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第4話 危険な日食に襲われる村 前編

更新が遅くなってしまい申し訳ありませんでした!毎回読んでくださっている方々、本当にすみません!それから嬉しい事に読者数が100人を突破いたしました!本当なら突破記念もしたいし、毎日更新したいのですが何分作者に時間が無いのでお許しください!出来る限り書いていこうと思いますのでこれからもよろしくお願いします。

朝、目覚めるとシルフィーはもう起きていた。体は充分動くし、気分爽快とはまさにこのことをいうのだろうと言うぐらいすっきりとした目覚めだ。

「ん〜〜〜!!」

軽く伸びるとシルフィーが気付いた。

「おはようヘルゼー。よくねれた?」

「うん!バッチリだよ!」

「それはよかった。んじゃ!今日からの旅は修業しながらの長〜〜〜〜い旅になるわね!フフフっ」

最後の笑いはやめてくれ。本気で恐いから。昨日あれだけの魔法の数々と魔力を見せ付けられたら誰でもこうなるだろう、と言うぐらい本当にすごかった。あんな魔法ショーを間近でみたのは初めてだった。でも気合いは充分。

「よろしくお願いしゃ〜す。」

「お!!やる気あんじゃん!」

「とりあえず生きていくにはコレしかナイだろ?」

「そーゆーこと。」

つー訳で歩き始めたんだけど、修業って何すんだろ。昨日の1日でシルフィーが見かけほどか弱くないって言うことと、多少恐いっていうか、100%逆らえないって言うことと、スパルタ教育だなって言うことだけはよく分かった。

「ふ〜ん、私のことそ〜ゆ〜ことだけ分かったんだ〜。」

しっしまった!玉の存在を忘れてた!!

「話し掛けてんのにな〜んも反応しないから、何考えてんのかと思えばそ〜ゆ〜コトなんだ。じゃあ、お望み通りスパルタ教育で修業を開始させていただきますね!」

「はっは〜〜い。」

人生最大の過失だ……。ヘルゼーはそう悟った。

「まず玉を持って。」

「はい。」

「よし。じゃあ形状変化!」

「は?」

「『は?』じゃなくて、昨日みたいに。剣とか盾とかなんでもいいから。まず第一の修業は玉の形状変化に耐えられるくらいの魔力と体力をつけること。はい!始め!!」

「『始め!!』って言われたってどうやったかなんて覚えてな……」

「昨日の私の助言、まさかとは思うけど忘れたとか言わないよね?」

忘れました。なんていえねーー!!!ヤバーーーーーーーーーイ!!どーしよーコレ?!

「えっ……と確か……」

考えろ!!考えるんだヘルゼー!確か思いとか言ってたはずだ!!

「思うこと?」

「違う。でも惜しい!」

「えっと〜〜!!そーだ!心に欲しい物とか願いとかを浮かべる!」

「正解。じゃあ最初はできそうな剣から。」

「よ〜し!」

剣をイメージして創る。すると、ぐにゃ。すっごい変な感じだけど玉に力を吸われ、玉が剣に変化した。

「上出来。じゃあなんでもいいから次の村に着くまでの間、1日に何個だせるかとか、期限をきめてできるだけ多くだせるようにチャレンジすること。」

「イエッサ。」

ヘルゼーは次から次へとチャレンジしてみた。剣→ムチ→大剣→弓→ハンマー→銃。6品目でヘルゼーが限界を訴えた。

「も…う…ムリ…!!」

するとシルフィーは冷たく言い放った。

「甘い。」

鬼だ―――。鬼がここにいるよーーーー!!!

「まぁ、しょーがないか。白い髪でここまでできれば充分ね。」

「ふぅ。」

胸を撫で下ろした次の瞬間だった。

「10分たったら行くから。」

えーー、昨日は泊まってくれたのにーー。って言うような顔をしていたら、

「いつまでも止まってられないでしょ。旅の途中なんだから。それに、1度泊まった周辺に長居するのはよくないわ、魔物に襲われる確率も高くなるしね。」

「あ、そっか…。」

「わかればよろしい。さっ行くわよ。」

「もう……??」

「只今10分1・2・3…」

「あ〜もうわかったよ!行くよ!」

ヘルゼーは半分自棄になりながら答えた。それからは歩きながら魔力を回復して、できそうになったら1品だしてみると言った具合で進んでいった。そしてヘルゼーが15品目をだしたときだった。急に緑のトンネルが開けて明るくなった。

