第6話 シルフィー先生の魔法講座
会話文が多いので読みにくいかも知れませんが読んで頂けたら幸いです。
シルフィーとヘルゼーは村を後にしてさらに旅を続ける。
「さてさて、じゃ!魔法講座、よろしくお願いします!」
「はぁ〜……。」
「そんな明らかに嫌そうな顔しないでよ〜。」
「だってさぁ〜……、だいたいあんたどこまで知ってんの?」
「え〜っと。」
途端にヘルゼーは恥ずかしくなった。きっと自分はシルフィーの100分の1ぐらいしか知らないと思ったからだ。
「あ〜恥ずかしがらなくてよろしい!」
シルフィーがヘルゼーの心情を読み取ったらしい。
「え?」
「アンタみたいな孤児じゃあ魔法なんて感覚で使ってただけなんじゃない?」
「なんでそれを……?!」
「しょうがないから1から教えてやるか!!」
「いいの?」
「それしかないでしょうが、それともあんた独学で勉強でもする?言っとくけどメチャ大変よ。独学は。」
「よろしくお願いします!!」
「決断早っ!」
ヘルゼーの思考回路は約2秒でその答えを出した。
「じゃあ基本中の基本。魔力をためやすい体質の人を1発で見分ける方法は?」
「髪と瞳の色!」
「正解!じゃあ何色が1番ためやすいの?」
「紫がかった黒!」
「正解!んじゃあ逆に1番ためにくいのは?」
「白!!」
「OK、基本は大丈夫みたいね。じゃあ赤と青だったら?」
「え……っと?」
「ふぅ〜……やれやれね。黒に近いほうがためやすいんだから?」
「あぁ!青だぁ〜〜!!!」
「叫ばなくてよろしい。つかうるせぇ。」
「はい……すんません。」
女の言葉じゃねぇ……。どちらかというと……………野郎だ。いいのか?こんなんで。
「じゃあ属性は何種類あるの?」
「火・水・氷・風・雷・聖・闇だから7種類?」
「一般的にはそう言われているけどまだあるのかもしれないのよ?最近はあまり他国との関わりを持たないから知られていないと思うけど噂では木や植物と会話ができるようになる魔法まであるらしいから。」
「それは何属性かわからないの?」
「微妙に共通点があるのは風なんだけど風属性ではないみたい。」
「ふ〜ん。じゃあまだわかんないんだ。」
「そ〜ゆ〜こと。まぁ一般常識があるか無いかを見定めたかっただけだから気にしなくて大丈夫よ。」
「じゃあ玉と聖玉の違いってなんなの?」
一瞬シルフィーがビクッと反応した気がしたが気のせいだろう。
「玉は植物からとれるわよね?」
「うん。僕とシルフィーがあったのもそこだったし。」
「聖玉は植物からはとれないわ。」
「えぇ?!そんな玉聞いたことないよ?!………まてよ、じゃあシルフィーはどうやってとってきたのさ?」
「聖玉ができたのは、遥か昔、まだ魔法文明が生まれてない頃……そうねぇ人類があらわれはじめた頃にさかのぼるわ。」
「そんなに?!」
「えぇ。半ば伝説化してるところもあるんだけどね。」
「うん。詳しく聞かせてね!!」
するとまるで語り手のようにシルフィーは語り始めた。
「その昔各地に守護してくださる神々が居て皆は平和に楽しく暮らしていた。また、神々達の仲も良く、争いという言葉すら存在していなかった。そんな平和な世界にある時一人の男がこういった。『我々は皆、各々の神を祭り上げ信仰しているが、本当は誰が一番頼りになるのだろう?』神々も人々もそんなことは考えたこともなかった。一番を決める必要はないと考えていたからだ。しかし、一度言われてみれば気になるのが人間の性。神達は各々治めていた人間達にそんな必要はないと悟したが一向に聞く耳を持たずついには神の今までの恩恵を忘れ争いを始めた。多くの死者と悲しみがうまれた。大地には悲しみと血、憎しみが蔓延し、皆つかれはてていた。神々は世界の浄化のために長雨と干ばつを交互に繰り返した。そして神はこういった。『おまえ達人間が改心し、争いをやめるまで私たちはしばし人間界から手を引こう。いつか我らの思考を理解し、本当に平和な世界を皆が望むというならばその時は手を貸そう。過ちを繰り返してはならぬ。いつかわかってくれるその時まで待つことにしよう。我らはしばし、眠りにつこう。』神々は世界から身を退いた。それでも争いはとまらなかった。神が姿を現さなくなってから、余計に激化した。もはや、怒りと憎しみの戦いになっていた。そんなとき一人の少女が現われた。少女はある力を生まれたときから持っていた。『玉を生成する力』。彼女はその特殊な力により神の居場所を秘かにつきとめた。そして、神にこういった。『私が戦を止めましょう。神様。そのかわり私に力をお貸しください。神々の聖なる力をこの玉にお納めください。私が解放し、人々の心を浄化します。』神は力を分け与え、その少女の活躍により、戦は終わった。」
「じゃあその分け与えた力っていうのが今の聖玉につまっているっていうわけか。」
「そ〜ゆ〜こと。だけど聖玉自体に神が宿っているって言われていて、封印されてるからそれ自体を持ち出すことは不可能。だから今はその聖玉の力を玉に移し替えて持っているの。だから今私が持っている聖玉はコピーね。」
「聖玉って奥が深い。」
「まぁ、歴史が非っ常〜〜〜に古いっつ〜〜ことはわかった?」
「うん。でも、その女の子すごいね〜一人で戦を止めちゃうなんてさ!」
「古文書によると、その子は神の力を完全には使いこなせなかったみたいよ?だから後世に闇がのこったみたいだし。」
「ふ〜ん。で、その女の子はその後どうなったの?」
「亡くなったわ。力の使いすぎでね。」
「可愛そうだね、若いのに。」
「まぁ神の力を使うんだもん。十分すごいわよ。」
そしてヘルゼーに一抹の不安がよぎった。
「シルフィーは……死なないよ……ね?」
確認するかのように聞いてきたのでシルフィーは答えた。
「当たり前じゃない?!死ぬわけ無いでしょ!」
ヘルゼーに安堵の表情が戻ったのがわかった。
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