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最後の約束

作者: けろよん
掲載日:2025/11/21

 空が暗くなる頃、彼女は小さな公園のベンチに座っていた。風が少し冷たく感じる。もうすぐ彼との約束の時間だ。


「来るかな?」


 心の中で何度もその言葉を繰り返してみるが、答えはいつも返ってこない。でも、今日は違う気がした。


 数年前、彼と約束したことがあった。


「もしもお互いに連絡が取れなくなったら、この公園で待つことにしよう」


 と……彼がどこかへ消えてしまったあの日から、彼女は毎日この場所に来ている。もうすぐ三年が経つ。


 その時、遠くから足音が聞こえてきた。彼女は無意識に立ち上がり、振り返る。そこには彼が立っていた。


「久しぶりだね」


 彼は以前と変わらない笑顔を浮かべていたが、少し疲れたようにも見えた。


「でも、どうして今になって? ずっと待ってたのに」


 彼はゆっくりと歩み寄り、彼女の前に立つと、少し困った顔をした。


「ごめん、ずっと伝えられなかったんだ」

「どうして?」

「僕、もう死んでるんだよ」


 その言葉を聞いた瞬間、彼女の胸が締めつけられるように痛んだ。彼女は黙って彼を見つめた。彼の手が触れることなく、彼女はそれを感じた。


「でも、約束したよね。君が待っているなら、いつか必ず来るって」

「どうしてそんなことを……」

「もう君を引き止めるわけにはいかない。君に忘れられた時、僕もさよならするんだ」


 彼は最後に優しく微笑むと、そのまま消えていった。風に乗って、彼の言葉が静かに響いた。


「忘れないで。君を守ってるから」


 彼女は忘れるまでその言葉を胸に噛みしめていた。

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