「着いたわ。清らかな水で名高いシラティスの村よ。」

「もう着いたの?!」

「休んでから2時間以上は歩いていたわ。着いて当然よ。」

そんなに経っていたのか。ヘルゼーは全く気付かなかった。っていうか、僕達がいた街よりもはるかに……規模小っさ!!入ったと思ったらもう村の出口が見えてるし……。

「小さいとか、言っちゃダメよ。私たちのいた街が大きすぎたんだから。」

「ここもカトアニア共和国の中の村なの?」

「そうよ、まだ国もでてないわ。隣村に来ただけだもの。」

「国って地図でみると小っちゃいけど実際は広いんだね〜。」

ヘルゼーが改めて実感したように言うとシルフィーは呆れた眼差しを向けて言い放った。

「あんた、本当に何にも知らないのね。それでよく今まで恥をかかなかったこと。」

ひどい毒舌だ。人生丸ごと馬鹿にされた気分だ。するとシルフィーは村に異変が起きていることに気が付いた。

「!待って!」

ヘルゼーが足を踏み入れる1歩前だった。

「何?」

「この村、様子が変だわ。」

「はぁ…?別にどこも変わってなんかいないと思うけど…。」

「急によ、昼なのに暗くなり始めてる……。」

ヘルゼーが辺りを見回すと、今来たばかりの森は明るく、村の出口も明るい。ただ目の前にある村だけが夜のように暗い。ヘルゼーが空を見上げた。するとヘルゼーの瞳に信じられない光景が目に映った。闇だ。一面の悪雲が空を覆っている。

「シルフィー!!アレだよ!」

ヘルゼーは悪雲を指差し叫んだ。シルフィーも空をみた。そしてシルフィーからは思ってもみない言葉が飛び出た。

「あ!!日っ……食?何故?!今年は起きないはず……!」

「えっ!シルフィー!見えないの?!」

「何が?日食なら見えてるわよ?」

おかしいなと思いもう一度空を見上げると、もうそこに悪雲は無く、シルフィーの言うように闇に喰われている太陽が目に入った。

「あ……れ?」

「どうしたの?ヘルゼー。」

見間違いだったのかなぁ……、魔力をつかいすぎて幻覚をみて錯覚したのかも知れないと思い、誤魔化した。

「なんでもないよ。ただ魔力をつかいすぎたみたい。」

「まぁ、村についたし、今日は休めるだろうから。とりあえず事情を聞かなきゃ。」

「日食か―――。旅の方、日食がめずらしいですか?」

シルフィーが話した瞬間に声をかけられたので驚いた。後ろを振り向くと、畑仕事を終えたばかりのような鍬を持った中年のおじさんが立っていた。そして、すぐさまシルフィーが対応する。

「えぇ、実際に見るのは初めてですし。」

するとそのおじさんはとんでもないことを言いだした。

「この村ではかれこれ、300年ほど前からほぼ毎日のように日食が起きています。今となってはもう日常の風景の一部です。」

シルフィーが柄にもなく焦っているのがわかった。

「一番この現象について、詳しいのはあなたですか?」


旅の基本、最初に話した人から情報を聞き出す。

「はい。村長ですから。」

自慢かよっ!とツッコミを入れたくなるがガマンガマン…。

「ではお話いたしましょう、討悪師様。」

「……はい。お願いします。」

あれ?討悪師って確か知らない人のほうが多いってシルフィーが言ってなかったっけ?

「村人で老人に近いおじさんよ?古い習慣の強い所ほど知ってる人は多いわ。」

小声でシルフィーが教えてくれた。おじさんに聞かれていたら大変だもんな。

そして、村長の家に案内された。

「どうぞ。何もありませんが…。」

「ありがとうございます。」

席に着いた途端、シルフィーが切り出した。

「単刀直入に聞かしていただきます。こんなに頻繁に日食が起きているのは何故ですか?それに日食が起きているのに何故平気で外を歩けるのですか?日食が異常な回数起きているということは、闇に村が喰われている証拠だというのに……。」

「あれ?!日食って自然現象じゃないの?」

「普通に起きている分には全く問題無いわ。でもこの村のように通常ではありえない回数の日食が起きている場合は、闇に呑まれている証拠なのよ。誰の心にも悪魔がいるのは知っているでしょう?」

「うん。」

すると村長が話し始めた。

「光の玉です。光の玉を身につけていれば心が闇に汚されず、魔物になる心配もない。」

「え?魔物って元人間なの?!」

「呆れた。本当に何も知らないのね。まぁ学んでいなければ仕方ないか。その通り、魔物は元人間よ。今度詳しく教えてあげるから今は黙ってて。人の命にかかわるかもしれない話だから。」

