妻の手料理
会社にでて、何が一番楽しみか。
人に聞かれたら、私は妻が作ってくれた弁当と答えることにしている。
事実、妻の手弁当は、普通の弁当と比べても、かなりうまい。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
1日が終わると実感するのは、妻の笑顔を見た時だ。
その笑顔に、私は心も体も、芯から癒される。
そう、私が求めていた幸せというのは、きっと、こんな感じの、温かいものだったのだろう。
小さなころから、こういうことになぜか憧れを抱いていた私は、これほどの些細なことが、一番心温まるようだ。
さて、ご飯も食べ、お風呂に入り、それからパソコンを使って簡単に今日の出来事をまとめると、妻と一緒に布団に入る。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
電気がゆっくりと消えて、私の意識もゆっくりと薄れる。
明日も、こんな感じで1日が過ぎていくように祈りながら。