表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/145

花占いの魔女、戸惑う。


私がスーリさんの呪いを解ける‥と、東の魔女様から教えられたスーリさんは颯爽と騎士団へ戻り、入れ違いのようにベルナルさんが我が家にやってきた。


「え?スーリオンさん、いないの?素材のお金持ってきたのに」


驚いた顔のベルナルさんにはっとした。



「そうだった!!!忘れてた!」

「‥あんた達、なんか似た者同士よねぇ」

「全然似てませんよ〜〜。スーリさんは私よりずっとしっかりしてるし、人格者ですよ‥」



なんて自分で言っておいてズーンと落ち込むんだから私の面倒臭さったらよぉ!ベルナルさんはそんな私をカラカラと笑ってくれたけどね。


ひとまずせっかくだし‥と、お茶に誘うとベルナルさんはニコッと笑って、


「レントのアホを怒鳴って喉が渇いてたから、丁度いいわ。ご馳走になるね!」

「‥そうでしたね。お疲れ様でした。お茶沢山淹れます」

「あはは!ありがとね!」


手早くお茶を淹れて、ベルナルさんに差し出すと、



「そういえば、スーリオンさんは騎士って言ってたけど、もしかして白騎士団?」

「え!?なんでわかるんですか?」

「そりゃあの佇まいだもん。でも女だてらに騎士ってすごいね!」

「‥そ、そうですね?」



あかーーん!!

本当は男性だってますます言えないぞ、こりゃ。

私は誤魔化すように、とっておきのクッキーも取り出すとベルナルさんは美味しそうにクッキーを食べ、


「戻ってくるなら、うちの村の奴ら鍛えて欲しいんだよねぇ〜。皆、弱いんだもん」


と、ニコニコ話すけど、そりゃベルナルさんからすれば皆そうだべ‥。


「ベルナルさんがいるから安心では?」

「それじゃ困るのよ!私に何かあった時に対応できる人がいないと困るしね」

「‥そんな怖い事言わないで下さいよ」

「いやいや、事前準備って大事だからね?!」

「まぁ、それはそうですけど」

「エララだけだよ。それをすんなり納得してくれるのは」


ベルナルさんはお茶を飲みつつ、「村の皆はなんとかなる〜〜って思考で困る」とぼやいてた。まぁ、基本のんびりした田舎だからねぇ。



「とりあえずスーリオンさんが戻ってくるなら、お金はエララに預けておくわ」

「え?いいんですか?」

「だってあんたがめたりしないでしょ」

「そりゃしませんよ?人様の物なのに‥」

「そういう思考の人間だから安心して渡すの」

「なるほど?」



なんだかんだで信用してくれているのは嬉しい。

小さな田舎の村に突然やってきて、魔女とも名乗ってないのに受け入れてくれるんだから、皆基本的に優しいんだよね。


とはいえ受け取った布袋の重さに私は目を丸くした。


「なんか‥、すごく重くありません?」

「そりゃ大型の狼の魔物に、大蜘蛛でしょ?あれいい素材になるんだよねー!あとレントの方からも慰謝料ふんだくったから、色付けといたよ!」

「色‥」

「石の管理をする業者が管理が悪くて魔物を寄せてたなんて大問題だからね!」

「そういえば、その理由はまだわかってないんですよね?」

「そう。ギルドと近くの騎士団で調査するってさ」


そっか‥。

それなら大丈夫、かな?

スーリさんが私の家にも念の為にと魔物避けの石を置いておいてくれたし、我が家は大丈夫だろうけど、他にも村や町はあるから、大丈夫かなって心配だったのでベルナルさんの言葉にほっとした。


ベルナルさんはそんな私を見て、



「スーリオンさんが良い騎士さんで良かったよね!嫌な奴もいるからさ!」

「そうなんですか?」

「いるよ〜〜!この間も馬を貸したんだけどやたらと難癖つけてきてさ。叱り飛ばしてやったけど」

「豪胆だ‥」



私の言葉にベルナルさんはカラカラと笑って、


「ま、色々な人がいるのは仕方ないね。今日はもう帰るけど、何かあってもなくても声を掛けてね」

「ありがとうございます」


ふわりと優しく微笑んでくれるベルナルさん。

本当、こうやって気遣ってくれる人がいてくれるって有難い。

それだけで私は幸せだなぁって思える。



ベルナルさんを見送って、一通りの家事を終えて部屋の中を見ると、

どこかガランとした雰囲気に戸惑った。



「‥‥部屋が広く感じる」



たった2日いただけなのに、スーリさんの存在感がすごい。

なんだか寂しいな、なんて思ったのもいつぶりだろう。というか、私ちょっと寂しかったんだな‥。スーリさんを占う為に取り出しておいた花の箱を見て、ふと思い出した。



私が占ったことが当たってた。



でも、今まで私は自分で占ったことは当たった事がなかった。

お母さんが無くした靴下は洗面台の横‥で「はい」って出たから探したら、結局ベッドの横だったし。私のお気に入りのリボンを無くして、ベッド横?って占ったら「はい」って出たから探したら、洗面台だったし‥。


「本当、探し物は当たらないんだよなぁ‥」


ん?

じゃあ、探し物以外なら当たるって事‥‥?


ふっとそんな事を思い浮かべ、そっと花の箱を開ける。

もしかして?なんて思いつつ、小さな黒い花の種を一粒摘んだその時、



「エララーーー!!!ベロがまた逃げたから捕まえるの手伝ってくれー!!」

「このタイミングかーい!!!」



いきなり家のドアを開けたアルに突っ込んだけど、いいよね?許されるよね?!タイミング悪すぎだってのーー!!




良い人に会えると1日嬉しいもんですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