そんな重大な話になるのか……、っていっても誰の命だろう。多分村人だよな……。会話的に。シルフィーが村にきてから焦っている理由もそのせいだろう。

「でも、よく発見されましたね…。光の玉なんて。解決策なんてなかなか見つかるようなものじゃあないのに……。」

「村の伝説のようなものなのですが、今から280年前に、そう日食に襲われるようになったころの話です。村を捨てて逃げるか、『使命』をまっとうするために残るかで村人意見は真っ二つに割れたそうです。日食のせいで皆の心は揺れに揺れ、苦悩していたその時でした。一人の討悪師様が現われたのです。名をカトレア・ハウゼット。闇の呪いの強いこの村を浄化し、一時的ではありましたが光の保護魔法をかけてこの村を去ったそうです。」

使命……。何のことだかさっぱりわからなかった。

「ところが、最近困ったことが起きているのです討悪師様。」

「なんですか?光の玉を持っているなら、闇の心配はいらないはずですよね?」

「えぇ、1人を除いては。」

「どういう意味ですか?」

「村に1人だけ不幸にも日食の時に産まれた娘がいまして。その娘だけが呪いが強く、光の玉を持っていても日食の時は外にはだせません。」

「どんな子なのですか?」

「とても元気で明るく優しい子です。会ってみますか?」

「はい。お願いします。」

「わかりました。では、参りましょう。」

村長の家をでて、真っすぐ前に50歩ほど進んで、着いた。おむかいなら紛らわしいことしないでよ!表札がでていた。木製のため少し読みづらいが、

┌──────────┐│ ミケ・ガステス  ││    セウス   ││    ライティア │└──────────┘

と書かれていた。家は留守だったので畑にいくとミケ氏と思われる人物が働いていた。

「ミケさ〜〜〜〜〜ん!!あんたに朗報だぞ〜〜!!娘さんのけんだぁよ〜〜!」

村長元気だな〜。

「わかりました〜〜!今そちらにうかがいます!」

ミケ氏の方が若いはずなのに声が小さく聞こえる……。コレが村長パワーか……。そんな馬鹿なことを考えながらミケ夫婦がくるのを待つ。

「お待たせいたしました。私がミケ・ガステスです。こっちは妻のセウスです。」

「よろしくお願いします。娘を助けてやってください。」

「まずお伺いさせていただきますが娘さんが日食の被害者なのですね?」

「……。はい……。」

ミケ氏が応対した。

「娘をどうにかしてやれませんか?元気なのに、1日の半分は外にでれないなんて。まだ13なのに。」

奥さんが話した。

「遊びたい盛りで最近はよく家を抜け出すようになってしまい困ってるんです。あの子が日食の時に家を抜け出したりでもしたらと思うと……。」

ミケ氏の発言にシルフィーが食い付いた。

「それは危険ですね。ところで娘さんは闇が深くなると何に化けるのですか?」

「闇の化身とでも言いましょうか……。三面犬ケルベロスですよ。」

すると奥さんが付け足すように言った。

「黒豹になるときもあります。」

するとシルフィーは驚いたらしく目を見開いて言った。

「固定していないのですか?」

「いいえ。よくわからないのです。最初は日食も気にせずに外に出していたんです。呪いを知らなかった頃は、光の玉を持たせれば大丈夫だと聞いていたので。そうしたらずっと三面犬のミニ版になっていたのです。私たちは畑仕事で目を離していて気付いた頃には私たちを獲物のように狙う目でした。それからは外出禁止にして。でも運悪く抜け出したのが日食の日に1度当たってしまって。その時が黒豹だったのです。」

少し間をあけてからシルフィーが言った。

「もしかしたら、成長と供に変化がおきたかもしれませんね。娘さんは?」

「もちろん家の中に……。」

話していた奥さんの顔色が急に変わった。

「な…ん…で……??!」

そういって奥さんは気を失った。嫌な予感は的中するもの。三面犬になった娘が後ろにいた。

「三面犬だったか……、お願いです。できるだけダメージは少なく……!」

父親が叫んだ。

「わかっています!ですが多少はガマンを……。」

「妻を家に入れてきます!」

「お願いします!」

「シルフィーどーするの?光の弾じゃ強すぎるよ?!」

「分かってるわよ……だったらこうするまでよ!!」

そうするとシルフィーはまた杖をだし、天高くあげた。光の弾……とおもったら杖についている玉からものすごく眩しい光があふれ出た。

「うわ……まぶし……。」

まばゆく光ったあとはスウッとうすれた。

「眩しいだけで聞くの?」

目をチカチカさせながらヘルゼーが言った。

「この種の魔物は気を失う事が多いわ。そ〜すると……。」

やっとのことで目を開けたヘルゼーが見たものは三面犬ではなく美しい村娘が1人倒れていた。

意見・感想・批評、いただければ幸いです。作者の成長の為なので厳しい意見もありがたいです!よろしくお願いします。            大橋結菜

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