農業が盛んだった街に見える?」
「はぁ?!ありえないよそんなの!前から機械ばかりの街だったんじゃないの?」
「それが違うのよね……。こんなに機械っぽくなったのは、2年前からなのよ。」
「えぇ?!」
「実はここの街、町長が代わって以来急に機械の導入が始まったのよ。」
「何でまた急に。」
「先代の町長は闇否定派だったんだけどね、その孫娘に代わって以来どうも金回りが急によくなったの。ということは闇からの援助を受けているとしか思えない。つまり、闇を肯定してるとしか思えない。」
「ずっと思ってたんだけど闇って具体的になんなわけ?」
「誰にでもあるけど具体的に言うなら、光を撲滅させるためにできた、帝国があると聞いたことがあるわ。」
「帝国ぅ?!」
「えぇ。どうやら心の闇に呑まれたもの達がさらなる闇を求めて集まる場所のよう。そこは、特別闇が深いポイントらしいわ。」
「へぇ〜〜。世界には僕の知らないことが沢山あるんだねぇ……。」
「私の知識でさえ世界の10分の1ぐらいしかないんだからあんたの知識なんてきっと100分の1ぐらいね。」
否定、したい……けどできない。くそぅ。
「まぁいいわ。話を戻すわよ。」
「うん。」
「つまり、神に貢献する私たちが街に入れないかもしれないのよ。」
「なんで??」
シルフィーは大きくため息をついた。
「どうせ馬鹿ですよ〜。」
「開き直るんじゃないの〜!」
「え〜。」
「え〜。じゃなくて。」
「むぅ………。」
「向こうにしてみれば敵でしょう?私たちは、闇を滅ぼすためだけにいるんだから。」
ヘルゼーはポンっと手を叩いた。
「なるほど。」
「わかった?」
「うん。じゃあどうやって入るの?」
「それが噂によると常に検問がしかれてるらしくて忍び込むのは無理。正面突破しかないみたいなのよね〜。」
「は?!シルフィー、それ矛盾してるよ?」
「そんなことわかってるわよ。だからあたしが言いたいのは問題が起こることは必須。下手すると戦いになるかもしれない。だから準備はしておいてって事よ。」
「要するにいつでも戦えるようにしておけって事?」
「そ〜ゆ〜こと。」
「じゃあ、また、修業?」
「なんだ、わかってるんじゃない!」
どうしてこう……嫌な予感って言うものはあたってしまうのだろう。
「大丈夫よ。次の街は国境に近いからまだまた歩かなきゃならないから時間はたっぷりあるもの!」
なんであんなにいきいきしているのかはわからないが、ヘルゼーは少し不安を覚えた。シルフィーが恐いわけではない。ただなんとなく次の街に行くことが大変な事のように思えて仕方なかった。このいいようの無い不安は証拠もないのだがヘルゼーのなかではあきらかに大きくなりつつあったが、シルフィーに打ち明けるわけにも行かず、ヘルゼーは一人でもうもうとするしかなかった。
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